最近よく聞く「受験うつ」とは?受験うつの概要と対策法を解説!

小学生・中学生問わず、本格的な受験へのプレッシャーによるストレスから、勉強に集中できなくなり、精神的にバランスを崩してしまう「受験うつ」と呼ばれる症状が問題になっています。

受験うつを防ぐための勉強についてお伝えします。

受験うつとは

現代は管理社会・競争社会とも呼ばれ、うつ病を発症する方は増えています。社会人であれば上司や顧客からの厳しい声に常にさらされ、仕事の忙しさによって気づかずにうつの症状を発症していることもあるそうです。しかし、この病気は何も大人だけが病む病気ではありません。
特に、精神がまだ発達していない子供にとってもうつ病を抱える事があります。

その一例が近年問題視される「受験うつ」と呼ばれる状態です。

受験うつとは受験生だけに発症する病気ではなく、受験生の時期に発症するうつの症状のことを言います。受験うつは受験期においてストレスやプレッシャーから生じるうつ病の一形態です。特に小学生や中学生などの未成年者にとって、受験に関連したストレスは心身に大きな影響を与える可能性があります。この状態は、「受験生だけに発症する病気ではなく、受験生の時期に発症するうつの症状」とされ、勉強や学業への圧倒的なプレッシャーや不安から、心理的なバランスを崩し、うつ症状が現れることがあります。

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受験うつの症状

うつ状態の男子中学生

受験うつの症状は「テキストを読んでも頭に入らない」「覚えたはずのことが思い出せなくなる」ということが勉強時にまず現れます。放っておくと日常生活で気力を失い、不登校になることも考えられます。
大人のうつ病ではふさぎ込んだり、食欲が減退するなどの特徴がみられやすいのですが、子供のうつ病には情緒不安定になるなど行動的にその特徴がみられる場合が多いと言われています。
表面的にも爪を噛むや、円形脱毛症に食欲不振や逆に暴飲暴食などの目に見えた症状が現れれば、危険信号だと考えましょう。

受験うつの具体的な症状

  • 勉強に対する興味や集中力の低下: 勉強しても頭に入らない、覚えた内容が思い出せないといった現象が見られます。
  • 睡眠障害: よく眠れない、夜中に目が覚める、寝付きが悪いなどの睡眠障害が現れることがあります。
  • 食欲変動: 食欲が減退する、食欲が湧かない、または過剰に食べるなど、食欲に関する変動が見られることがあります。
  • 情緒不安定: 急に泣き出したり、怒りっぽくなったりするなどの情緒の不安定さが見られることがあります。

受験うつの具体的な症状

新型うつの特徴

また受験うつに関しては、その半数以上が「新型うつ(※)」に該当するともいわれています。
新型うつの特徴としては「自分が好きなことは楽しくできるが、仕事や勉強にはうつ症状がみられる」というもの。

※新型うつという用語に関しては正式な医学用語ではなく、その特徴も専門家の間で統一した見解が得られていないことに注意してください。「新型うつ」とはあくまで従来型の典型的なうつ病の症状に当てはまらないものの総称です。医学的には「非定型うつ病」と呼ばれているものに最も近いかと考えます。

そのため、なかには受験うつになった経験に気が付かず成長し、社会人になりストレスなどが起因となり影響を及ぼすこともあります。

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受験うつ発症のメカニズム

受験うつ発症のメカニズム

子供は親御さんの気持ちに応えたいという気持ちが強いものです。特に受験を考えるお子さんは親御さんのサポートが厚ければ、よりその気持ちを真摯に受け取ることでしょう。

だからこそ、テストの点が芳しくない結果になれば、期待を裏切ったと考え込んでしまう子供もいます。さらに、自身にプレッシャーをかけ続ければ、その思いとは裏腹に勉強に集中して打ち込む事も困難となります。

近年、受験うつに対しての情報が出回るようになりましたが、未だに勉強に対する甘えや気のせいと言った言葉で片付けられてしまうケースもあります。そのため、知らないうちにお子さんを更に追い込み、取り返しのつかない状態に追い込んでしまうことにもなりかねません。

社会の仕組みや、大人になる事というものは全ての子供にとっては漠然としていて、未知で恐怖感を与える事になります。そして、学歴や受験がどのような利益を与えるか分かっていないこともあり、受験勉強に対しての不安を引き起こす可能性もあります。また、この不安を増長させる原因には、子供をサポートするはずの親御さんや塾の講師の存在も考えられます。

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受験うつは甘え?

先ほども見たように、「受験うつは甘え」という声もありますが、それは問題の本質を見誤っている可能性があります。受験うつは単なる甘えや気のせいではなく、深刻な精神的な問題であり、その影響は子供の将来にも及びます。

受験期は子供にとって非常に重要な時期であり、その過程でのストレスやプレッシャーは決して軽視すべきではありません。学業成績や進路選択は将来の人生に大きな影響を与えることがあり、そのためには十分な準備と精神的な安定が必要です。

また、受験うつは子供だけでなく親や周囲の大人にも影響を与えることがあります。親は子供の将来を案じて過度な期待やプレッシャーをかけがちですが、その結果として子供の精神的な負担が増大し、受験うつが発症する可能性が高まります。

受験うつを「甘え」と一蹴するのではなく、その背後にある複雑な要因や子供の心理状態を理解し、適切なサポートを提供することが必要です。子供の健康と幸福を最優先に考え、受験期における心の健康を守るために、社会全体での理解と支援が求められます。

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受験うつの判断目安

目安としては「テキストを読んでも頭に入らない」「覚えたはずのことが思い出せなくなる」「よく眠れない」「食欲が湧かない、または過剰に食べてしまう」などの症状が2週間続いた受験生は受験うつの可能性に目を向けてみるのも大事かと思います。「受験うつではないか?」の可能性に思い当ったら、自己判断で完結するのではなく、専門医を受診して正しい診断と対策を仰いでください。

 受験うつへの予防・対策方法

会話をする親子

日ごろからの受験うつへの予防対策として親御さんに出来る事は、子供の話をよく聞いて会話をすることがまず大切なことです。会話の内容は、勉強にまつわるものではなく、マンガやアニメ、学校での出来事といった、お子さんが興味の湧く、たわいのない話で大丈夫です。会話する機会を増やしましょう。

ただ気を付けて欲しいのが、親が一方的に話しかけるや、探りを入れるのではなく、子供の話をしっかり聞く態度を持ち、子供自身が意欲的に話せるような環境を作り上げてあげましょう。

お子さんが自分の口で不安や悩みを吐露することがあれば、その悩みに寄り添い、支えてあげることも大切です。

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最後に

受験うつは、お子さんの精神状態を追い込むことになる危険な病気です。

受験勉強にお子さん・親御さん共に躍起になることもあるでしょうが、もしお子さんの異変の兆候が見られたら、受験を諦める勇気も必要だと考えておくべきです。

笑顔の女子中学生

普通の公立校に進学することも受験うつを防ぐために有効な手段となるため、人生計画の上で、回り道だとしても、ゴールに向かって健康的で健やかな成長を促すことは、最終的に夢にたどり着く人生の支え方も親御さんの努力で行える予防法になります。

受験うつは未成年者にとって深刻な問題であり、適切なサポートと対策が必要です。親や周囲の大人は子供の健康と幸福を最優先に考え、適切な支援を行うことが求められます。受験期におけるストレスやプレッシャーを軽減し、子供の心身の健康を守るために、緊密なコミュニケーションとサポートが欠かせません。