「前置詞」については、英文法の中で使い分けが最もややこしい項目になりますね。もともと、中学英語では、特にその違いを強調して教えたり、イメージとともに学ばせたりしない場合がほとんどなため、高校に入り、突然、英熟語などの学習か始まり、その際にこの「前置詞」がネックになり、一気に『熟語=難しい』という壁に当たります。
この、一見すると掴みどころのないように思える「前置詞」ですが、では、どのようにしたら使い分けに苦労しなくなるのでしょうか。
今回は中でも非常に区別のしにくい《at・on・in》をテーマに、『使い分け方』に焦点を充て、見ていきます。「時」「場所」共にイメージは同じです。それぞれの具体例と合わせてイメージを掴みましょう!
【こんな生徒におすすめ】
・前置詞の使い分けができない
・前置詞が苦手だ
・似ている使い方の前置詞の区別をできるようになりたい
・前置詞at/on/inの違いを教えてほしい
1. 前置詞のおさらいと使い分け方
英語の前置詞とは、日本語でいう「〜に、で、と」などの助詞にあたるものです。
形 《前置詞 + 名詞》
前置詞単独で使用できない。常にその後に名詞(相当語句)を伴って、ワンセットで使う。このセットのことを、「前置詞句」と言います。
働き 『形容詞句・副詞句』(修飾語)
→つまり、前置詞句は、これ自体では文の主要素にならず、なにかを修飾して付加情報を与える”アクセサリー”のようなもの。
●訳し方:
前置詞の使い方により様々なので、文脈に合わせて柔軟に訳します。
●使い分け方:
①各前置詞の持つイメージにより区別していく
②さまざまな練習問題と熟語の勉強を通してトレーニング
関連記事:10分でわかる!英語苦手な高校生がぐんぐん伸びる!イメージで身に付ける前置詞解説集
2. 時間のat, on, in
”at<on<in”の順に短い時間から長い時間へ
at《時刻・短い限られた時》(点のat)
- at five o’colck(時刻)
- at midnight/at noon (真夜中・正午は12:00を指すので、時刻に相当する)
- at the monent
- at Christmas
on《カレンダー上で日付として確認できる時》(接触のon)
- on Sunday(曜日)
- on February 2(日付)
- on Christmas day
- on one’s birthday
- on Wednesday morning(特定の曜日の時間帯)
- on this day
- on the weekend
- on one’s vacation
in《期間のある時の表現》(中のin)
- in January(月)
- in the morning/afternoon/evening
- in winter(季節)
- in 2025(年)
- in the 2000s(年代)
- in the Middle Ages
- in the past/future
at Christmasとon Christmas dayはどう違う?
at Christmas
具体的な期間はささず、また国や文化によりクリスマスの期間も異なるため、「クリスマスの時期に、クリスマスシーズンに」という曖昧な期間をさして使います。(=at Christmas time)
例)I’m looking forward to seeing you at Christmas.
on Christmas day
「クリスマスの日に」と、具体的な日にちを指すので、”日付のon”を用います。
cf. on Christmas eve
例)Usually I work on Christmas day.
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3.場所のat, on, in
”at<on<in”の順に狭い・細かい場所から広い・内部のある場所へ
at《場所の内部でなく地点として認識する場合》(点のat)
- at school/at home
- Let’s meet at the station.(待ち合わせ場所)
on《ある場所を面と捉えて、そこに乗っかっているイメージの場合》(接触のon)
- on the spot(その場で)
- on the table/on the chair(特に乗っかっている感じのタイプの椅子)
- on the second floor
- on one’s hand/head
in《内部・広がりのある場所、中に内在している場合》(中のin)
- in the world
- in Tokyo(都市や町)
- in Japan(国)
- He is relaxed in his chair(中に入り込むような感じの椅子)
- in the bag/in the house(箱の中に入っている感じ)
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まとめ
このような「イメージで前置詞の違いを把握する」事が必要になりますが、そのためにやるべきことは、これらのイメージを具体的に掴めるようにするためには、「多くの練習問題や熟語を通してトレーニング」することも、必要です。
英語の知識は、経験値を積むことにより、身につくものなのです。そうすることで、自然に自分の力で正しく使い分けられるようになっていきます。













