基礎学力とは?今一度知っておきたい「基礎学力」の本当の意味と伸ばし方

「うちの子は基礎がわかっていなくて・・・」
「基礎からやり直さなきゃダメだと思うんです」

「うちの子は基礎がわかっていなくて…」「基礎からやり直さなきゃダメだと思うんです」。このような声をよく耳にします。では、ここでいう「基礎」とは何でしょうか。多くの場合、これは基礎学力を指しています。

本記事では、狭義の基礎学力に焦点を当て、なぜ基礎学力が定着しないのか、どうすれば効果的に身につけられるのかを探ります。基礎学力の重要性と、その習得が子どもの学習意欲や将来の学習にどう影響するのかを考えていきましょう。

基礎学力とは?

では基礎学力とは何でしょうか。

基礎学力は大まかに狭義の基礎学力と広義の基礎学力に分けられます。

広義の基礎学力とは、様々な科目で共通して求められる読み,書き,計算のごく基本的な能力のことを指します。
狭義の基礎学力とは、各教科のそれぞれにおける基本的な知識や能力を指します。

基礎学力は大まかに狭義の基礎学力と広義の基礎学力に分けられる

このコラムでは、以降この狭義の基礎学力を「基礎学力」として話を進めさせてもらえればと思います。

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基礎学力はなぜ定着しないのか

掛け算などの数式の図

例えば掛け算の九九を思い出してみましょう。保護者の方がこれを見ているなら、おそらく学校で習ったのはもう20~30年以上も前のことだと思います。

9×7=?

そう、63ですよね。なぜ数十年前に習った九九がすっと出てくるのか、これが基礎が身についているという状態です。 仮にこれがテストまでに無理やり暗記したものだったらきっとすぐには出てこなかったと思います。 学校で習ってから今に至るまで無意識のうちに日常生活で九九を何十回、何百回と反復して使っているためにしっかり身についているのです。

基礎学力はなぜ定着しないのかの問いの答えの一つに十分な反復が足りていないということが挙げられます。
しかし、反復のためには時間がかかります。また、この場合の「基礎」の場合、お子さんによってわからない場所は様々です。 1人1人にそこまでの時間を割くことは複数の人数を同時に指導する学校や塾では難しいことです。

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学び直しの機会はどうすれば得られるか

例えば漢字を練習する、社会で歴史を暗記する。これらは「覚える」のみの暗記学習といっていいでしょう。お手本や正解があれば1人でも出来る科目です。
しかし、数学などの科目は「考え方」を学ぶ科目です。そのため1人では計算問題の答えを丸暗記するような不効率かつ無意味な勉強になってしまったり、理解できないままで終わってしまう可能性も多くなります。

家で復習しようとしても分からずに困っている中学生

例えば、学校では理解したはずの数学の内容に家で取り掛かってみると問題が理解できなかったたりつまずいてしまったという経験は誰しもあると思います。 数学の教科書だけを読んで、仕組みがすべて完全に理解できるという人はまれでしょう。 だからこそ、その内容をわかりやすく教える人が必要になるのです。

しかし前述のとおり学校や塾では基礎に立ち戻って時間を割くのは難しい。 学びなおし、基礎の取りこぼしの対策は年齢が早ければ早いほどいいと思います。
ほとんどの人が15歳で高校受験を経験するでしょうし、18~19歳で大学入試を経験するでしょう。
入試の問題は「基礎」+「応用」の組み合わせです。そしてほとんどの科目では応用に比重が置かれ、特に数学はその傾向が顕著です。 このことからも基礎の習得は早ければ早いほどいいのです。

以前は点数を取れていたのに、お子さまが中学生になると点数が下がってしまったというお悩みを抱えた方は

・部活に夢中になりすぎているのではないか
・忙しさや交友関係の広がりで塾をさぼっていないか

と考える方が多いのですが、実際はテストに応用問題の割合が増え、取りこぼしていた部分の基礎の理解が十分でなかったために応用問題が解けずに点数を落としているというパターンが増えています。
お子さまにとっても自分なりには勉強しているつもりでもテストの点数が下がり続けてしまったら、勉強へのモチベーションは下がってしまいます。 このことも基礎学力の定着を妨げる大きな要因の一つです。

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成功体験を経験すること

では勉強のモチベーションをあげていくにはどうすればいいでしょうか。
それは「勉強を頑張ったら問題が解けるようになった!」という成功体験をお子様に味あわせてあげることです。

例えばダイエットをしていても全く成果が出なかったらキツイですよね。少しでも痩せていることが実感できるとやる気も上がりますよね。 ダイエットもそうだと思うのですが、勉強も短期間で結果が出るほうがより嬉しく、モチベーションもあがっていくもの。 そのためには勉強の内容をできる限り効率的にしていくことが大切です。

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基礎学力の定着のまとめ

基礎学力の定着には、十分な反復と適切な指導が不可欠です。しかし、学校や塾では個々の生徒に合わせた基礎の学び直しに時間を割くことが難しいのが現状です。特に数学などの「考え方」を学ぶ科目では、個別の指導がより重要となります。

基礎学力の不足は、応用問題が増える中学生以降の成績低下にもつながり、学習意欲の低下を招く恐れがあります。この悪循環を断ち切るには、早期からの基礎学力の習得と、成功体験を通じたモチベーション向上が鍵となります。効率的な学習方法を見つけ、基礎学力を着実に身につけることが、子どもの学習意欲と将来の学びを支える重要な土台となるのです