新学期が始まり、新しい環境に慣れるのに必死な毎日を送っている中学生の皆さん。特に部活動やクラブ活動が始まると、今までとは全く違う生活リズムに戸惑っている人も多いのではないでしょうか。そんな中で、おろそかになりがちなのが自宅での学習時間です。
「部活で疲れて、家に帰ってからの勉強が全然できない…」
「宿題をこなすのがやっとで、自主学習の時間が取れない…」
こんな悩みを抱える中学生や、その保護者の方々の声をよく耳にします。しかし、たとえ忙しくても、自宅学習の習慣をつけることは決して不可能ではありません。むしろ、限られた時間を有効活用するからこそ、効率的な学習が可能になるのです。
今回は、部活やクラブで忙しい中学生でも無理なく続けられる、自宅学習の習慣づけのコツをご紹介します。実際の中学生の例を交えながら、具体的な方法を見ていきましょう。
現実的な目標設定から始めよう
例1 .野球部に所属する中学2年生の太郎君の場合
理想と現実のギャップを埋める
野球部に所属する中学2年生の太郎君は、平日毎日放課後から19時まで練習があり、帰宅は20時頃です。夕食を済ませると21時を回ってしまいます。このような状況では、よく言われる「学年+1時間」の学習時間を確保するのは現実的ではありません。
30分からスタート
そこで効果的なのが、まずは30分から始めるという方法です。太郎君の場合、帰宅後の21時30分から22時までの30分間を学習時間として設定しました。この30分で、その日の宿題を済ませるか、翌日の予習を行うようにしています。
質重視の学習
大切なのは、短い時間でも質を重視することです。太郎君は30分の中で、最も重要な課題に絞って取り組むようにしています。このように、現実的な目標から始めることで、無理なく習慣化することができるのです。
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時間の使い方を工夫する
例2. バスケットボール部に所属する中学1年生の花子さんの場合
朝型学習のすすめ
バスケットボール部に所属する中学1年生の花子さんは、毎朝6時に起床し、7時15分に家を出て学校に向かいます。部活は平日17時まであり、帰宅は18時30分頃です。
このような忙しいスケジュールの中で学習時間を確保するには、時間の使い方を工夫することが重要です。花子さんの場合、朝型学習を取り入れることで解決策を見出しました。起床時間を30分早め、5時30分に起きて6時から6時30分までの30分間を朝の学習時間に充てています。
通学時間の有効活用
また、電車での40分の通学時間を利用して、英単語の暗記や数学の公式の復習を行っています。
休憩時間の活用
さらに、昼休みの15分を使って、午後の授業の予習をする習慣をつけました。
このように、隙間時間を有効活用することで、忙しい日々の中にも学習の時間を見出すことができます。朝学習や通学時間の活用、休憩時間の利用など、自分のライフスタイルに合わせて工夫してみましょう。
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効率的な学習方法を身につける
例3. 吹奏楽部に所属する中学3年生の健太君の場合
授業中の工夫
吹奏楽部に所属する中学3年生の健太君は、平日は18時まで、土曜日は午前中に練習があります。コンクールが近づくと練習時間が更に増えるため、効率的な学習方法が欠かせません。
この場合、授業中の工夫が大きな助けとなります。健太君は授業中、キーワードや重要ポイントを色ペンでマークしながらノートを取る習慣をつけました。これにより、復習時間を大幅に短縮できています。
音声教材の活用
また、楽器の練習の合間や通学中に、スマートフォンで英語のリスニング教材を聴くなど、音声教材の活用も効果的です。
反復学習の実践
新しく学んだことは、その日の帰宅後に10分程度で復習し、週末にもう一度見直す習慣をつけることで、記憶の定着を図っています。
このように、限られた時間を最大限に活用する学習方法を身につけることで、忙しい日々の中でも着実に学力を伸ばすことができるのです。
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学習環境を整える
例4. サッカー部に所属する中学2年生の美咲さんの場合
集中できる空間づくり
週6日の練習があるサッカー部の美咲さん(中学2年生)の場合、平日は19時まで、土曜日は終日練習です。日曜日が唯一のオフですが、試合がある週は休みなしの場合もあります。
このような状況下で効果的な学習を行うには、適切な学習環境を整えることが重要です。美咲さんは自室ではなく、リビングの一角に学習スペースを設けました。家族の目があることで、だらけずに集中できています。
デジタルデトックスの実践
また、学習時間中は携帯電話を別の部屋に置き、LINEやSNSの誘惑を断ち切るようにしています。
学習用品の整理整頓
さらに、リビングの学習スペースに必要な教材や文具をまとめて置き、いつでもすぐに学習を始められる環境を整えました。
このように、集中できる空間づくり、デジタルデトックス、必要なものの整理整頓など、ちょっとした工夫で学習効率を大きく上げることができます。自分に合った学習環境を整えてみましょう。
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モチベーション維持のコツ
例5. 陸上部に所属する中学1年生の翔太君の場合
小さな目標設定
陸上部に所属する中学1年生の翔太君は、平日は毎日18時まで練習があり、土日も午前中は練習で、午後は自主トレーニングをしています。このような忙しい日々の中で学習のモチベーションを維持するのは簡単ではありません。
そこで効果的なのが、小さな目標設定と褒美システムの導入です。翔太君は「今日は英単語を10個覚える」「数学の問題を5問解く」など、毎日達成可能な小さな目標を立てています。
ご褒美システムの導入
さらに、1週間の目標をすべて達成できたら、日曜日の午後に好きなゲームを1時間できる褒美を設定しました。
学習記録の可視化
また、カレンダーに毎日の学習時間と内容を記録し、継続を可視化しています。これが励みとなり、やる気の持続につながっています。
このように、小さな成功体験を積み重ね、自分を褒める機会を意識的に作ることで、長期的なモチベーション維持が可能になります。自分に合った目標設定と褒美のシステムを考えてみましょう。
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部活と勉強の両立まとめ
部活と勉強の両立は決して簡単ではありませんが、工夫次第で十分に可能です。ここで紹介したような方法を参考に、自分に合った学習習慣を見つけていってください。
大切なのは、完璧を目指すのではなく、できることから少しずつ始めること。小さな一歩の積み重ねが、やがて大きな成果につながるはずです。
皆さんなりのペースで、無理のない自宅学習の習慣づくりに挑戦してみてくださいね。