
これまで「比較級」について原級・比較級・最上級の解説を通してそれぞれの区別や使い方を見てきました。
英文法は、基本と応用があります。
ここでは、応用のひとつ『比較級・最上級の強調』の解説と使い分けについて、まとめました。使い方は複雑なものはひとつもないのですが、強調語句がたくさんあります。
ほとんどのものは、比較級・最上級共に使用できますが、一部、片方のみ使用するものや、意味の微妙な違い、似ているものも多いため逆に覚えにくい、など、細かい点もあるので、全体的に確認していただけたらと思います。
【こんな生徒におすすめ】
・比較級、最上級の強調について教えてほしい
・比較級、最上級の強調語句の使い方を知りたい
・比較級、最上級の強調語句の位置・意味を確認したい
1. 比較級の強調語句
位置:
比較級・最上級の直前に置きます
※語句と場合により、文末に置かれることもあります。
強調語句:
much「ずっと」 / far 「ずっと、はるかに」/ still「なお一層」 / even「さらに」 / by far 「はるかに」/ a lot(lots) 「ずっと」/ a good(great) deal「はるかに」 / far and away「圧倒的に」 / rather 「かなり/幾分」/ considerably「かなり」
比較級の強調語句の例文
実際に文を通して使い方も身につけましょう。
⚫︎I feel much better today than before.
「今日は今までよりずっと気分が良い。」
⚫︎This product is far better as of its quality.
「この製品は質においてはるかに優れている。」
⚫︎This is a still better way.
「これの方がなお一層いい方法だ。」
※注意※
stillといえば通常「まだ」として使われますが、比較級の強調の場合、訳し方が変わるので気をつけましょう。
⚫︎The storm became even more violent.「嵐はより一層強くなった。」
⚫︎I am even more happy now.「私はより一層嬉しいです。」
※注意※
強調の「even」をつける場合、-erタイプの比較級でも、moreタイプで用いる事があります。
下の例文を見てみると、happyの比較級は通常happierですが、強調の「even」がついたためmore happyとなっていますね。
⚫︎This choice is better by far.
⚫︎This is by far the better choice.
「こちらの方がはるかに良い選択です。」
※注意※
by farは、比較級の場合文末、the比較級の場合は直前または文末に置きます。
⚫︎This type of device is a lot easier to handle than the previous one.
「このタイプの機器の方が、前回のものよりずっと扱いやすい。」
⚫︎There is a good deal more work to do today.
「今日ははるかにやるべき事が多い。」
⚫︎He is far and away better player than any in this team.
「彼はこのチームの誰よりも圧倒的に優れた選手です。」
※far and awayは、比較級の強調にも使えますが、特に最上級の強調として用いられます。
⚫︎That man drives rather faster than usual.
「あの人は通常よりかなりスピードを出している。」
⚫︎The number is considerably higher than expected.
「数字は予想よりかなり上回っている」
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比較級の程度を表す語句
⚫︎a bit / a little bit / a little「少し」
It would be a bit better to stop here.
「ここまでにしておく方がちょっといいでしょう。」
You are a little older than me.
「あなたは私より少し年上ですね。」
⚫︎somewhat / rather「幾分」
The situation got somewhat better.
「状況は幾分良くなった。」
⚫︎数・量の名詞の程度を表す
many more + 加算名詞「よりずっと多くの〜」(「数」の強調)
much more + 不可算名詞「よりずっと多くの〜」(「量)の強調)
some more + 名詞「いくらか多くの〜」
数 more + 名詞「◯◯分多くの〜」
My uncle has many more books than my father.
「叔父は、父よりずっと多くの本を持っている。」
→booksは数えられる名詞なので、「数」の強調になり、manyを用います。
This room has much more furniture than that one.
「この部屋には、あの部屋よりずっと多くの家具がある。」
→furnitureは数えられない名詞なので、「量」の強調になり、muchを使います。
We need some more money to buy such a luxurious car.
「そのような豪華な車を買うには、幾らかより多くのお金が必要だ。」
There were ten more people than we had expected.
「予想していたより10人多くいた。」
⚫︎数字を使った強調表現
数字 + 比較級「◯◯分より〜」
※ 比較級の直前に、「どのくらいより〜か」を具体的な数字を置いて表す事ができます。
The price is 10 per cent higher than five years ago.
「値段が5年前より10%高い。」
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2. 最上級の強調語句
位置:
(veryの位置に注意!)
very + the + 最上級
the + その他の強調語句 + 最上級
強調語句:
very 「まさに」/ much「ずば抜けて」 / by far「ずば抜けて」 / far and away「圧倒的に、ダントツで」
関連記事:比較級の形er?more?不規則変化?スッキリ理解!使い分け完全解説
最上級の強調語句の例文
⚫︎This is the very best method.
「これはまさに最良の方法だ。」
※veryの場合「まさに」という意味になるので、注意!
⚫︎This piano is much the best.
「これはずば抜けて素晴らしいピアノだ。」
⚫︎John is by far the tallest in his class.
「ジョンはクラスの中でずば抜けて1番背が高い。」
⚫︎John is the smartest by far.
「ジョンはずば抜けて1番頭が良い。」
※注意※
by farは、最上級の場合、直前・文末のどちらに置いてもよい。
⚫︎That’s far and away the worst film I have ever seen.
「あれは私が今まで見た中で断トツで最悪な映画だ。」
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まとめ
「比較の強調」と言っても、実際はこんなにバリエーションがあり、表現したい内容をより具体的に言い表す事ができるのです。
「比較級」の使い方について身につけた後は、ここで「比較級のさまざまな強調表現」を知って、より豊かに比較級を支えるようになりましょう!