今回は、”実はわかっていない人の多い『動詞の原形』”について、わかりやすく、かつ、徹底的に説明していきたいと思います。
意味は、名前の通りなのですが、実際どういう場合に使うのか?や、その定義について、良くわからないまま英語学習が進んでしまっているケースが多く、ここではその曖昧な知識を確実なものにするために、しっかりと解説していきます!
1 「動詞の原形」とは?
「動詞の原形」とは、動詞の何も変化させていない元の形のことをさします。
つまり、動詞を覚える時は、この”原形”で学びますし、辞書で調べる時も”原形”で調べます。言い換えれば、「基本形」ということです。
★そもそも、「動詞」は、「主語に合わせた形」「三単現のS」「時制」に合わせ、その形を変えて用いられます。
(例)
come (原形)
→ I come (Iに合わせた形: 変形なし)
→ He comes (Heに合わせた形 + 時制が現在形: 三単現のSがつく)
→ You came (時制が過去形: 動詞を過去形にする)
→ We will come (時制が未来形: 動詞を未来形(willをつける)にする)
→ It is comimg (時制が現在進行形: 動詞をbe + 動詞のing形にする)
→ They have come (時制が現在完了形: 動詞をhave + 動詞の過去分詞形にする)
これは、日本語のルールにはここまで厳格なものはないので、まず、英語の動詞は活用させて用いるということを、学びましょう!
2 「動詞の原形」を使う場合とは?
では、実際どのような場合に「動詞の原形」を用いるのでしょうか?
「動詞の原形」を用いる場合は、下記の4つになります。
それぞれの文法項目できちんと説明されていますので、しっかり意識して学んでいきましょう。

1.〈助動詞 + 動詞の原形〉
「助動詞」(will, can, mayなど)を用いる場合は、「動詞」は『原形』のままの形で、助動詞の後に置きます。
(例)
It will be rainy tomorrow.
You can do it.
She may come here.
2. 命令文
〈動詞の原形〜」「〜しなさい、してください」
〈Don’t + 動詞の原形〜〉「〜するな、しないでください」(否定命令文)
命令文の場合、主語はyouになるため(実際は、主語は省略されるため目に見えなくなります)、動詞の形は実質、「原形」となります。
(例)
Open the window.
Don’t close the door.
Please come here.
関連記事:【小・中学生向け】3分でよくわかる!英語基礎『動詞の種類』を完全解説!基本動詞一覧付き
3. 不定詞 (to 不定詞・原形不定詞)

「不定詞」を用いる場合、動詞の原形を用います。
「不定詞」には、下記の2種類あります。
⑴〈to + 動詞の原形〉(to不定詞)
「不定詞」と呼び、用法は文法の中で最も多いため、不定詞の項目でしっかり学びましょう。
(例)
I want to be a pianist. (名詞的用法)「〜すること」
There are a lot to visit here. (形容詞的用法)「〜すべき・・・」
He took a train to see his grandparents. (副詞的用法)「〜するために」
※副詞的用法は、たくさんあります。上記の文は「目的」の用法です。
⑵〈動詞の原形〉(原形不定詞)
「不定詞」に対して、こちらを「原形不定詞」と呼びます。用法は、とても限られていて、下記の3つの場合のみに用いられます。
共通点は、全て5文型の補語として使うということです。
❶使役動詞 + O + C (動詞の原形)
「使役動詞」(make/have/let)の補語に、「動詞の原形」を用います。
The news made me cry. (make O C 「OにCさせる」)
He had his neighbor repair the door. (have O C「OにCしてもらう」)
The teacher let the students play in the ground. (let O C「OにCさせてあげる」)
❷知覚動詞 + O + C (動詞の原形)
「知覚動詞」(see//hear/feelなど)の補語に、「動詞の原形」を用います。
We saw him cross the street. (see O C「OがCするのを見る」)
Did you hear her sing a song? (hear O C「OがCするのがきこえる」)
I felt the ground quake. (feel O C「OがCするのを感じる」)
❸help + O + C ( (to) 動詞の原形)
helpという動詞は、5文型をとれるのですが、この場合の補語に「to不定詞」または「原形不定詞」を用います。
My sister helped me (to) finish my homework.
4. 仮定法現在
仮定法現在とは、話し手の不確かな気持ちや意見を述べる仮定法の一種です。
仮定法現在には、下記の2種類あり、そのthat節内で、「動詞の原形」が用いられますが、これは本来この節内に助動詞shouldを入れるためその後の動詞が原形になる、というものになります。
⑴「提案・主張・要求・命令・決定のthat節」内では、(should) 動詞の原形を用います。
※shouldは、書いても書かなくても良い。
代表的な動詞
(提案)suggest, propose
(主張)insist, recommed(推薦)
(要求)ddmand, request
(命令)order
(決定)decide, intend(意図)
など。
(例)
I demanded that she (should) be treated properly.
He insisted that he (should) go alone.
⑵「感情・判断を表すthat節」内では、should 動詞の原形を用います。
代表的な形容詞
natural(当然の)
desirable(望ましい)
essential(不可欠な)
important(重要な)
necessary(必要な)
surprising(驚くべき)
など。
(例)
It is natural that she should say so.
It is necessary that you should apologize to her.
関連記事:【小・中学生向け】3分でよくわかる!英語基礎「be動詞」の種類と使い方徹底解説
「動詞の原形」まとめ

「動詞の原形」の事、使い方について、理解が深まりましたか?
誰にでも曖昧なままの英文法があるものです。日々の勉強の流れにおいて、それはとても当然な事なのですが、大切な試験や受験を控えている場合、その部分が足を引っ張る要因になってしまうので、曖昧なまま本番に臨むことのないよう、できる時に知識の穴を埋めておくことが、英語力を上げていくうえでとても大切です。
「動詞の形」は英文法の中で最も重要になります。時期を見て、復習で強化しておくことをお勧めします。













