勉強に競争心は必要?競争心を持つことのメリット・デメリットとは?

中学受験や模試の結果に悩む保護者の方へ競争心の持ち方について考えてみませんか?

受験を控えた小学生や中学生の中には、模試の結果を友達と比較して一喜一憂する子供たちが多くいます。競争心が勉強のモチベーションを上げる一方で、他人と競うことが目的化すると、逆にモチベーションを下げる原因にもなりかねません。ここでは、競争心が勉強に与える影響について詳しく見ていきます。

子供たちが自分のペースで成長し、持続的に学ぶ意欲を持ち続けられるようサポートしていきましょう。

勉強に競争心は必要?不要?

子供の競争心のなさに不安そうな母親

「うちの子は競争心がなくて……」「あまり人に勝ちたいという気持ちがないんです」という声を中学受験や模試の結果に悩む保護者からよく聞きます。持っていたほうがいい競争心と、持たなくていい競争心があると言えば言いすぎですが、競争心が全くないのと同様に、競争心がありすぎるのも時に問題になります。

競争心には、持つことで得られるメリットとデメリットが存在します。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

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競争心があることのメリット

自分と戦う学生

自分への競争心

同じ競争心でも、それを自分自身に向けた場合は健全な成長へのモチベーションになります。
ライバルに向ける競争心ではなく、自分への挑戦といった方法で、競争心を煽るのが効果的な勉強法にもなるのです。

例えば、何十分で1枚の問題が解けるか時間を計りやり遂げる方法や、漢字100問読み書きを間違えずに行う。こうした、自分への挑戦を重ね、競争心を煽ったり目標に達しなかったなどの失敗を繰り返すことで、メンタルを鍛えることもできます。そして、友人との成績勝負は自分を高める材料程度にしておくことで、互いに敬意を持って刺激を与え合うライバル像も完成していきます。

競争心は、他人に対するものだけでなく、自分自身に向けたものもあります(自己競争心と言います)。自己競争心は、健全な成長のための強力なモチベーションとなり得ます。ライバルに向ける競争心ではなく、自分自身への挑戦といった方法で競争心を持つことは、勉強をするうえでも効果的な勉強法になります。

例えば、一定の時間内に問題を解くことや、漢字の読み書きをミスなく行うことなど、自分への挑戦を重ねることで競争心を煽り、目標達成や失敗を通じてメンタルを鍛えることができます。また、友人との成績勝負は自分を高める材料程度にしておくことで、互いに敬意を持って刺激し合う健全なライバル関係が築けます。

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勝つ喜び・敗北の悔しさを味わえる

自分と戦うテスト勉強中の女子学生

競争心を持つことで、勝利の喜びや敗北の悔しさを経験することができます。これらの感情は、自己成長の重要な原動力となります。勝った時の喜びは次のチャレンジへのモチベーションとなり、負けた時の悔しさはふたたび努力しようという意欲を湧かせてくれます。

勝つためにはどうすればいいかを考えるようになる

競争心はあると次は勝つためにどうすれば良いかを考えるようになります。目標達成のための戦略を考え、実行に移すことは、学業だけでなく将来の社会生活でも重要なスキルです。自己分析や問題解決能力の向上に繋がります。

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競争心があることのデメリット

少年漫画のようなライバル関係って、とてもキラキラ輝かしく見えて羨ましい関係ですよね。切磋琢磨し互いを高めあう関係に憧れる子供は多いのではないでしょうか。
しかし、それが文字通り互いを高め合うものになればいいのですが、成績で勝ち負けを競うことがモチベーションを下げてしまう結果にもなりかねません。

次は競争心があることのデメリットについてお話しします。

自己中心的な競争意識は精神に悪い

やる気をなくした高校生

例えば、お子さんが勉強に苦手意識を持っている場合はどうでしょうか。最初の数度であれば、競争心からくるモチベーションで良く勉強するようにもなるでしょう。しかし、テストのたびに友達に負けていたらどうでしょう。勉強のモチベーションがなくなるばかりか、努力することそのものを否定的に捉えるようになってしまうかもしれません。

そのようなリスクのある場合、他人との競争を促す競争心だと向いていません。自分が良ければライバルを蹴落としてでも、自分が受かる方法を取る。そんなギスギスするような性格に育ってしまうことも否定できません。

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人間関係の悪化

特に小学生や中学生で、このような性格になってしまうと、人を見下したり、自分より力が上の人間にはヘコヘコするといった傾向もあるようで、信用にも欠けてしまいます。競争心が強いことが必ずしも悪いわけではありませんが、バランスが重要です。それでも良いという場合は、敵が多ければ多い程、努力出来るタイプとも言えますが、自分がピンチの時に助けてくれる仲間がいなければゲームオーバー。主人公とは真逆の精神論とも言えるでしょう。

精神的なプレッシャー

プレッシャーを感じる女子中学生

また、精神が出来上がっていない子供は、自分の悪い噂などを耳にすると恐怖心が高まってしまい、自分の知る限りのコミュニティでの地位が危ぶまれてしまうのも悪影響となる可能性も含んでいます。

また、精神が出来上がっていない子供は、自分に関する悪い噂や他人からの評価が大きなストレス源になってしまうことがあります。
競争心が強すぎると、子供は他人の評価を過度に気にしてしまいがちです。その結果、精神的なプレッシャーが増し、心や体に悪影響を及ぼす可能性があります。
たとえば、勉強がうまくいかないときに「友達に笑われるのではないか」とか「親や先生に失望されるのではないか」といった不安が募り、ストレスがたまってしまいます。このような状況は、子供たちのやる気や自信を奪い、勉強に対する意欲を低下させることにつながります。

他人との比較ではなく、自分の成長に焦点を当てることで、子供は健全に成長できるようになります。

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競うなら「良いライバル」と!

良いライバル関係の二人

では周囲の人と競い合うのは全く良くないのでしょうか?そうではありません。「良きライバル」となる友人を見つけることで、いい意味での競争心や向上心も生まれてくるでしょう。

良いライバルとは、あなたにとって成長の原動力となる相手です。彼らは単なる競争相手ではなく、お互いに高め合い、切磋琢磨する存在です。
具体的に良いライバルとはどのような相手なのか、一緒に見ていきましょう。

1. 同じ目標を持っている

良いライバルとは、あなたと同じ目標や夢を持つ人です。例えば中学生ならほとんどだれもが高校進学という目標を抱いていますよね。また同じ部活の仲間も同じ目標に向かって努力しているといえるでしょう。そんな関係だとお互いに刺激を受けやすく、競争心が自然と湧いてきます。この競争心が、さらなる努力を引き出し、自分を成長させる力となります。

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2. 適度な実力差がある

ほとんど実力が変わらないふたり

あまりにも実力差が大きすぎると、一方が劣等感を感じたり、逆に優越感を持ってしまったりすることがあります。良いライバルとは、実力が同等か、少しだけ自分よりも上の相手です。この適度な実力差があることで、次は勝つように頑張りたいという意欲を抱かせてくれるのです。全く実力が違いすぎると、勝とうという気はおろか、勝負しようという気も起きなくなります。それでは本末転倒ですよね。

3. 互いに前向きな姿勢を持っている

前向きに励まし合うライバル

ライバルは単に競争相手というだけではなく。お互いに励まし合い、助け合うことができる関係が重要です。そんなライバルは、自分を成長させる大きな原動力になります。競争が過度に激化し、ネガティブな感情が生まれることなく、共に前向きな姿勢で取り組むことができる関係が理想です。
つまり良いライバルとは、成功を心から喜ぶことができる相手とも言えます。ライバルの成功を見て嫉妬するのではなく、自分ももっと頑張ろうと感じることができる相手が理想です。互いの成功を喜び、認め合うことで、健全な競争関係が築けます。お互いの努力や成果を認め、尊重することで、競争が建設的なものとなります。尊敬の気持ちがあれば、ライバル関係は長続きし、より深い成長を促すことができます。

4. 競争だけでなく協力もできる

そんな関係だと競争するだけでなく、協力することもできるでしょう。共通の目標に向かって協力し合うことで、より大きな成果を上げることができます。また、困難に直面した時にお互いに助け合うことで、困難を乗り越えることもできるでしょう。受験勉強は個人戦ではなく団体戦です。競うだけではなく、得意なところは空いてい教え、逆に苦手なことは相手から教わり、互いに励まし合える関係でこそ、良いライバルと言えるのではないでしょうか?

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競争心を適切に育むためのポイント

ポイントを示す高校生

勉強が出来た・出来ないといった問題は、お子さんの実力が投影される問題です。他人と比べるものではありません。モチベーションを上げる方法として、「誰々より出来てない」や、「誰々はいつもこんなに頑張てるのだからあなたも出来るでしょ」という発言はお子さんの競争心を出させる可能性もありますが、ナイーブな性格の子供であれば、ストレスやフラストレーションが溜まる事にもなり、お子さんの成長の芽を握りつぶす可能性もあります。そのため、競争は他人とではなく自分との闘いとして挑ませてあげましょう。

最後にお子さんの競争心を適切に育むためのポイントを紹介します!

1. 自分自身との競争を促す

他人との比較ではなく、お子さんが自分自身と競争するように促しましょう。例えば、以前のテスト結果や学習記録を参考にし、次回はそれを上回ることを目標にさせます。具体的には、「前回のテストで70点だったから、今回は80点を目指そう」や「今日は20分間集中して勉強できたから、次は25分を目指してみよう」というように、過去の成果を基準にして競争心を育むことで、他人と競うストレスを避けつつ、自己成長を目指すことが出来ます。

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2. 健全なライバル関係を構築する

健全なライバル関係の二人

良きライバルとなる友人を見つけることで、健全な競争心を育むことができます。ライバルとは、互いに切磋琢磨し、成長を助け合う関係です。同じ目標を持ち、実力が拮抗している友人と競うことで、モチベーションを高めることができます。重要なのは、ライバルとの競争がポジティブなものであり、お互いの努力を認め合い、成功を喜び合う関係であることです。例えば、「次のテストでどちらが高得点を取れるか勝負しよう」といった具体的な目標を共有することで、健全な競争心を刺激します。

3. フィードバックと達成感の提供

競争心を健全に育むためには、子供が努力した結果をしっかりと評価し、フィードバックを与えることが重要です。テストや課題の結果を評価する際、単に点数だけを見るのではなく、努力の過程や改善点に注目します。具体的なフィードバックを提供し、「今回のテストではここが良かったから、次はこの部分をもっと頑張ってみよう」といった形で次の目標を設定させます。また、小さな達成でも褒めることで、子供が自分の成長を実感し、さらなる挑戦への意欲を持ち続けられるようにします。

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競争心を持つことのメリット・デメリットまとめ

競争心は、勉強における重要な要素の一つですが、それが過剰になるとデメリットも生まれてしまいます。健全な競争心を育むためには、他人との比較でなく、自分自身をライバルとし、自己目標の設定や努力の過程に焦点を当てることが大切になります。自己成長を目指すことで、子供たちはより健全で持続可能な学びの姿勢を身につけることができます。親御さんは、子供たちが自分自身と向き合い、自分のペースで成長していくことを見守り、サポートしていくようにしましょう!