勉強をサボっちゃうのはなぜ?環境を改善してサボり癖を治す対策法

目の前に積もりに積もった勉強の山。片や机の上にはインターネットやスマホアプリのゲームにSNSといったLINEなどの誘惑がいっぱい。学生の皆さんにとっては、サボりたくなる状況だと思います。

確かに勉強をサボっちゃうことって誰にでもあること。でも、そのままにしておくと、成績に悪影響が出てしまいます。今回は「分かってはいるけどどうしてもサボってしまう」学生の方へ向けて、いつも勉強をサボってしまう原因を明らかにし、その防止策をご紹介します。学習環境を整えて、サボり癖を改善し、集中力を高める方法を一緒に見ていきましょう!

勉強をサボっちゃうのはなぜ?

勉強をサボってしまう理由は多岐にわたります。スマホやSNSの誘惑、勉強の重要性が理解できていないこと、そして、サボってもすぐに困らないと感じることなどです。順番に詳しく見ていきましょう。

サボる理由1.  誘惑が多い

漫画が置いてある机

例えば勉強をしているときに、スマホの通知音が鳴ったり、SNSのタイムラインが気になったりしてついつい見てしまう事がありますよね?このようにスマホやSNSは便利ですが、勉強の邪魔になることが多いです。

現代の学生たちにとって、スマホやSNSは生活の一部となっています。しかし、勉強時にはそれらが大きな誘惑となり、学習の妨げとなります。特に、勉強中に通知が頻繁に鳴ると、集中力が途切れ、学習効率が低下します。スタンフォード大学のクリスティン・デューク氏らの研究によると、スマホがそばにあるだけで集中力が削がれるという事が明らかになっています。

筆者らのチームは最近の研究で、スマホを近くに置いているだけで認知能力に影響があるかを調査した。そこでは2回の実験を通して、合計800人近くの人に認知能力を測定するための作業を行ってもらった。

第1の作業では、参加者は数学の問題を解くことと、無作為な文字列を記憶することを同時に行った。このテストは、複雑な認知作業を行いながら、作業に関係した情報をどれだけ覚えていられるかを試すものである。第2の作業では、参加者は複数の画像からパターンを見出し、そのパターンを完成させる画像を1つ選ぶ。この作業は「流動性知能」、すなわち新しい問題を分析し解決する能力を測定する。いずれの作業でも、成績はその人の思考のリソース量に左右される。

実験における介入は、ごく簡単なものだった。作業に入る前に、スマホを目の前に置く(机の上に伏せて置く)か、ポケットかバッグにしまう、あるいは別の部屋に置いておくかのいずれかを行なうよう、参加者に指示したのである。また作業の邪魔にならないよう、スマホのアラート音やバイブレーション機能はオフにしてもらった。

結果は明快だった。作業の成績が最もよかったのはスマホを別の部屋に置いたグループで、次がポケットにしまったグループだった。スマホを机の上に置いて作業したグループは、最下位だった。スマホの電源を完全に切っていた場合でも、同様の結果が得られた。スマホを近くに置いたグループの成績が最低で、別の部屋に置いたグループが最高だったのだ。

人間の認知能力は、机の上にスマホがただあるだけで、わずかとはいえ統計的に有意なマイナスの影響を受ける。その影響は、睡眠不足と同程度だった。

出典:スマホが近くにあるだけで、あなたの思考力は低下する | 戦略|DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

なんとスマホがそばにあるだけで人間の認知能力は睡眠不足の時と同じくらい下がってしまうそう。

この対策として一番シンプルなのは勉強時間中はスマホを別の部屋に置くなどして手元から遠ざけてしまうことです。ただそうなると苦しいだけの勉強になってしまう可能性もあるので、「30分勉強したら5分間だけスマホを見てもいい」などのルールを設けるようにするのがおすすめです。

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サボる理由2.  勉強する重要性が意識できていない

勉強する重要性が意識できていない中学生

勉強に対するモチベーションが低い理由の一つに、勉強の重要性を理解してできていないことがあります。確かに勉強する目的や目標が明確でないと、勉強しようというモチベーションは湧きづらいですよね。

ではなんでもいいので「将来こうなりたい」という夢を思い浮かべてみましょう。「お金持ちになる」「家を買う」「医者になる」などです。それらはいわゆる長期的な目標になります。
それを次は具体化させる方法を考えます。例えば「医者になる」なら医学部への進学は必須ですね。一般に医学部は狭き門であり、合格のためには相応の学力を身につける必要があります。ではその学力は1年や2年で身につくものでしょうか?
このように考えていくと「今勉強をやる意味」も徐々に明確になってくると思います。
自分だけではよくわからないという場合は保護者の方や学校の先生と話し合ってみるのもいいでしょう。

それと並行して、短期的な目標も立てるようにしましょう。例えば「次の数学のテストは90点以上取る」などです。長期的な目標だけではどうしてもモチベーションが続かなくなってしまうことがあります。短期的な目標を設定して、それを1つずつクリアしていくことで、自分に自信も付き、勉強へのやる気も湧いてくるようになります。

また目標を紙に書いて机の前に貼ったりして常に意識できる状態にしておいたり、目標を達成した際にはご褒美を用意しておくなどの方法もモチベーションを維持する上では効果的です。

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サボる理由3.  サボってもすぐに困らない

サボり中の女子高校生

これは先ほどの長期的な目標の部分とも重なってくるのですが、そのテストの結果や成績がすぐに自分自身に影響しないと思ってしまった場合に、人は勉強を後回しにする傾向があります。
勉強は日々の積み重ねが大切な科目です。中学生・高校生であれば定期考査や学年末考査が内申点に大きく影響し、将来の進学や就職に直結することを知っておかねばなりません。
また、勉強習慣を身につけ、成績を向上させることで、進学先の幅が増え、将来の選択肢が広がることも知っておきましょう。

例えば毎日30分間だけサボったとします。それが4月から12月末まで続いたとすると、約140時間の損失になってしまいます。たとえばあなたが受験生で一日6時間自宅で勉強しているとします。そうなると23日分を無駄にしていることになります。およそ1ヶ月。それだけあれば多くのことが学べ、その分受験への不安も大きく軽減されたはずです。

「サボってもすぐに困らない」そう考えることはここまで説明したことをきちんと読んでもらえれば、間違いだとわかるはずです。

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集中力を上げてサボり癖を治す方法

サボる子の特徴は、集中力が散漫になりやすく、すぐ他の事に興味を示してしまうことです。これが特別に悪いことだとは言いません。ただ勉強においては問題になるだけです。また、サボる子には集中力がないという話でもありません。自分が集中できるゲームや遊びといった好きなことをするときは、集中して親御さんの声すら聞こえないなんてこともあるのではないでしょうか。

「集中」を脳科学的に理解すると、まず通常時の脳の働きは広範囲にわたり、さまざまな部位が活動しているのですが、集中している時の働きは、脳の活動を低下させ、一点に集中する現象だと言われています。

この集中力を高めるためには、環境が関係していることがあります。
勉強に集中できる環境を整えることは、サボり癖を治すための重要なステップです。以下に、集中力を高めるための具体的な方法を紹介します。

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勉強に不必要なモノを置かない

整理された机

勉強に必要のないものを勉強スペースに置かないことは、集中力を維持するために非常に重要です。勉強スペースを整理し、教科書やノート、必要な文房具だけを置くようにしましょう。特に、スマホやタブレット、ゲーム機などの娯楽品は勉強中には最低でも視界に入らないようにはしましょう。

また、デジタルデトックスも有効です。一定期間、電子デバイスを使用しない時間を設けることで、集中力を高めることができます。例えば、勉強時間中はスマホを触らない、夜寝る前の1時間は電子デバイスを使用しないなどのルールを設定することが効果的です。

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雑音を遮断する

ヘッドホンで雑音を遮断する生徒

自宅で自分に関係のある雑音が聞こえてくると、どうしても人は無意識に注意を向けてしまいます

そのような場合は雑音を遮断し、集中力を高めるためには、静かな環境を整えることが重要です。例えば、テレビの音や兄弟姉妹の声が気になる場合、耳栓やノイズキャンセリングヘッドホンを使うことで、静かな環境を確保することができます。
また、背景音としてクラシック音楽や自然の音を流すことも効果的です。これらの音は集中力を高め、ストレスを軽減する効果があります。ただし、歌詞のある音楽は注意を逸らす可能性があるため、避けるようにしましょう。
最近では、ホワイトノイズに代表される環境音を使って、自分の聞きたくない音を排除することで、集中力を高める方法を試している子供も増えてきています。

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勉強する場所を変えてみる

勉強場所を変えてみた女子中学生

上記の事とも関連しますが、リビングから聞こえてくるTVの音や、料理をするお母さんの食材を切るといった音は、自分と関係する雑音なので自然と耳に入り集中しにくい、といった状況になります。そのため、勉強する場所は、自宅じゃない方が良いといった生徒もいます。また、図書館や喫茶店などで勉強する大人が多いのもこういった理由があります。

また、同じ場所で勉強を続けると、飽きやマンネリが生じることもあります。勉強する場所を変えることで、新鮮な気持ちで学習に取り組むことができます。図書館やカフェなど、集中できそうな場所を見つけましょう。ただし、カフェや図書館などの公共の場では、周囲の騒音や人の動きに注意が必要です。

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とにかくやってみる

例え集中力ややる気が出なくてもとにかくやってみるというのも一つの手です。例えば無理やりにでも4分間何かに取り組むと、脳からやる気を促すドーパミンという神経伝達物質が分泌され、意欲が高まります。詳しくは「ズーニンの法則」の記事を見てみてください。

サボりと休息は違う!

一息つく休憩中の女子生徒

勉強に集中できる環境を整えることは重要ですが、休息を取ることも同様に重要です。サボりと休息を区別し、適切な休息を取ることで、勉強の効率を高めることができます。

効果的な学習のためには、計画を立てることが重要です。何をいつまでにやるかを明確にする学習計画を作成しましょう。休息時間も含めた具体的な計画を立てることで、無理なく勉強を進めることができます。
休息を取ることは、勉強の効率を上げるために不可欠です。適度な休息を取ることで、集中力を維持し、疲労を軽減することができます。休息を取ることで、脳がリフレッシュされ、情報の整理や記憶の定着が促進されます。例えばポモドーロ・テクニックを使うのもおすすめです。 ポモドーロ・テクニックとは25分間の集中勉強と5分間の休憩を繰り返すやり方です。人の集中力は長続きしないものです。 ポモドーロ・テクニックでは25分だけの集中を4回繰り返し、その後には2~30分の長い休憩を取ります。このやり方は、人間の集中力をいかに効率的に持続させるかを考えて考案されたやり方です。

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勉強をサボっちゃう環境から脱出する勉強法まとめ

サボらずに目標を持って勉強に取り組む学生

どうだったでしょうか。勉強する際に、自分の興味を惹かれる事に目移りしてしまう問題はどの生徒にも共通する悩みだと思います。集中して勉強しなさいと叱られても、勉強机に座ってペラペラ教科書をめくっていても、自分に関係する雑音が注意力散漫とさせ集中できない環境を作り出している可能性もあります。

そのためにも勉強をサボらないための対策をしっかりと取り入れ、集中力を高める環境を整えることが大切です。スマホを遠ざけ、勉強の重要性を理解し、適切な休息を取ることで、効率的に学習を進めることができます。あなたの未来は、今の努力にかかっています。困難な時期もあるかもしれませんが、一歩一歩着実に進んでいけば、必ず目標に近づくことができるはずです。自分を信じ、勉強に取り組む姿勢を大切にしてください。成功を祈っています!