
a = a = 変化の割合 = yの増加量 x÷4 ÷ 2=2
連立方程式と一次関数は、中学2年生で学ぶ数学の中でも特に大切な単元です。この2つをしっかり理解するためには、中1で学んだ「正負の数」「文字式」「方程式」などの基礎が土台になります。
もし中1のときは何となく解けていたのに、中2に入ってから急に点数が下がった…という場合は、この土台が少しグラついているのかもしれません。そんなときは、一度中1の基本的な内容を振り返ってみるとよいでしょう。数学は「積み重ねの教科」とよく言われます。基礎をしっかり理解しておくことで、新しい内容もスムーズに吸収できるようになります。
また、連立方程式や一次関数では、文章で書かれた内容を式にする力も必要になります。土台がしっかりしていないと、そうした文章題に一段と難しさを感じることもあります。
この記事では、中2数学で特に大事な「連立方程式」と「一次関数」について、基本的な問題の解き方から、文章題などの応用問題まで、段階的に解説していきます。つまずきを感じている人も、ぜひここで一緒に整理して、少しずつ「わかる!」という感覚をつかんでいきましょう。
連立方程式
連立方程式って何?
中1の数学では「方程式(一元一次方程式)」を学びました。その中で「移項」などの文字式の計算の仕方を学びましたが、覚えていますでしょうか。これが曖昧な場合は、中2の数学で学ぶ「連立方程式(二元一次方程式)」は歯が立ちません。
中1の数学では、「一元一次方程式」という、xなどの文字が1つだけ出てくる方程式を学びました。その中で「移項」や、文字式の計算の基本も学びましたが、覚えていますか?
これがあやふやなままだと、中2で出てくる「連立方程式(二元一次方程式)」を解くのはなかなか難しくなってしまいます。
そこでまずは、中1で習った一元一次方程式の解き方を、軽くおさらいしておきましょう。
たとえば、次のような方程式です。
$$3𝑥+2=8$$
この式をどうやって解いていくか、順を追って見ていきますね。
$3𝑥+2=8$
$3𝑥=8-2$ (左辺の+2を右辺に移項し-2にする)
$3𝑥=6$
$𝑥=2$
このように、中1の方程式で求めるのはxだけでした。
中2で学ぶ「連立方程式」は、求める値がxとyの2つになり、次のような形で表されます。
$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
2𝑥+𝑦=3 \\
3𝑥−2𝑦=-2
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
連立方程式は、計算の手順が増えるので、最初はちょっと難しく感じるかもしれません。文章題も複雑になってきますし、しっかりと理解していないと、途中で混乱してしまうこともあります。でも、ここをしっかりマスターすれば、定期テストはもちろん、高校入試でも大きな得点源になります。確実に点数アップにつながる単元なので、少しずつ練習していきましょう。
連立方程式の解き方には、「加減法」と「代入法」の2つの方法があります。どちらの方法でも答えは出せますが、式の形によっては「こっちの方が解きやすいな」と感じることもあります。慣れてくると、どちらの方法を使うか自分で判断できるようになりますよ。
ただし、定期テストでは「加減法で解きなさい」や「代入法を使って解きなさい」といった指定があることもあります。どちらの方法にも慣れておくと安心です。
連立方程式の解き方
(1) 加減法
加減法とは、2つの方程式を足りたり引いたりして、$y$または$x$のどちらかを消去して解く方法です。
【例題1】
2つの式を足りたり引いたりすれば、$x$か$y$のどちらか一つになる場合
$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
2𝑥+𝑦=3・・・[1] \\
3𝑥−𝑦=7・・・[2]
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
【解き方】
ステップ①
2つの式の左辺同士、右辺同士を足して$y$を消去します。
$2x+y=3$
$+)3x-y=7$
$5x = 10$
$x = 2$
よって、まずは$x=2$が求められました。
ステップ②
求めた$x$を元の式に代入しyを求めます。
[1]か[2]に$x=2$を代入し、$y$を求めていきます。
係数の小さい方が計算が楽ですので、ここでは[1]に$x=2$を代入します。
$2×2+y=3$
$4+y=3$
$y=3-4(移項)$
$y=-1$
これで、$x$と$y$の2つが求まりました。
解答欄には「$x=2 , y=-1$」と書きましょう。
【例題2】
2つの式のそれぞれのxかyの係数の絶対値が異なる場合
$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
2x-y=4 ・・・[1]\\
5x+3y=-1 ・・・[2]
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
【解き方】
単純に、2つの式を足りたり引いたりしても、xかyのどちらか一つにはなりません。
この場合は、どちらかの式の両辺を何倍かして、xかyのどちらかの係数の絶対値を合わせてから、2つの式の左辺同士、右辺同士を足してxまたはyを消去します。
■ステップ①
$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
2𝑥+𝑦=3・・・[1] \\
3𝑥−𝑦=7・・・[2]
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
6x-3y=12 ([1]の両辺を3倍) \\
5x+3y=-1
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
■ステップ②
この2式を足してyを消去します。
$6x-3y=12$
$+)5x+3y=-1$
$11x = 11$
$x = 1$
これでx=1を求めることができました。
■ステップ③
代入では係数の小さい方が計算が楽ですので、[1]に$x=1$を代入して、yの値を求めます。
$2×1-y=4$
$2-y=4$
$-y=4-2(移項)$
$-y=2$
$y=-2$
よって、答えは、「$x=1, y=-2$」となります。
(2) 代入法
代入法とは、一方の式を他方の式に代入して、xかyのどちらかを消去して解く方法です。
【例題1】
$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
2𝑥+𝑦=3・・・[1] \\
3𝑥−𝑦=7・・・[2]
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
y=3x ・・・[1] \\
5x-y=4 ・・・[2]
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
【解き方】
■ステップ①
[1]が最初からy=の形になっていますので、[1]を[2]に代入します。
$5x-(3x)=4$
$5x-3x=4$
$2x=4$
$x=2$
まずx=2を求めることができました。
■ステップ②
次に、$x=2$を[1]に代入すると、$y=3×2=6$となります。
よって、答えは、「$x=2, y=6$」です。
この例題は、片方の式がすでにy=の形になっていましたが、そうでない場合は、どちらかの式を「$y=$」か「$x=$」の形にして、他方に代入していきます。
これが代入法の重要なポイントになります。
一般的には、2つの式を見比べて、係数の小さい項を選んで、$y=$か$x=$の形にすると計算が楽になります。
多くの計算問題を解いて、さまざまな解き方のパターンに慣れていきましょう。
連立方程式の文章問題の解き方
連立方程式の応用として文章問題があります。文章問題の基礎では、求めるものをx,yとすることが多いです。そのパターンの例題を下記で解説します。
(1) 代金の問題
【例題】
1個400円のケーキと1個150円のプリンをあわせて10個買ったら、代金の合計が2500円でした。ケーキとプリンをそれぞれ何個買いましたか。
【解き方】
買ったケーキの個数、プリンの個数の2つともわからないので、ケーキの個数を$x$個、プリンの個数を$y$個とします。
まず、個数の関係をみていきましょう。
合計10個買ったので、$x+y=10$ となりますね。
次に、代金の関係です。
ケーキだけの代金は $400円 x x個=400x$に、プリンだけの代金は $150円 x y個=150y$ となり、その合計代金が2500円ですので、$400x+150y=2500$ になりますね。
よって、この連立方程式ができあがります。
$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
x+y=10 ・・・[1] \\
400x+150y=2500 ・・・[2]
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
加減法で解くと
$150x + 150y =1500 ( [1]の両辺をx150)$
$-) 400x + 150y = 2500$
$-250x = -1000$
$x = 4$
[1]に$x=4$を代入しyを求めると、$y=6$になります。
つまり、答えは「ケーキは4個、プリンは6個」です。
(2) 道のりの問題
道のり、速さ、時間の関係をおさらいしておきましょう。連立方程式の文章題でよく出題されます!
【例題】
Aさんは、家から1000m先の学校にいくのに、はじめは分速50mの速さで歩きましたが、遅刻しそうになったので、途中から、分速150mの速さで走りました。このとき、家から学校までにかかった時間は15分でした。Aさんが歩いた道のりと走った道のりは、それぞれ何mですか。
【解き方】
Aさんが歩いた道のりを$x m$、走った道のりを$y m$とします。
まず、道のりの関係をみます。
問題文の最初に「家から学校までは1000m」とあるので、
$x+y=1000$ です。
次に、時間の関係をみます。
歩いた時間は、$x m$の道のりを分速$50m$で歩いたので、$\frac{x}{50}$ 分になりますね。
同様に、走った時間は、$\frac{y}{150}$ 分になります。
この歩いた時間と走った時間の合計が15分ですので、
$\frac{x}{50} + \frac{y}{150} = 15$ という式ができあがります。
よって、この連立方程式ができあがります。
$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
x+y=1000 ・・・[1] \\
\frac{x}{50} +\frac{y}{150} = 15 ・・・[2]
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
加減法で解くと
$x + y =1000$
$-) 3x + y = 2250 ( [2]の両辺をx150)$
$-2x = -1250$
$x = 625$
[1]に$x=625$を代入し$y$を求めると、$y=375$になります。
よって、答えは「歩いた道のりは625m、走った道のりは375m」です。
一次関数
一次関数って何?
一次関数は、式でいうと「$y=ax+b$」の形をしています。
この式では、xがyの一次式で表されているので、「一次関数」と呼ばれます。ここで、$a$と$b$は定数です。具体的な数が入るので、$a$や$b$が決まると、1つの一次関数が確定します。
一次関数は、中1で学んだ「$y=ax$」の比例の式に似ていますが、ちょっと違う点は、一次関数には定数項bがあるところです。もし$b$が0の場合、$y=ax$と同じ形になります。つまり、比例式は一次関数の一種として扱えるんです。
一次関数を理解するためには、中1で学んだ比例と反比例がしっかり基礎になります。もしまだ少し理解が曖昧なところがあれば、まず比例と反比例の復習をしておくと良いでしょう。
さらに、中3では二次関数が登場します。比例や反比例から始まる一次関数の流れをしっかりマスターしておけば、次の単元にもスムーズに進めますよ
一次関数の基本式
一次関数の基本の式は「$y=ax+b$」です。
この式はしっかりと覚えておきましょう。テストで一次関数の問題が出たときには、すぐに「$y=ax+b$」と思い浮かべられるようにしておくことが大切です。
aは「傾き」または「変化の割合」です。
bは「切片(せっぺん)」と呼ばれる数です。
傾きaは、一次関数のグラフの直線がどれくらい傾いているかを表します。また、変化の割合は、xの増加に対してyがどれくらい増えるか、という割合を示します。この「傾き」と「変化の割合」は、同じものを単に言い換えただけです。
切片は、一次関数のグラフがy軸と交わる点です。つまり、座標でいうと(0,b)となります。
これらの言葉の意味をしっかり覚えておきましょう。
【例題】
- 傾きが3、切片が-2の一次関数の式は「$y=3x-2$」
- 傾きが-2、切片が7の一次関数の式は「$y=-2x+7$」
- 変化の割合が3、切片が-5の一次関数の式は「$y=3x-5$」
- 一次関数$y=-4x+3$の傾きと切片は「傾き-4、切片3」
一次関数の基本問題の解き方
一次関数の問題の代表的なものは以下のとおりです。
(1) 変化の割合を求める
(2) yの増加量を求める
(3) グラフから式を求める
(4) 2つの座標の値から直線の式を求める
(5) x軸との交点の座標を求める
(6) 変域を求める
ここからは、例題を用い、一次関数の基礎問題の解き方のポイントを解説していきます。
(1) 変化の割合を求める問題
変化の割合とは、xの増加量に対するyの増加量の割合です。
変化の割合 =$\frac{yの増加量}{xの増加量}$
ここで「増加量」という新しい用語が登場しますが、これは「2つの数字の差(引き算)」のことです。
このように、増加量は「前の数から後の数を引いた差」を意味しています。
【例題】
$xが2から6$に増加したとき、$yは-5から3$に増加したとします。この場合の変化の割合を求めよ。
【解き方】
まず$x$と$y$の増加量をそれぞれ計算します。
$xの増加量:6-2=4$
$yの増加量:3-(-5)=3+5=8$
変化の割合は、$\frac{yの増加量}{xの増加量}$
変化の割合=$\frac{8}{4}$=2 となります。
変化の割合は、グラフを書くときや直線の式を求めるときにとても大事なので、理解を深めましょう。
(2) yの増加量を求める問題
【例題】
$y=2x+4$において、$xが1から6$まで増加するときのyの増加量を求めよ。
【解き方】
$xの1から6までの増加にともない、yがどれだけ増加(変化)するかを計算します。$
$x=6の時、y=2×6+4 =12+4=16$
$x=1の時、y=2×1+4 =2+4=6$
$になりますので、yの増加量=16-6=10 となります$。
【解き方】
一次関数の基本式$「y=ax+b」$から始まります。
直線が点$(-1,6)$を通ることから、$x=-1, y=6$を「$y=ax+b」$に代入すると、
$6=a*(-1)+b$
$6=-a+b ・・・[1]$
また、直線が点$(3,-2)$を通ることから$、x=3, y=-2を「y=ax+b」$に代入すると、
$ -2=a*3+b$
$ -2=3a+b ・・・[2]$
になります。この[1][2]の二つの式を連立方程式としてaとbを求めます。
連立方程式の加減法を用いると、
$6=-a+b$
$-)-2=3a+b$
$6-(-2)=(-1-3)*a$
$8=-4a$
$a=-2$
[1]に$a=-2$を代入すると、$6=(-1)*(-2)+b$になるので、$b=4$
よって、求める直線の式は、$y=-2x+4 $となります。
(3) グラフから式を求める問題
【例題】
$x軸との交点(-2,0)と、y軸との交点(0,4)を直線で結ぶ式を求めよ。$
【解き方】
$一次関数の基本式「y = ax + b」を思い出しましょう。$
$今回求めたい直線の式も、この形になります。あとは、a(傾き)とb(切片)の値を求めればOKです。$
$まず切片bは、y軸との交点を見ればわかります。今回のy軸との交点は(0, 4)なので、b = 4 です。$
つまり、この時点で式は、
$$y = ax + 4 ・・・[1]$$
になります。
次に、傾きを求めます。
$グラフを見ると、x軸との交点は(-2, 0)なので、xは -2 から 0 に増えた、つまり xの増加量は 2になります。それに対して、yは 0 から 4 に増えたので、yの増加量は 4です。$
したがって、変化の割合(傾き)a は、
(4) 2つの座標の値から直線の式を求める問題
これは一次関数式「y=ax+b」をもとに、連立方程式を使って求める問題です。
連立方程式の理解が不十分に感じる場合は、前に戻って復習してみてください。
【例題】
2点(-1, 6)と(3, -2)を通る直線の式を求めよ。
【解き方】
一次関数の基本式「y=ax+b」から始まります。
直線が点(-1,6)を通ることから、x=-1, y=6を「y=ax+b」に代入すると、
6=a*(-1)+b
6=-a+b・・・[1]
また、直線が点(3,-2)を通ることから、x=3, y=-2を「y=ax+b」に代入すると、
-2=a*3+b
-2=3a+b・・・[2]
になります。この[1][2]の二つの式を連立方程式としてaとbを求めます。
連立方程式の加減法を用いると、
6=-a+b
-) -2=3a+b
6-(-2)=(-1-3)*a
8=-4a
a=-2
[1]にa=-2を代入すると、6=(-1)*(-2)+bになるので、b=4
よって、求める直線の式は、y=-2x+4 となります。
(5) 直線がx軸と交わる点(x軸との交点)の座標を求める問題
【例題】
一次関数$y=3x+6$のx軸との交点の座標を求めよ。
【解き方】
x軸の交点とは、yが0の座標を指します。
この問題では、$y=3x+6$のyのところに、$y=0$を代入して得られるxの値が、x軸との交点のxの値ということになります。
y=0を代入すると、$0=3x+6$となりますので、x=-2が求められます。
yは最初から0ですので、答えは(-2,0)となります。
座標での答え方も一緒に覚えておいてください。ケアレスミスが出やすいところです。
(6) 変域を求める問題
【例題】
一次関数$y=4x+5$ において、yの変域が$13≦y≦45$とすると、この場合のxの変域を求めよ。
【解き方】
変域は、xやyの値の範囲のことです。中1の比例・反比例でも出てきていますのでおさらいしておきましょう。
ここでは、yの変域として、yは13以上で45以下という範囲が示されています。
yの最小値13の時のxの値は、$13=4x+5$より、$x=2$
yの最大値45の時のxの値は、$45=4x+5$より、$x=10$
となるので、求めるxの変域は「$2≦x≦10$」となります。
一次関数の文章問題の解き方
一次関数の応用は文章問題として出題されます。文章問題は、問題文に書かれていることを数式に置き換えることが大事なポイントになります。
代表的な文章題を紹介しますので、コツを掴んでください。
(1) 水槽の問題
【例題】
50リットルで満タンになる水槽があります。この水槽には、5リットルの水がすでに入っています。ここに毎分2リットルずつ水を入れていきます。水を入れ始めてからx分後の水槽の水の量をyリットルとして、yをxの式で表しなさい。
【解き方】
まず、一次関数の基本式「$y=ax+b$」を思い出しましょう。
水槽の水の変化の割合がaになり、最初に入っていた水の量がbになります。
言い換えると、最初にbリットルが入っていた水槽に、aの割合(変化の割合)で水を入れていった時の水の量がyになるわけです。
問題文を当てはめて考えてみましょう。
「毎分2リットルずつ水を入れる」ということは、水は「1分あたり2リットル増加」することですので、変化の割合$a=frac{2リットル}{1分}=2$になります。
「5リットルの水がすでに入っています」ということは「$x分=0の時に、y=5リットルある$」ということですので、b=5となります。
よって、$a=2, b=5$を$y=ax+b$に入れると、答えは「$y=2x+5$」となります。
(2)動く点Pの問題
動く点Pの問題は、中学生の数学でつまずきやすいところです。ようやくx,yに慣れてきたところに新たにPが加わり、さらにそれが「動く」ということで、頭の中が整理できずに苦手意識だけが残ってしまうのですが、落ち着いて、問題文の意味することを一つひとつ数式で表すコツを身につけていけば大丈夫です。
【例題】
ABが3cm、BCが6cmの長方形ABCDがあります。この四角形ABCD上に点Pがあり、点PはAを出発してB→C→Dと動きます。点PがAから$x [cm]$動いた時の△APDの面積を$y [cm2]$とします。点Pが辺AB上にあるとき、yをxの式で表しなさい。またこの時のxの変域を答えなさい。
【解き方】
三角形の面積の公式「1/2 x 底辺 x 高さ」を思い出しましょう。
点PがAB上にある時は、$AP=x [cm]、AD=6 [cm]になるので、
△APDの面積 $y=1/2 x x x 6 = 3x$ と表すことができます。
また、この時のxの変域は、点PはAからBの3cmが動くだけなので、0≦x≦3となります。
よって「$y=3x、0≦x≦3$」が答えになります。
ここで使用したのは、三角形の面積の公式だけです。動く点Pは練習問題を多く解いて慣れていきましょう。
まとめ
連立方程式と一次関数は、中学2年生の数学の中でもひとつの山場と言える単元です。数学は積み重ねの教科なので、これらを理解するには、中1で学んだ内容がしっかり身についていることが大切です。わからないまま先に進まず、必要に応じて前の学年の内容を見直すことも大切にしていきましょう。
まず「連立方程式」では、xとyという2つの文字の値を求めることになります。解き方には「加減法」と「代入法」の2種類がありますが、どちらも使えるようになっておくと安心です。解き方のパターンを覚えたら、練習問題を繰り返して、しっかり身につけていきましょう。
一方、「一次関数」は「$y = ax + b$」の形で表される関数です。この式の形はとても大事なので、しっかり覚えておきましょう。グラフにすると直線になる、という特徴もポイントです。一次関数の問題には、連立方程式を使って解くもの、グラフから情報を読み取るもの、文章を式にするものなど、いろいろなパターンがあります。それぞれのタイプに慣れるためにも、パターンごとに問題練習をしていくのがおすすめです。
もし、自分で問題を解いていて「なんとなくわかったつもり」で終わってしまったり、「なぜこの答えになるのか」がモヤモヤしたままだったりする場合は、誰かに相談してみるのも一つの方法です。学校の先生や友達に聞いてみるのはもちろん、必要に応じて家庭教師など専門のサポートを受けてみるのもよいでしょう。特に文章題は、答えだけ見てもなかなか理解しにくいことが多いので、「なぜそうなるのか」を丁寧に説明してもらえると、大きな助けになります。