さっそくですが、復習は重要です。せっかく学習したことですから、忘れてはもったいない。しかし、忘れないようにする以外にも、実は復習には、「①チェックをする」「②やり抜く力を身につける」「③思いやりを持てるようになる」といった教育的効果があるのです。
 

復習の効果①:分かったつもりチェック

ドイツの心理学者エビングハウスの実験では、1日経つと覚えたことの3分の2程度は忘れていたという結果が出ています。そのため、適切に復習をしなければその日学習したことのほとんどが記憶から抜け落ちてしまうのです。学習の効果を確かなものにするためにも、復習は必ず必要になってくるのです。
 
復習には忘れないようにするということの外に、聞き間違っていないか、勘違いしていないか、分かったつもりになっていないかということをチェックするという重要な役割があります。大人のみなさんも、どこかで講演などを聞いたとき、聞いているときは分かるのだけど、帰ってくると分からなくなっているということがありませんか。これが分かったつもりになっているということです。学校で授業をしっかり聞いて覚えたつもりでも、正しく理解していないと、無駄になってしまいます。
 

復習の効果②:やり抜く力が身につく

復習が重要なことは分かっていても、勉強って大変ですよね。お子さんに「勉強しなさい」というだけでは、お子さんはなかなか机に向かってくれないものです。
「勉強が楽しくない」と感じていたり、実際に口に出しているお子さんは多いのではないでしょうか。勉強が楽しくない理由、そのひとつは勉強したことが役に立つのかどうか分からないからです。役に立つと分かれば一変、子どもは進んで勉強します。 
勉強をすると、分からなかったところが分かるようになり、成績が上がります。そこで初めて、勉強したことが「役に立った!」と思えるのです。それは、「自分はできる」という気持ちを生み、もっと勉強してみようという気持ちへとつながります。この気持ちは、決められたことをきちんとこなしていくという、社会人にとって必要な「勤勉性」へとつながっていきます。 
「勉強って大変だけど、役に立つことを知ることができるし、続けられる。」これは、最近注目を浴びている「レジリエンス」という「やり抜く力」ともつながっていきます。このレジリエンスは、素晴らしい成果を上げている人たちが持っているといわれている性質なのです。
 

復習の効果③:思いやりが身につく

先述した「レジリエンス」ですが、ちょっと続けたくらいでは身につきません。最低でも2年間続けるということが重要です。
では、もともと勉強の習慣のない子どもに、どうやって勉強をさせればよいのか。そのことについてもお伝えしたいと思います。まずは、ちょっとでも勉強すれば、必ず成果があがるということを経験させましょう。“ちょっと”なので、成果が見えにくいかもしれませんが、きちんと上がっています。親御さんにとっては物足りないでしょうが、ちょっとでも勉強したら褒めてあげてください。子どもは親に褒めてほしいものです。褒めてもらうだけで、「役に立った」という気持ちになるのです。
「褒めてほしいから勉強する」ということだけでもいいのですが、人は自分のためよりも、誰かのためになることの方に対して、力が出るものです。
このことは、子どもとの付き合い方にも応用できるのではないでしょうか。褒めてあげるのも良いですが、例えば「○○ちゃんが勉強していて、お母さん嬉しいわ」といったことを言ってみてはいかがでしょう。お母さんを喜ばせるために子どもは頑張ります。そうしているうちに、自然と勉強するようになって、楽しくもなり、続けられるということです。さらに、人を喜ばせたいという「思いやり」も身についてきます。
ただ、お母さんは身内なので、甘えが出ることがあります。そんなときは、塾や家庭教師をお勧めします。塾の先生や家庭教師は、他人ですから甘えられません。一生懸命自分のために教えてくれているわけですから、子どもはそれに応えようとします。そうやって、先生のために勉強をする、勉強が分かる、勉強が楽しい、成績が上がる、先生が喜んでくれる、嬉しい、もっと勉強する……という好循環を生み、ここでも「先生を喜ばせたい」という「思いやり」が身につくのです。
お子さんを上手に導くことができるなら、親御さんがリードしてあげれば良いのですが、自分の子どもとなると感情が入り込んでしまって、なかなか自分をコントロールできませんよね。そんなときは、思い切ってプロに任せて、思いやりのある子に育てましょう。
 

復習の効果まとめ

復習は忘れないようにするだけではないのです。たとえ塾や家庭教師に任せるにしても、お子さんが、「この人のために勉強しよう」と思えることが重要です。信頼できる家族や、家庭教師、塾の先生などに出会って、お子さんが勉強好きになると良いですね。

この他にも勉強や入試の事での困りごとやご相談は九州家庭教師協会(キューカテ)にお気軽にお声掛けください!