福岡県公立高校の推薦入試|令和9年度の日程と選考・その後の流れ

福岡県の公立高校の推薦入試について、「いつ何があるのか」「中学校の先生にはいつ、何を相談すればいいのか」「もし内定が出なかったらどうなるのか」と、調べている保護者の方は多いのではないでしょうか。

この記事では、福岡県教育委員会が公表している資料をもとに、推薦入試の仕組み、令和9年度(2027年度)の日程、中学校での選考、選考方法、令和8年度の志願状況、内定とならなかった場合の進み方を順番に整理します。この記事は2026年10月時点の情報で書いています。

令和9年度の入学者選抜要項は、2026年10月16日に県が公表しました。推薦入学の出願資格、中学校での推薦委員会、提出書類、選考の方法は、令和8年度と同じ内容です。変わった点は、実施する学校の入れ替え(新たに実施する学校が8校、実施しなくなる学校が1校)、推薦入試と併願できない入試に北九州市立高校の入学者選抜が加わったこと、一般入学者選抜の第2志望校制度の拡大(後の節で説明します)などです。学校ごとの募集人員や、作文・実技の有無は、要項の「入学定員等一覧表」で確かめられます。

福岡県の公立高校の推薦入試とは

福岡県立高校 推薦入試 令和9年度の日程

県の要項では、この入試は「推薦入学者選抜」、合格が決まることは「合格内定」と呼ばれています。この記事では、検索で使われることの多い「推薦入試」という言い方で書きます。なお、この記事で扱うのは県立高校です。市立・組合立の高校の日程や選考は、それぞれの教育委員会の発表で確かめてください。

令和8年度は、県立の全日制68校で実施されました。令和9年度については、県が実施校の一覧を公表しています。推薦入学のみを実施する学校が34校、推薦入学と特色化選抜の両方を実施する学校が41校、特色化選抜のみを実施する学校が15校です。令和8年度とは、実施する学校が一部変わっています。志望校がどれにあたるかは、令和9年度の推薦入学及び特色化選抜の実施(福岡県教育委員会)で確かめられます。

どの学科で実施するかは、要項の「入学定員等一覧表」に載ります。募集人員は「各高等学校において、その特色等に応じ校長が定める」とされています。

出願できるのは、次の条件を全て満たし、中学校長の推薦を受けた人です(令和9年度の要項)。

  1. 志願する学科・コース・系の学区内に住んでいる(または住む予定で)、その年の3月に中学校を卒業見込みである
  2. 志願する動機・理由が明白で、適切である
  3. 志願する学科・コース・系に対する適性と、興味・関心がある
  4. 合格した場合に、入学する意志が確実であると認められる
  5. 志願する学科・コース・系の教育を受けるにふさわしい学業成績である
  6. その他、志願先の高等学校長が定める出願資格を満たしている

ここで大切なのは、「中学校長の推薦を受けた者」という条件です。高校に直接申し込む入試ではなく、中学校の推薦を得てはじめて出願できます。この点は、次の節で詳しく見ます。

もう1つ、出願は1校に限られます。特色化選抜(市立・組合立の高校が行うものを含む)、連携型選抜、学びの多様化学校入学者選抜、北九州市立高校の入学者選抜とは併願できません。

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令和9年度入試の日程

令和9年度(2027年)の日程は、県がすでに公表しています。推薦入学者選抜と一般入学者選抜を並べて示します。

事項 推薦入学者選抜 一般入学者選抜
入学願書受付 1月20日(水)〜1月28日(木)正午 2月10日(水)〜2月19日(金)正午
面接・作文・実技試験/学力検査 2月2日(火)〜2月3日(水) 3月9日(火)
合格内定通知 2月10日(水)午前9時 —
合格発表 3月18日(木)午前9時 3月18日(木)午前9時

県の日程表では、面接等の日は「志願する選抜や学校によって、実施日・検査方法が異なる」とされています。志望校ごとの日は、要項や高校の案内で確かめてください。一般入学者選抜には、このほかに志願先変更の受付(2月22日〜2月26日の正午)もあります。補充募集を含む入試全体の日程は、福岡県の高校入試情報にまとめています。

参考までに、令和8年度は願書の受付が1月21日〜1月29日正午、面接等が2月3日〜4日、内定通知が2月9日の午前9時、合格発表が3月19日でした。日程は年度によって変わります。

この表で見ておきたい点が1つあります。推薦の合格内定通知(2月10日)と、一般入学者選抜の願書受付の開始(2月10日)が、同じ日だということです。内定の結果を受け取った日に、次の入試の手続きが始まる日程になっています。この点は、後の節で改めて取り上げます。

なお、県の日程表では、推薦入学者選抜と特色化選抜などが、同じ日程の枠で示されています。

中学校の推薦委員会での選考

出願の前に、もう1つの関門があります。中学校での選考です。

県の要項には、推薦について次のように書かれています。「中学校ごとに校長を委員長とする推薦委員会を設置して、厳正、公平に選考し、適切な推薦を行う」。いわゆる校内選考は、この推薦委員会での選考を指します。なお、県の要項に「校内選考」という言葉はありません。

推薦委員会がいつ開かれるのか、何を基準にするのかは、県の要項には書かれていません。担任の先生に直接確かめることになります。

保護者が担任の先生に確かめておきたいことを挙げます。

  • 推薦委員会の時期と、本人や保護者が希望を伝える締め切り
  • 推薦の対象になるかどうかを考えるときに、学校が見る点
  • 志願理由書の様式と、書き方の相談ができるかどうか
  • 推薦が得られなかった場合の、中学校としての進路指導の進め方

出願資格の5番目に「学業成績」があります。どの程度の成績が必要かも、担任の先生に確かめる点です。「うちの子は推薦の対象になりますか」と、早めに相談することが、見通しを持つ近道です。

また、出願資格の6番目にあるとおり、志願先の高校が独自に出願資格を定めることがあります。志望校の案内で、確かめておきましょう。

推薦委員会の時期が分かったら、そこから逆算して、志願理由を整理する時間を取ることができます。では、推薦では実際に何を見られるのでしょうか。

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推薦入試で見られるもの

令和9年度の要項で推薦入学に定められている選考は、次のとおりです。

  • 面接:志願者全員に行います
  • 作文または実技試験:一部の学科・コース・系で実施されます(志願先の高校が定めます)
  • 提出書類:志願理由書、推薦書、調査書

志願理由書と推薦書は、どちらも志願先の高校が定める様式です。入学選考料は2,100円です。

選考は、次のように行われます。「高等学校長は、中学校長から提出された書類及び面接等の結果を資料として、総合的に選考して、合格者を内定する」。つまり、書類と面接等の結果を合わせて、総合的に判断されます。

推薦入学の章に、学力検査の規定はありません。県の要項で推薦入学に定められているのは、面接(全員)と、学科によって作文または実技試験です。

面接や作文、実技の中身は、高校や学科によって違います。何を聞かれるのか、どんなテーマが出るのかは、志望校の案内や、中学校の先生からの情報で確かめましょう。

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令和8年度の志願状況と「志願率」の読み方

推薦入試の人気の度合いは、県が公表する「志願率」で見られます。令和8年度の県立高校(全日制)の合計を示します。

項目 令和8年度
入学定員 22,200人
推薦入学の募集人員 4,529人程度
志願者数 6,667人
志願率 1.47
内定者数 5,331人

「倍率」という言葉で検索される方も多いと思います。県の表で使われている用語は「志願率」で、志願者数を推薦入学の募集人員で割った値です。令和8年度は全体で1.47でした。参考までに、令和7年度は募集人員4,245人程度、志願者数6,742人、志願率1.59でした。

読むときの注意が2つあります。

1つ目は、志願率は「受験者のうち何人が受かるか」を示す数字ではないことです。県の表の内定者数(5,331人)は、募集人員(4,529人程度)より多くなっています。そのため、志願率から合格のしやすさを計算することは、この記事ではしません。

2つ目は、学校・学科によって差が大きいことです。1を下回るところから、2を超えるところまで幅があります。全体の1.47は全体をならした数字にすぎず、志望校の数値とは別のものです。志望校の志願率は、県の実施状況の表で確かめてください。令和9年度から新たに推薦入試を実施する学校は、令和8年度の表に数値がありません。令和8年度に実施し、令和9年度は推薦入試を実施しない学校もあります。

県立高校ごとの偏差値や内申点の目安を知りたい場合は、福岡県公立高校の偏差値・内申点のページを参考にしてください。

では、似た名前の入試である特色化選抜とは、何が違うのでしょうか。

似た名前の入試「特色化選抜」との関係

福岡県には、推薦入試とは別に「特色化選抜」という入試があります。令和9年度の県の日程表では、2つは同じ日程の枠で示されています。違いを、小さな表にまとめます(令和9年度の要項)。

推薦入学 特色化選抜
中学校長の推薦 必要(推薦書を提出) 不要(推薦書は志願書類にない)
募集人員 校長が定める 設定しない(内定者の上限人数の目安を校長が定める)
対象 卒業見込みの人 卒業見込みの人、または既に卒業した人
出願 1校。特色化選抜と併願できない 1校。推薦入学と併願できない

大きな違いは、中学校長の推薦が要るかどうかです。推薦入学は、先ほど見た推薦委員会の選考を経る必要があります。特色化選抜は、推薦書が不要です。ただし、2つは併願できません。どちらで出願するかは、1校を選ぶ時点で決めることになります。

特色化選抜の選考方法や対策は、別の記事で詳しく説明しています。

関連記事:特色化選抜とは?推薦入試との違い・受かる対策を解説

内定とならなかった場合の流れ

推薦入試では、内定が出ないこともあります。保護者として知っておきたい流れを整理します。

県の要項には、次のように書かれています。「推薦入学者選抜で合格内定とならなかった者は、再度、一般入学者選抜に出願することができる。この場合は、改めて一般入学者選抜の入学志願手続を行わなければならない」。

押さえておきたいのは、次の3点です。

  • 内定とならなかった場合でも、一般入学者選抜に出願できる
  • 一般入学者選抜の手続きは、改めて行う必要がある。推薦の出願が、そのまま一般の出願になるわけではない
  • 改めて志願できるのは1校(第1志望校。第2志望校は別に書ける。下で説明します)。県の入学者選抜方針に「合格内定とならなかった者については、再度、1校に限り志願できる」とある

日程で見ると、内定通知は2月10日の午前9時(中学校長への通知で、本人は同じ日の午後4時以降にWEB出願システムで確かめられます)、一般入学者選抜の願書受付は同じ2月10日から2月19日の正午までです。内定とならなかった場合は、この期間内に一般入学者選抜の志願手続きをします。通知を受け取ってから、出願先の見直しと書類の準備が必要になります。出願の流れは中学校によって違うことがあるため、結果が分かったら、早めに担任の先生に相談できるようにしておきましょう。

令和9年度からは、一般入学者選抜で第2志望校を書ける対象が、全ての県立高校(全日制の学科・コース・系)に広がりました。推薦で内定とならず、一般入学者選抜に改めて出願するときも、第2志望校を書くことができます。第2志望校を書けるのは、合格した場合に入学する意志が確実な場合に限られます。合格となり得るのは、第1志望校か第2志望校のどちらか1校です。また、第2志望校で選考の対象になるのは、その高校を第1志望とした人の合格者数(推薦などの内定者を含む)が入学定員に満たない場合に限られます。出願先を見直すときは、要項の「第2志望校制度」の項目もあわせて確かめてください。

選考料については、県のQ&Aに、特色化選抜や推薦入学者選抜で合格内定とならず一般入試を受ける場合、再度の選考料は不要とあります。ただし、市立・組合立の高校の特色化選抜や推薦で内定とならなかった人が、県立高校の一般入試を受ける場合は、選考料が必要です。該当するご家庭は、Q&Aで確かめてください。

一般入学者選抜の学力検査は、3月9日です。推薦の面接等(2月2日〜3日)から、1か月ほどあります。この間に気持ちを立て直して、学力検査の準備を続けることになります。

家庭で今からしておくこと

推薦入試を考えるご家庭が、学力検査の準備と並行して進めておくとよいことを3つ挙げます。

志願理由を言葉にする

出願資格の2番目と3番目に、志願する動機・理由、学科などへの適性と興味・関心があります。志願理由書や面接では、これらを自分の言葉で説明することになります。

  • なぜその高校、その学科なのか
  • 中学校生活で取り組んできたこと
  • 高校に入って学びたいこと、将来につなげたいこと

まずはお子さん自身が、これらを話せるかどうかを、会話の中で確かめてみてください。保護者が答えを書いてしまうのではなく、「どうしてそこに行きたいの」と聞く役割に徹すると、お子さん自身の言葉が出てきやすくなります。

面接の準備を少しずつ始める

面接は、志願者全員に行われます。いきなり模擬面接から始めなくても、家庭で次のことを試せます。

  • 家族の前で、自己紹介と志望理由を1分ほどで話してみる
  • 質問に対して、結論を先に言う練習をする
  • 学校の先生と話す機会があれば、普段から挨拶や受け答えを意識する

作文や実技が課される学科を志望する場合は、志望校の案内で形式を確かめてから、準備を始めます。

一般入学者選抜の学力検査の準備を止めない

推薦入試は、1校にしか出願できず、内定とならない場合もあります。また、一般入学者選抜は5教科の学力検査が3月9日にあります。推薦の準備に時間を使いすぎて、教科の学習が止まると、内定とならなかった場合に、立て直す時間が足りなくなります。

推薦の結果にかかわらず、教科の学習を続けるリズムを保つことが、準備の土台になります。学校の授業の復習、苦手な単元の確認、過去問への取り組み方などを、推薦の準備と並行して計画しておきましょう。

推薦の準備と学力検査の準備を同時に進めるのは、お子さんにとって負担が大きい面もあります。九州家庭教師協会の中学生コースの内容と料金のページに、コースの内容と料金を載せています。福岡県にお住まいの方は、福岡県の家庭教師のページで、対応の内容をご覧いただけます。志望校や推薦入試を考えていることは、相談の際にお伝えください。

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確かめること

ここまでの内容のうち、ご家庭で確かめていただきたい点をまとめます。

  • 令和9年度の要項の「入学定員等一覧表」:志望校の募集人員、実施する学科、作文や実技の有無
  • 中学校の推薦委員会の時期と基準:担任の先生に確かめる
  • 志願先の高等学校長が定める出願資格:志望校の案内で確かめる

県の資料は、福岡県教育委員会の次のページから見られます。

まとめ

福岡県の公立高校の推薦入試について、県の公表資料をもとに整理しました。ポイントは次のとおりです。

  • 令和9年度の日程は公表済みです。願書は1月20日〜1月28日の正午、面接等は2月2日〜3日、内定通知は2月10日の午前9時です
  • 令和9年度の要項は2026年10月16日に公表されました。推薦入学の出願資格や選考の方法は令和8年度と同じです。実施する学校の入れ替えや、併願できない入試に北九州市立高校の選抜が加わったことなどが変わりました
  • 出願には中学校長の推薦が要ります。中学校の推薦委員会での選考の時期と基準は、担任の先生に確かめます
  • 令和8年度の志願率は全体で1.47でしたが、学校・学科によって幅があります
  • 内定とならなかった場合は、改めて一般入学者選抜に出願できます。推薦の内定通知の日(2月10日)と、一般の願書受付の開始の日が同じです
  • 推薦の準備を進めながら、一般入学者選抜の学力検査の準備も止めないことが大切です

推薦入試は、中学校との相談から始まります。まずは担任の先生に、志望校と推薦の流れを聞いてみることから、始めてみてください。

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