【こんな生徒におすすめ】
- 英語の「論理・表現」の授業が嫌で仕方なく、少しでも苦手意識を減らしたい
- 英語のスピーチや発表が、うまくできなくて困っている
- 英語で人前で話す事が苦手過ぎて、なんとかしたい
- 英語の「論理・表現」で、スピーチやディスカッションのやり方がわからなく、うまくできるようになりたい
- 英語でプレゼンやスピーチに慣れず、人前で話すことも得意でなく、全体的に自信をつけたい
高校英語の「論理・表現」とは?
英語学習内容や様々な試験の変化の激しい近年ですが、
平成30年、告示学習指導要領で、「英語表現」に代わって「論理・表現」が新設されました。
論理・表現の目的

新科目「論理・表現」では、語彙・文法について学んだ知識を、実際に使えるように、身に付けていきます。
論理の構成と展開・効果的な表現を活用しながら、スピーチ・プレゼンテーション・ディベート・ディスカッション・文章を書く、という表現活動を行いながら、その表現力をよりよくしていきます。
つまり、簡単に言うと、「英語のアウトプット力の強化」が目的になります。
「論理的に表現する能力」の育成に、より焦点が当てられています。
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論理・表現の内容
英文法を学びながら、話したり(やりとり・発表)、書いたりします。
話す(やりとり):ディベート・ディスカッションを行い、考えや気持ちを伝え合い、会話のやりとりをしながら、必要な情報を得られる力を養います。
話す(発表):スピーチ・プレゼンテーションを行い、自分の考えや意見を、理由・根拠とともに伝えられる力を養います。
また、質疑応答・意見交換なども行う事で、実践的な英語力を身につけます。
書く:自分の考えや意見を、論理的に書くことのできる力を養います。
また、少しずつ、長文を書く力も身につけていきます。
つまり、「使える英語」力を育成していくという事です。
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「論理・表現」新設の背景

今まで日本の教育では、インプットにほぼ重点が置かれてきました。
学んだものを用いて、自分のものとして、アウトプットしていく事に、英語だけでなくあらゆる分野において、私たちは経験を積んできませんでした。
この結果、本来の保守的な日本人の性質と相まって、自分の意見をはっきりと周りに伝える文化が、長い間育ってきませんでした。
ただ、中には元来、自身の意見を他者に比較的はっきりと言える性格の人もいますので、そう言う人たちのみが、変に目立ってしまうという、現象が起きてきました。それは今も変わりませんが、少しずつ様々な変化とともに、その辺りの変化も以前と比べると顕著になってきています。
どちらが良い悪いはありません。
他国のように、はっきり言えることがいいとか、逆に日本のように周りに合わせて自身の発言を決めていくとか、そのこと自体だけで、物事の良し悪しは判断できません。
よって、ここでは、あくまで、英語学習としての「論理・表現」においての、対策とアドバイスとして、伸び悩んでいたり、やり方がいまいち掴めない高校生たちのために、皆さんの先輩として、役に立つ指導をしたいと思います。
英語の得意でない人たちにとっては、わたしもよく最近授業でも生徒と話しますが、今までより英語学習の内容が大変になってきたので、より苦手意識が増えてしまいそうな危惧とともに、心配しています。
そんな、時代の変化による心配も踏まえて、大切なこと・コツを、教えていきましょう。
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「論理・表現の対策」とアドバイス
英語のスピーチ・発表の準備とステップ
- まずは、原稿作り。
- まずは、できた原稿をまる暗記。
- 慣れてくるうちに、まる暗記を卒業し、質疑応答や話し合いを、自分の言葉でもできるようにする。
※後半に載せている3部構成を参考にしてください!
※習ってきた英単語・英文法を用いて、なるべく誤解なく伝わるように、簡潔に書いてみよう!

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英語のスピーチ・人前で話すためのコツ
①間違いを怖がらないで!
クラスメートの前だと特に照れ臭かったり恥ずかしかったり色々気にしてしまいますよね。周りの目をとても気にする内向性は、日本人特有なものです。
「失敗してもいい」
特に、英語の発音に自信がない故に小声になってしまったり焦ってしまう事があります。優先順位としては、それより、自分の意見を堂々と話す事がポイントとなります。少しずつ意識してみてくださいね。
②伝わりやすい話し方を意識しよう!
せっかく素敵な原稿ができても、うまく相手側に伝わらなければ勿体ないですよね。

〜伝わりやすくなるコツとは?
⚫︎丸暗記や紙を見ながら→×
なるべく暗記できた後は、自分の言葉として言えるようにしていきます。
⚫︎簡潔でわかりやすい→◯
難しい表現では、相手にも自分にも伝わりにくくミスの可能性も高くなるので、出来ればシンプルな表現を選びます。
⚫︎体も使って伝える→◯
「アイコンタクト」
聞き手の目を見るようにしましょう。
少人数の場合は、ひとりひとり見るようにし、大人数の場合は、全体を見渡すようにしてみます。
「ジェスチャー」
身振り手振りの言葉以外のアイテムも使う事で、より、相手に伝わりやすく、また、スピーチ自体も魅力が増していきます。
特に、自分が強調したい部分などは、体や手など使うと効果的ですね
⚫︎はっきり&比較的ゆっくり→◯
あまり早口だと、相手に伝わりにくい場合があります。また、自信のない小さい声ですと、聞き取れないだけでなく、聴衆の注意を引きつけていられません。スピーチは、自分が主役ですので、リードする意識が必要となります。
③楽しめそうな・興味が湧きそうなテーマを選んでみよう!
内容も当然大切になりますので、自分がまず「いいな!」と思えるテーマで、トライしてみましょう。その気持ちが伝わる事で、聴き手の共感をうみます。
④英訳を読めばいい訳ではない!
確かに「原稿」は大切なのですが、人に話すという事は、それ以外も大切なのです。まず、自分自身がその内容をしっかり理解している事、そしてさらに、その思いを聴き手に生々しくわかりやすく伝えられる事、が、ポイントです。
⑤緊張しなくて大丈夫!
みんなの前で話しているという緊張感のある意識を、友達の前で普段話しているという気持ちに、転換してみてください。お友達や同級生と話す時に、毎回緊張している訳ではないですよね。気持ちをリラックスさせて細かい事は気にしないでいいんだ!という発想にしてみましょう。
⑥準備をしっかりしよう!
「英語での原稿作成」は、出来るだけしっかりしましょう。
次に載せている『3部構成』と『単語・文法』に気をつけながら、自分が話せる内容で、作ります。
⑦人前で練習してみよう!
もし不安なら、家族や友達や先生の前で、練習するのもいいですね。
または、録音して自分が聞き手になってチェックしてみるのも有益です。
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⑧同じ表現を避けよう!
英語は、同じ表現を繰り返し使うのを好みません。なので、代名詞や類義語を使うように工夫してみましょう!ただし、大切な箇所については、同じ表現を用いる事で聴き手にも入りやすくなるため、繰り返しは有効です。
英語のスピーチ・発表のポイント
『3つの構成にしよう!』
日本語と英語では、話しの展開や構成が少し異なります。
〜英語の場合の構成・展開について〜
スピーチでうまく伝えるためには、下記の3部構成を意識してみよう!
1.オープニング〜 introduction
「導入」
自己紹介やこれから話すテーマを伝える。
「これから〜について話します」などのフレーズを使い、聞き手を次のbodyへと誘導します。
導入に使う時間は、スピーチの10%程度が目安です。
ここで時間を使いすぎると、次の本題の時間が足りなくなってしまうので、気をつけたいところです。
2.ボディ 〜body
「本題」
スピーチの本題です。
テーマに沿った自分の意見とその根拠・理由などを、わかりやすく話します。
スピーチの80%を占める部分です。
3.クロージング 〜conclusion
「結論」
スピーチの締めになります。
スピーチの10%を占める程度です。
bodyの内容を再度確認の意味として簡潔に述べましょう。
これにより、聴衆が、理解を深められるよう、結論へ導きます。
そして、最後に、「ご静聴ありがとうございました。」などの言葉を添えるといいですね。
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「論理・表現」で得られるもの

・人前で話す楽しさとやりがいを味わえる。
・人に何かを伝える大切さを知れる。
・アウトプットを重ねていくと、英語力は格段に上達する。
・その結果、英語に対しての自信がついていく。また、英語の他の分野の上達も、さらには学習意欲全体の向上へとも、繋がる。
・人前で発表する力は、これから大人になっていくどんな段階・場においても、大いに力になる。
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まとめ
『インプット⇔アウトプットの循環』
今回は、「論理・表現」つまりアウトプットの英語勉強法についてのお話でした。
わたしが高校生の時にはまだ、このよう英語の授業は、基本的にはなかったため、大学に入り、初めて、上記のような事を、体験・学習しました。
確かに慣れるには経験が要りますが、私は、大変刺激的に感じ、また、「学んだものを自分の考えとともに他者にはっきり話すという行為」を経験して、スッキリしたのを覚えています。
つまり、今までは詰め込み作業だった孤独なインプット学習だったものが、ようやく日の目を見た!という感覚だったのです。
また、同時に知った大切な事は、「間違いを恐れなくて良い」と言うものです。
高校時代には、どうしても先生により、間違えを言うのは怖くなってしまったりしていましたが、大学という広い世界へ進んだ時に、より様々な人間が集まり、個性は魅力にもなります。そんな環境下では、英語のミスなども、個性となる訳です。
また、間違いを恐れてsilentでいるくらいなら、間違いありきでも発言・交流する方が、世界は広がると言う事です。
日本人は間違いを恐れる傾向が強く、一歩外に出れば、他国では、全く異なります。
間違える事が、いい訳ではないですが、それを理由に、意見や気持ちを相手に伝えられないというのは、本末転倒であり、また、間違いというのは起こって当たり前です。
できる限りの準備と原稿作成は必須ですが、何より相手にきちんと自分の意見を伝えられる事が目的なので、逆を言えば、多少ミスがあったりうまくできない事があったとしても、この目的が達成できれば、それは、成功になるのです。
『英語力とは別の力も活かせるのが、アウトプット!』
そして、インプットとアウトプットはそれぞれ大切で、この”循環”によって、どんどん英語力そして自信が、向上していくのです。













