「考えない」は変えられる!勉強で考えるのをやめる子供の思考停止への対策方法

「お子さんの勉強が嫌いややる気がないわけではないのに、テストで空欄が目立つ。知っている問題はスラスラ解けるのに、分からない問題には手をつけずに次に進んでしまう」――こんな光景を見かけたことはありませんか?そんな状況に心を痛める親御さんも多いことでしょう。今回のコラムでは、このような状況に陥る背景やその影響、そして解決策について考えてみたいと思います。

お子さんに自分で考える力がないのではとお悩みのお悩みの親御さんに向けて、このコラムではその原因と対策をご紹介します。
お子さんの「考えられない」思考停止状態は必ず変えることができます!

子供の「考える力」は大丈夫?

時間が余っているのにもかかわらず、もう一度分からない問題を解こうとしないお子さん

お子さんが、勉強が嫌い・やる気がない訳ではないけれども、テストの解答用紙に答えを記入せず空白で採点されているのを最近見ることが増え、空欄のバツ印が気になる親御さんはいらっしゃいませんか。自分が知っている答えはスラスラ解くのに、分からないと思った問題に対してはタンパク且つノータイムで次の問題を解こうとするお子さんが増えています。

限りある時間で答えを埋めようとすれば、賢い方法となるかもしれませんが、解答を埋めた後、時間が余っているのにもかかわらず、もう一度分からない問題を解こうとしないお子さんが増えています。
これは、やる気がないのではなく、考えても仕方がないという、考えようとする思考力が低下していると言えるでしょう。思考力の停止は“考えない”を正当化してしまうため、表現力や判断力の低下を招いてしまいます。そうならないためにも、お子さんの正しい思考力を取り戻してあげましょう。

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「自分で考える力」が身につかない原因

理由1.暗記や速さを重視している

学校教育が暗記や速さを強調することで、子供たちの問題解決能力や自発的な思考の育成が後回しにされることがあります。例えば、教科書やテスト対策の授業では、大量の情報を覚えることや早く答えることが重視され、深い理解や自己の意見形成が犠牲になることがあります。また、テストの成績やランキングが重要視される学校では、生徒たちは早く覚えて速く解くことに焦点を当て、考えることよりも正解を求める傾向が強まります。

具体例として、算数の授業で、教師が短時間で多くの計算問題を解かせることが挙げられます。生徒たちはただ計算することに集中し、問題の背後にある数学的な概念や応用能力を育む機会が限られるため、表面的な理解が生まれやすくなります。また、歴史の授業での年号や出来事の暗記も、単なる情報の吸収にとどまり、歴史の背景やその影響を理解する能力が育ちにくくなります。

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暗記重視で解いてる中学生

理由2.結果を重視しすぎている

家庭や社会における結果重視の風潮は、失敗を恐れるような態度を生み出す可能性があります。例えば、親や教師が子供に対して常に高い成績や成功を求め、失敗を許容しない環境があると、子供たちは失敗を避けるようになります。その結果、新しいことに挑戦する勇気や失敗から学ぶ機会が減少し、自己成長や挑戦する精神が鈍化します。

具体例として、模擬テストや入試対策が挙げられます。家庭や学校で模擬テストが行われ、その成績が進学や進級に大きく影響する場合、生徒たちは単なる成績追求に焦点を当て、自己成長や興味深い学びを追求する意欲が低下します。しかし、テストや入試そのものは生徒の能力を測る重要な手段であり、適切に活用されることで学習意欲を高める効果もあります。ただし、単なる成績追求よりも、学習の過程や自己成長に焦点を当てることが重要です。そのため、失敗や挫折を恐れずに挑戦し、そこから学ぶ姿勢を育むことが大切です。

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理由3.情報過多による“考えない”がまん延している

スマホやインターネットで検索することで、簡単に解答を教えてくれる環境

現代社会の文明の発展は、お子さんの“分からない”を簡単に教えてくれる、スマホやインターネットで検索することで、簡単に解答を教えてくれる環境が整っているのです。

GoogleやYahoo!といった検索エンジンが、いくつもの有益な情報を与えてくれます。悩む時間すら勿体ないと考える子が増えてきても不思議ではありません。大人でさえ考えずにインターネットで調べて終わらせ、思い出したり・考えることを放棄してしまう事もありますよね。

お母さんの手助けをするCOOKPADなどでは便利なレシピが多く載っています。《さしすせそ》の分量でさえ、自分で考えずに書いてある分量を、そのまま入れれば美味しいご飯が作れてしまう時代でもあります。そのため、お子さんが親の便利に使いこなすアイテムを見て真似することが原因でもあり、ごく自然な日常の流れなのかもしれません。

しかし、子供の頃から考えるのを止めてしまうのは、出来ないことや難しいことを自分の力で乗り越える力を身に付け、トライさせるチャンスすら捨ててしまっていることと同じです。それでは、これから起きるであろう、大変な人生を生き抜くすべを知らずに成長してしまい、それは同時にとても危険なことでもあります。

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思考力を身につけるには?

そのため、思考力をつけるために親御さんができる重要なことは、お子さんが失敗できる環境を作り与えること!失敗しないで欲しいのは親の里心でもありますが、失敗することで学び強くなることもチャレンジしたからこそ覚え、学ぶ感性です。そして、くじけそうなお子さんをフォローし助け舟を出すことで、お子さんの思考力アップや行動力アップにも影響していきます。

思考力を取り戻す対策方法

対策法1.自己探求しやすい環境を整える

子供が自己探求しやすい環境を整えましょう。興味を持ったことについて深く掘り下げ、自分の意見や解決策を見つける機会を提供します。例えば、子供が興味を持つトピックに関する本や資料を用意し、一緒に読んだり話し合ったりすることで、自発的な学びの場を提供できます。

対策法2.失敗を肯定的に捉える文化を醸成する

失敗を肯定的に捉える文化を醸成しましょう。失敗から学び、改善することの重要性を理解させることで、自己成長への意欲を促します。例えば、子供が失敗した際には、その失敗を共有し、何を学んだかを尋ねることで、失敗をポジティブな経験に変えることができます。

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対策法3.問題解決に向けたプロセスを重視する

問題解決に向けたプロセスを重視しましょう。正解だけでなく、考え方や取り組み方を評価し、自己の思考力を高める機会を提供します。例えば、子供が問題に取り組む際には、解答だけでなく、その過程や考え方についてもフィードバックを与え、自己成長の機会を提供します。

 

ご家庭でのサポート方法

家族でのディスカッションや意見交換を積極的に行う

家族全員が一緒に食事をしながら、日常生活や学校での出来事について話し合う時間を設けましょう。その日の出来事や興味深い話題について、家族で意見を交換し、お互いの考えを尊重しながら話し合ってみましょう。

子供の興味や関心に合わせた本や活動を提供する

子供が興味を持っている分野やテーマに関連した本や雑誌を、定期的に子供に提供します。また、科学博物館や美術館など、子供が興味を持つ場所に家族で訪れることで、新たな学びや体験の機会を提供しましょう。

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共に問題解決に取り組む

子供が困難に直面した時には、一緒に問題解決に向けて取り組みます。子供が自分の意見やアイデアを出し、それを尊重しながら、一緒に解決策を見つけることを目指します。また、失敗や挫折を経験した時には、子供を支えながら、次にどうすれば良いかを共に考えます。

 

親御さんのNG行為

過度な解答提示や問題の解決を代行すること

子供が勉強や課題で困難に直面した時に、すぐに答えや解決法を提供してしまうことは避けます。代わりに、子供自身が考え、努力して解決する機会を与えましょう。

成績や結果への過度な期待やプレッシャーをかけること

成績や試験結果に過度な期待やプレッシャーをかけることは避け、子供の成長や努力を大切にします。また、子供には自分自身と向き合い、自分のペースで成長することを促しましょう。

子供の失敗や苦労を避けようとすること

子供が失敗や苦労を経験した時に、すぐに問題を解決しようとすることは避けます。代わりに、子供が自分の力で問題を克服できるように、適切なサポートや励ましを提供しましょう。

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最後に

人の成長に欠かせない失敗や成功は、考えるからこそ生まれるものでもあります。勉強での失敗は1点2点の積み重ねです。将来、役に立つ勉強がどれだけあるかと言われれば、少ないかもしれません。しかし、お子さんの可能性を伸ばすためにも、思考力・判断力・表現力といった力を勉強から学ぶことで、自分の意思を伝えるコミュニケーション能力や行動力の原動力にもなります。