小学生に先取り学習は必要?先取り学習のメリットとデメリットとは?

 

小学生の親御さんは、お子さまの学力を伸ばすために様々な工夫をされていることと思います。その中でも「先取り学習」は塾などでも主流なので、お子さまにもさせたほうがいいのではと考えている保護者の方もおおいのではないでしょうか。しかし、先取り学習はやり方を間違えてしまうとむしろ逆効果になってしまいます。

今回は先取り学習を検討中の保護者の方に向けて、小学生のお子さまにとっての先取り学習のメリットとデメリットについて詳しくお伝えします。

小学生に先取り学習は必要?

小学生のお子さまにとって先取り学習は本当に必要なのでしょうか。この問いに対する答えは、個々の子供の学習スタイルや目標によって異なります。先取り学習は、お子さまが新しい知識を吸収するスピードが速く、さらなる挑戦を求めている場合に特に有効です。逆に、無理に先取り学習を押し付けると、ストレスやプレッシャーを感じることがあります。

お子さまの学習意欲やペースに合わせて、先取り学習を取り入れるかどうかを慎重に判断することが重要です。無理のない範囲で、楽しみながら学べる環境を作ることが、お子さまの学力向上に最も効果的です。

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先取り学習のメリット

先取り学習で勉強する小学生

1.自信がつく

先取り学習のメリットは多くありますが、まずはお子さまの得意科目を早めに取り入れることで、知識を蓄え自信をつけることができます。これは、さらに学力を伸ばすために非常に有効です。特に受験を考える場合、国語や算数などの主要教科を先取りして学ぶことは、得意科目を引き上げる大切なポイントになります。

また、先取り学習は受験のためだけではありません。学校の授業の習熟度を高め、理解力を早めることにもつながります。例えば、小学生の高学年になると、算数では掛け算や割り算、図形の面積・体積など、抽象的で複雑な概念を学び始めます。学校の授業だけでは理解が追いつかず、勉強嫌いになってしまうお子さまも少なくありません。

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2.不安が解消できる

先取り学習であらかじめ理解を深めておくことで、学校の授業が分からなくなる前に要点をしっかりと押さえることができます。ドリルや家庭教師を活用しながら学ぶことで、学校教育から取り残されることも減り、お子さまの不安を解消することができるでしょう。

3.苦手意識が生まれにくい

さらに、受験対策としても先取り学習は有効です。例えば、小学校4年生から小学校5年生や6年生で習う内容を少しでも学んでおくことで、お子さまが進級後に苦手意識を作ることなく学習に励むことができます。先取り学習は、そういった意味でも長期的な視点で見て非常に効果的な学習方法と言えます。

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先取り学習のデメリット

授業に飽きてしまった小学生男子

では、先取り学習のデメリットとは何でしょうか?

1.授業が面白くなくなる

先取り学習のデメリットは何と言っても、学習態度の変化が起こる可能性と言えるでしょう。学校で習うはずの内容を、既に知ってしまっていることが問題となります。
教科書に書いてあることが分かってしまえば、真新しさもなく先生が話す内容も知っていれば、お子さまの授業に対する興味が薄れ、集中力が欠けてしまうことがあります。周りの子供と遊んでしまい、授業態度が悪化することが懸念されます。

2.協調性の乱れ

お子さまからすれば、知ってる事を教わっても楽しくないかもしれませんが、先生からすれば態度が気に入らない生徒だと思われてしまっては成績が優秀であっても、あまり印象は良く映りません。集団行動を求められる学校教育の中では、授業中に塾の宿題をやっていたり、他の生徒と騒ぐなど、みんなと違う事をしていれば内申書にも響いてきます。
「成績が良い・授業を理解している=何をしてもいい」という事ではありません。
学校教育では生徒が協調性などを学ぶことも大事な学習の一環になるため、学校生活を受ける態度や姿勢も、無駄な時間にしてはいけません。また、「授業を聞かなくても点数が取れる」という過信を生んでしまう事にもつながりかねません。

3.精神的な負担の増加

また先取り学習により、勉強量の増加による精神的な負担を感じている可能性もあります。
先取り学習は、普段の学校の勉強と、先取り分の勉強を並行して進めるのが基本となるため、学校の勉強に加えて先取り学習を進めることで、倍の学習量をこなすことになり、これがストレスの原因になることもあります。子供が無理をして勉強を続けると、勉強に対する意欲が低下し、最悪の場合、心の健康に悪影響を与えることもあります。

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先取り学習に向いている科目・向いていない科目

先取り学習に向いている科目・向いていない科目

先取り学習に向いている科目

先取り学習に向いている科目と向いていない科目もあります。まず、国語や算数は先取り学習に向いている科目です。これらの科目は基礎力を早めに身につけることで、後の学習がスムーズになります。特に算数は、抽象的な概念が多いため、先に理解を深めておくことで、授業が理解しやすくなります。

先取り学習に向かない科目

一方、社会や理科などの科目は、あまり先取り学習に向いていない場合があります。これらの科目は、知識の積み重ねが重要であり、学校の授業で学ぶ内容をしっかりと理解することが求められます。例えば理科だと実験結果を先取学習で先に知ってしまうと、授業への意欲がなくなってしまう場合も考えられます。先取り学習を行う場合でも、基礎的な知識を確実に身につけてから進めることが大切です。

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先取り学習の注意点

学校の勉強に一生懸命取り組む学生

先取り学習を進める際には、いくつかの注意点があります。まず、お子さまの学習ペースを尊重することが重要です。無理に先取り学習を押し付けると、お子さまにストレスを与え、勉強に対する意欲を低下させてしまうことがあります。

また、先取り学習を行う場合でも、学校の授業をおろそかにしないように注意が必要です。学校の授業は、基礎的な知識を身につけるために重要な場であり、授業中の態度や協調性も評価されます。先取り学習を進める中でも、学校での学びを大切にする姿勢を持つことが求められます。

さらに、先取り学習を行う際には、お子さまの理解度を確認しながら進めることが大切です。理解が不十分なまま次の内容に進むと、学習の効果が低下するだけでなく、子供の自信を失わせてしまうことがあります。定期的に復習を行い、お子さまの理解度を確認することが重要です。

先取り学習よりも自宅での学習習慣を身につける方が後々重要になります。日によって勉強する日・しない日が生まれないように、まずは毎日短い時間でもいいので継続して勉強する習慣をつけるようにしましょう。

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最後に

学校の授業を真面目に受ける学生たち

先取り学習のメリット・デメリットをお伝えしました。先取り学習には多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。
先取り学習のメリットはお子さまが効率良く勉強をすることが可能となりますが、なるべく無理な負担がかからないように、慎重になって進めることを心がけてもいいでしょう。

もし先取り学習がお子さまに合わないと感じたら、無理に続けるのではなく、普段の勉強に戻すことも検討してください。勉強に対する興味や意欲を失わないように、楽しく学べる環境を作り上げることが最も大切です。親御さんとして、お子さんの成長を見守りながら、適切なサポートを心がけていきましょう。