1学期の勉強の遅れはどう取り戻す?中学生の「ついていけない」を無くす夏休みの過ごし方

中学生の皆さん、1学期の成績はどうでしたか?新しい学年が始まり、新しい教科書とともに始まった1学期。思い描いた通りに勉強が進んだ人もいれば、学校の授業についていけずに苦戦してしまった人もいるかもしれません。特に、中学に入って初めての定期テストを経験した1年生や、部活動との両立に苦労した2年生、受験を意識し始めた3年生にとって、1学期の成績は一つの大きな指標となります。

学年にかからわず、1学期は一年のうちで最も高得点を取りやすい時期です。もし、1学期の成績が思わしくなかったり、勉強に追いつけなかったと感じているなら、夏休みはその遅れを取り戻す絶好のチャンス!この記事では、夏休みを利用して1学期の勉強の遅れを取り戻し、2学期に向けて「ついていけない」を無くすための具体的な勉強法をご紹介します。

中学生になって勉強についていけなくなる理由

勉強についていけていない中学生

中学校1年生にとって、1学期は特に学校の授業についていけなくなる人が多くなる時期でもあります。小学生の時の勉強はついていけていたのに、中学校に入って僅か4カ月足らずで、勉強に遅れが出てしまう…親御さんからすれば、なぜ?と感じる面もあるでしょうが、中学生の授業には4カ月で分からないことだらけになってしまって当然ともいえる理由が隠されています。中学生になって勉強についていけなくなる理由は様々ですが、大きく分けていくつかの理由があります。

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学習内容の難易度が上がる

小学校と比べて、中学校の習内容は一気に難易度が上がります。特に、数学や英語といった科目は、基礎がしっかりしていないと新しい内容についていくのが難しくなります。例えば、数学では一次方程式や連立方程式といった新しい概念が登場し、英語では文法や長文読解が求められるようになります。このような新しい内容に対して、基礎が十分に身についていないと、授業で理解が追いつかなくなってしまいます。加えて新たな教科も増えると同時に、高度な応用を求められるといった学習になるため、遅れることなくついていくのも大変になります。

授業の進度が速い

授業の進むスピードが速いイメージ

また中学校の授業は、小学校と比べて進度が速くなります。特に、定期テスト前には一気に範囲を終わらせるために授業が進むことがあり、しっかりと復習をしていないと、内容がどんどん溜まってしまいます。授業でわからない部分があっても、次々に新しい内容が追加されるため、一度つまずくと後の内容も理解しづらくなってしまいます。

中学での学習習慣をつけるには1年生が最大のチャンスでもあります。しかし、最初の段階でつまづきやる気がなくなってしまうと、遅れも進んでしまうと思います。さらに部活動が始まると勉強時間が少なくなったり、体の疲れで集中力を欠いた勉強を行ってしまうといった問題も出てきます。

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部活動や課外活動との両立

部活を頑張る中学生

中学校では部活動や課外活動が本格的にスタートします。これによって放課後や休日に勉強する時間が減ってしまうことがあります。特に、部活動が忙しいと、疲れて勉強に集中できないことも多くなります。また、部活動の合宿や大会があると、その準備や参加のために勉強の時間が取れなくなることもあります。

勉強の遅れを取り戻すには復習しかない

当たり前のことですが、勉強の遅れを取り戻すためには、まずは復習が欠かせません。新しい内容を学ぶ前に、1学期の内容をしっかりと理解し直すことが重要です。特に、積み上げ型の科目では、基礎がしっかりしていないと新しい内容を理解するのが難しくなります。復習を通じて、基礎を固めることで、2学期の内容にスムーズに入っていくことができます。

遅れを取り戻す勉強方法で一番大切なことは、出来ると出来ない部分を、しっかりと洗い出す必要性があります。単語が覚えきれていない為に長文の読解が出来ていなかったり、方程式といった難易度の上がった計算問題など、成績表と学期末試験の答案を見れば出来てない部分も分かりやすくなります。

また、基礎学力の確認も重要です。すでに小学校からの遅れがあれば、中学の難しい問題をクリアしようとすると努力も必要となります。日々の勉強時間が少なくても、一つずつ解答することが出来るようになれば、勉強に対する姿勢を変化させるキッカケにもなります。

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中学生の夏休みは遅れを取り戻すビッグチャンス

勉強を頑張る女子中学生

夏休みは、中学生にとって勉強の遅れを取り戻すためのビッグチャンスです。普段の授業や部活動がない分、自分のペースで勉強する時間を確保できます。ここでは、夏休みに勉強の遅れを取り戻すための具体的な方法を紹介します。

中学生の皆さん、夏休みは勉強の遅れを取り戻すための絶好のチャンスです。小学校の時は得点できていたのに、と思う人もいるかもしれませんが、中学1年の1学期での遅れはたったの4カ月程度の授業でもあり、夏休み中に十分リカバリーすることも可能です。1学期に理解が追いつかなかった部分や苦手な科目を集中して復習することで、2学期に自信を持って臨むことができます。ここでは、夏休みにどのようにして効果的に勉強するかについて詳しく解説します。

学校の宿題だけしていても復習にはなりづらい

夏休みの宿題は、学校から出されるものですが、それだけでは十分な復習にはなりません。宿題やワークの内容は1学期の復習がメインとなり、前の学年や小学校の時に習った単元に漏れがあった場合、学校の宿題だけ取り組んでいたのでは効果的な復習とは言えません。

宿題はあくまで最低限の学習内容をカバーするものであり、自分が特に苦手な部分や理解が浅い部分を重点的に復習し、遅れを取り戻すためには、自分で目標と計画を立てて追加の勉強が必要になります。

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優先すべきは積み上げ型の科目

数学のイメージ

勉強の遅れを取り戻すためには、まずは積み上げ型の科目である数学や英語を優先的に復習しましょう。積み上げ型の科目とは、前の内容が理解できていないと次の内容に進めない科目のことを指します。

数学は一度理解が追いつかなくなると、次の内容も理解しづらくなります。例えば、一次方程式がわからないと、連立方程式や二次方程式も理解できません。同様に、英語も基本的な文法や単語がわからないと、文章を読むことができません。これらの科目を優先的に復習することで、2学期の授業についていくための基礎を固めることができます。

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中学生の夏休みの過ごしかた

夏休みのイメージのひまわり

夏休みは、中学生にとって勉強の遅れを取り戻す絶好の機会です。学校の授業が一時的にストップするこの期間を有効に活用することで、1学期に習った内容をしっかりと復習し、次の学期に備えることができます。夏休みは特定の教科や単元に重点を置いて学習することができます。期末テストや小テストの結果を分析し、自分の弱点を特定し、その克服に集中することで、学力を飛躍的に向上させることができます。

自分の弱点を把握する

まずは、1学期の期末テストや中間テスト、小テストの解答を手元に用意しましょう。間違えた問題を一つ一つ見直し、自分の弱点を把握するようにします。間違えた問題ごとに、原因をリストアップしていくようにしましょう。例えば、「計算ミス」「問題文の読み間違い」「公式の暗記不足」「概念の理解不足」など、具体的な間違えた原因をまとめていきます。これにより具体的にどの部分で間違えたのか、解答過程のどこに誤りがあったのかを確認します。例えば、数学であれば計算ミスなのか、概念の理解不足なのか、英語であれば単語の意味を知らなかったのか、文法を間違えたのかなどです。

同じようなミスを繰り返している場合、それがあなたの弱点になります。例えば、数学で計算ミスが多い場合は、計算練習を重点的に行う必要があります。また、英語の文法問題でのミスが多い場合は、文法の基礎をもう一度復習する必要があります。

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目標を決める

目標の書かれたスケジュール

そこまで終わったら、夏休みが終わった時どうなっていたいかという大目標を立てましょう。例えば、数学では「1学期の教科書の問題を全て解けるようにする」、英語では「基本的な文法事項を全て復習する」といった具体的な目標です。それまで立てたら、その大目標を達成するために何が必要なのか、大目標を複数の小目標に分解していきます。

目標設定の例

大目標: 一次方程式の克服

大目標を達成するためには、以下のように小目標を設定し、それぞれを1週間ごとのタスクとして取り組むことでモチベーションを維持しながら中だるみにならずに勉強を進めていけるようになります。

1週間目: 基本の理解
まずは一次方程式の基本形(ax + b = c)を理解しましょう。教科書や参考書を使い、基本的な例題を10問解いてみます。問題を解く中で、解き方の手順や公式の使い方をしっかりと身につけましょう。

2週間目: 基本問題の演習
次に、毎日5問の一次方程式の問題を解くことを目標にします。解けなかった問題は解説をよく読み、どこで間違えたのかを確認します。理解が不十分な部分を繰り返し練習することで、確実に基礎を固めます。

3週間目: 応用問題の演習
基本問題が解けるようになったら、今度は文章題の一次方程式に挑戦します。毎日2問の文章題を解き、解答のプロセスを詳しくノートに記録します。問題の読み取り方や解き方を確認し、応用力を養います。

4週間目: 定期的な復習
最後の週はこれまで解いた問題を再度解き直し、理解度を確認します。間違えた問題はもう一度解いて完全に理解することを目指します。復習を通じて、弱点を補強し、実力を確実に高めましょう。

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勉強のスケジュールを立てる

次に、目標を達成するための具体的な勉強スケジュールを立てましょう。スケジュールを立てる際には、毎日の勉強時間を決め、どの科目をどれくらい勉強するかを具体的に計画します。中が宇生であれば夏休み中も部活があったりする場合もあると思うので、休憩やリフレッシュの時間、遊びの時間や休日も考慮して無理のないスケジュールを立てましょう。

スケジュールを立てている時はやる気もあるのでストイックなスケジュールにしがちですが、ストイックなスケジュールはのちのち自分の首を絞めることになってしまうケースも多く、そうなると勉強へのやる気も大きく削がれてしまうので、必ず余裕を持たせた計画を意識しましょう。先ほど立てた小目標を週ごとや3日ごとの目標として設定していきます。小目標を設定し、達成度をチェックすることで、進捗を確認しながら勉強を進めることができます。

生活リズムが乱れないように

夏休みは、生活リズムが乱れやすい時期でもあります。遅寝遅起きや不規則な食事は、集中力や体力に悪影響を及ぼします。勉強の効率を上げるためにも、規則正しい生活リズムを保つことが大切です。早寝早起きを心がけ、食事も3食バランス良く摂るようにしましょう。特に朝食は、脳の働きを活発にするために欠かせません。また、適度な運動やリフレッシュの時間を取り入れることで、勉強への集中力を高めることができます。

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遅れを取り戻す夏休みの勉強法まとめ

1学期の勉強の遅れをとり戻す中学生

夏休みは、1学期に学んだ内容を振り返り、理解を深める絶好の機会です。新しい単元が次々と進む通常の授業期間とは異なり、夏休みは過去の学習内容をじっくりと見直すことができます。これにより、基礎を固めることで次の学期にスムーズに移行するための準備ができます。

夏休みは、中学生にとって勉強の遅れを取り戻すための絶好のチャンス!1学期に学んだ内容を振り返り、理解を深めるまたとない機会です。新しい単元が次々と進む通常の授業期間とは異なり、夏休みは過去の学習内容をじっくりと見直すことができます。学校の宿題だけでなく、自分の苦手な部分を重点的に復習することで、2学期に向けてしっかりと準備をすることができます。2学期は1学期で習ったことが授業の基礎となり、また1学期よりさらに授業スピードは増していきます。

そのためにも1学期の勉強の遅れをとり戻すことは非常に重要なのです。せっかくの夏休みです。遊びや部活も大いに楽しんで、一方で勉強もしっかり行いましょう!規則正しい生活リズムを保ちつつ、計画的に勉強を進めることが2学期への準備にもなります。

夏休みを活用して、しっかりと復習に取り組み、2学期に向けて万全の準備を整えましょう!