「紛らわしい前置詞のtoとfor」
英語の前置詞は、もっとも使い分けの難しい項目ですよね。
多くの英語学習者が、さまざまな文法を身につけた後も尾を引くことも多い前置詞ですが、今回は中でもとりわけその区別がつきにくいtoとforの使い分けに特化して解説していきましょう。
【こんな生徒におすすめ】
・前置詞が苦手だ
・紛らわしい前置詞の使い分けができるようになりたい
・toとforの違いを知りたい
・toとforを区別できるようになる方法を教えてほしい
・前置詞の使い分けをできるようになります、英語の成績を上げたい
1. to vs for 〜使い分けのポイントとは?
基本的には、現にその違いは非常に僅かなもので、表現により内容はあまり変わらない場合が多いのです。
しかし、言葉というのは柔軟なようでいて、実は決まり文句・普通はこう言う、と言ったように、正しいまたは自然な使い方というのがあります。そしてそれは、前置詞においてはほとんどの場合、動詞など他の語句との組み合わせによりすでに使い方が決まっています。
なので、気をつけなくてはならないのは、toかforかだけに焦点を充てて学ぶのでなく、自身がこれらの前置詞を使う時に正しい方を選択できることなのです。
to / for 使い分けのポイント
◎和訳
違いはほとんどない「〜に、へ」
◎意味
二つとも、目的(地)へ向けて動く部分は共通している
では、この二つの違いは?
to「到達点」(〜に、へ)
矢印が相手・目的地に到達している、直結している
for「方向性(〜へ利益をもたらす)」(〜のために)
方向性が相手・目的に向かっている、到達はしていなく、toのような直結している感覚はない
⇒動詞やその他の語句との相性によりどちらかほぼ決まっている!
わかりやすい例文で比較してみよう!
では、実際に区別の難しい2つを意味のほとんど変わらない例で比較してみましょう。
We went to Kyoto.
The train left for Kyoto.
go to〜 →目的地へ実際に到達した
leave for〜 →目的地へ向かうが、到達したかは表していない
She gave a book to her son.
She bought a book for her son.
give A to B →toを取る動詞の場合、Bが意味的・行為的に必要な場合
buy A to B →forを取る動詞の場合、Bは意味的・行為的になくても成り立つ場合
⇒toの方が明確に到達点があり、forの方はもっと曖昧でまだ明確になってないうちに秘められた気持ちのような物なのです!
それでは次は、この二つのイメージを意識しながら、それぞれの良く使われる語句を比較してみていきましょう。
2. toを取る語句
〈toと用いられる語句〉
「toは到達点」を意識しながらよく使われる表現を見ていきます!
- I got to the top of the mountain. (〜に着く)
- The idea first came to me five years ago. (〜に来る)
- I belong to the cooking club. (〜に所属している)
- I’m writing to you in regard to the meeting. (〜に手紙を書く)
- Please send a thank-you letter to him. (〜に送る)
- He showed his album to me. (〜に見せる、しめす)
- Say hello to your family. (〜によろしく伝える)
- The man threw a ball to his dog. (〜に投げる)
- Add some water to the ingredients. (〜に加える)
- You should be kind to old people. (〜に親切にする)
- I’m married to this person. (〜と結婚している)
- For journalists, exaggeration is equal to a lie. (〜に等しい)
- Let’s dance to the music. (〜に合わせて踊る)
- Look at a woman sitting next to him. (〜の隣に)
3. forを取る語句
〈forと用いられる語句〉
「forは方向性」を意識しながらよく使われる表現を見ていきます!
- I was waiting for you at the station. (〜を待つ)
- This is the bag I have been looking for! (〜を探す)
- You didn’t ask for anything in return. (〜を求める)
- What does this stand for? (〜を表す)
- I saw her heading for the shop yesterday. (〜へ向かう)
- Why are you applying for this job? (〜に応募する)
- You need to prepare for a meeting tomorrow. (〜の準備をする)
- I went for a drink with my coworkers. (〜しに行く)
- This train is bound for Narita Airport. (〜行きである)
- We are anxious for world peace. (〜を切望している)
- My mother often makes cookies for me. (〜に作る)
- He found a seat for me. (〜に見つける)
- He paid two thousand yen for the textbook. (〜に払う)
- This question is difficult for me. (〜にとって難しい)
まとめ
今まで曖昧にしたままにしていたtoとforの違いについて、スッキリしましたか?
前置詞ひとつひとつのイメージを知ることは当然大切なのですが、それを自分の力としてきちんと使えるようにするには、具体的な実例つまり各前置詞のよく使われる語句を知ることにあります。
後者の行為がトレーニングとなり、重ねれば重ねるほど、前置詞の力は高まっていきますよ!
「紛らわしい前置詞の使い分けができるようになるには?」
⑴各前置詞のイメージを学ぶ
⑵そのイメージを意識しながら、各前置詞のよく使われる語句を沢山身に付ける
各前置詞の比較を是非楽しんでくださいね!













