2020年教育改革要項で導入!アクティブ・ラーニングって?

2020年の教育改革で導入されたアクティブ・ラーニングについて、親御さんや生徒の中には「どんな内容なのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。従来の一方向的な講義形式の授業とは異なり、生徒が主体的に学習に参加し、自ら考え、討論し、問題を解決することを促す教育手法です。

この手法の導入は、グローバル化が進む社会で必要とされる能力を育成するためのもので、生徒自身の思考力、判断力、表現力を高め、主体性、協働性、多様性を養うことを目的としています。今回は、アクティブ・ラーニングの概要とその導入の経緯、具体的な方法について詳しくご紹介します。

アクティブ・ラーニングの概要

自ら手を上げ発言する生徒

アクティブ・ラーニングとは

アクティブ・ラーニングとは、生徒が主体的に学習に参加し、自ら考え、討論し、問題を解決することを促す教育手法です。従来の一方向的な講義形式の授業とは異なり、生徒が能動的に学ぶことで、より深い理解と知識の定着を目指します。

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アクティブ・ラーニングの目的

ディべートする中学生たち

アクティブ・ラーニングは生徒自身の、思考力・判断力・表現力を育成することを目的とし、主体性・協働性・多様性の育成も目的としています。

いったい、どういう事だろうと思う親御さんも多いと思いますが、実際の教育現場で取り入られるものとしては、グループディスカッションやディベートといった、問題定義に対しての解決策を模索し、より良い状況を見つけようといった意見を出し合う授業になります。

例えば、朝食はご飯とパンどちらが良いか?といった議題に対して、自分の考えをまとめ発言し、周りの人の発言も聞き、良い回答は何なのかを導き出すものになります。その際に、自分の考えだけではなく、ご飯とパンでの栄養やカロリーや、時間のない朝に手軽く食べらえるなどの統計などをリサーチする事も大切な学習内容となります。これが、知識を深めながら、多様性を考えながら判断力を養う授業といった目的意識の教科にも繋がります。

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アクティブ・ラーニングが必要となった理由

グローバル化のイメージ

グローバル化が進む社会において、海外で働く日本人も増えています。もちろん、日本国内で働く外国人も増えました。そのため、グローバルで活躍する人材の育成が今後の社会では必要となるため、知識を活用し、生まれ育った背景の違う他者と、協働し課題を発見・解決する能力の重要性が高まっています。このような状況から、小学生の授業で取り入れ学習していく方針を文部科学省が導入に踏み切った形でもあります。

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導入の経緯

黒板などの勉強のイメージ

アクティブ・ラーニングの導入は、2000年代初頭から始まった教育の質を向上させる動きに端を発します。PISA(国際学力調査)での日本の順位が低迷し、生徒の思考力や表現力の欠如が指摘されたことがきっかけです。これを受けて、文部科学省は教育課程の改善に着手し、2008年に「新学習指導要領」を発表しました。この要領では、知識を詰め込むだけでなく、思考力や判断力を重視する教育方針が示されました。

さらに、2012年には「高大接続改革」として、大学入試改革が提案されました。これにより、大学入試センター試験が廃止され、思考力や判断力を問う新しい試験形式が導入されることになりました。この動きは、アクティブ・ラーニングの導入を促進し、2020年には新学習指導要領の全面実施が開始されました。

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具体的な導入方法

アクティブ・ラーニングのイメージ

2020年からアクティブ・ラーニングが導入され、すでに多くの学校で実践されていますが、親御さんや生徒の中には、まだ具体的な内容や効果を実感していない方もいるかもしれません。学校で行われる授業以外にも、大学や地域でNPO団体が主催するワークショップに参加することで、より深くアクティブ・ラーニングを体験することができます。これらのワークショップは、大人も子供も参加できる環境で、自発的に作業や発言を行い、体感型で学びを深める場です。

こうしたワークショップに参加することで、お子さんの勉強に対するモチベーションが向上し、実際の授業でのアクティブ・ラーニングの効果もより高まるでしょう。また、大人の中で臆することなく発言する経験は、自己表現力やコミュニケーション能力の向上にも繋がります。既に導入されているアクティブ・ラーニングの理解を深め、実際に体験することで、お子さんの学習意欲をさらに高めることができます。

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アクティブ・ラーニングについて最後に

知識などのイメージ

小学生や中学生の教育方針が変わる今だからこそ、知識を詰め込んだ情報を活用できる場で鍛える事も重要となります。また、経験することによって養われる知識や思考も育まれます。勉強机に座って勉強することのみが、社会で活躍できる能力とは限りません。
そのために教育改革として推進されるアクティブ・ラーニングは、お子さんの成長させるきっかけにもなります。知識を深めるだけでなく、意欲を高めコミュニケーション能力を育む学習も取り込んでいきましょう。