『英語は、入試の合否の鍵を握る教科』
いきなりですが、上記のことをよく覚えていてください。まず入試対策の大前提ですが、それぞれの科目の勉強を合格ラインまで身につけることが必要になります。
その中でも得意・不得意が顕著に現れる科目が「英語」です。これは言い換えると「英語」をいかに得点源にできるかが高校入試の合否を左右するということになります。
『英語の点をあげるには、時間がかかる』
このように、差の出やすいかつ最重要とも言える「英語」なのですが、実は、全ての教科の中で最も成績を上げるのに時間がかかるということが、はっきりしています。これはどういうことなのかと言うと、勉強しても身に付きにくい、勉強しても成果が出にくい、と言う意味ではありません。
英語というのは、「言語」のため、他の教科と異なり、『総合的な知識』が必要になります。日本語を私たちは生まれてから日々積み重ねてきたように、「英語は知識の積み重ね」なのです。例えば、仮定法をマスターしたからと言って英語が一気にできるようになりませんよね。
なので、今回取り上げる「高校入試のために覚えておくべき英文法」の勉強も、時間的な余裕を持って取り組んでください。後半くらいから、目に見えて点数にもその成果が反映されていき、その後は、当然勉強を続けていればうなぎ上りに伸びていきます。
【こんな生徒におすすめ】
・中学1・2年のうちに、高校入試に向けて、英語の対策を始めたい
・英語が苦手になり、高校入試のために取り組むべく英文法を教えてほしい
・中3になり、英語の入試対策をしっかり進めたい
関連記事:【高校入試 直前】受験会場の下見では何する?絶対チェックすべきポイント3選
【高校入試 英語対策】教材選びと学習スケジュール

英文法は、英文を読めるようになるための必須項目!
特に、長文読解では、習ったあらゆる英文法の知識をフル活用してやっと読めるというものです。英文法は最優先で勉強しましょう。
『英文法の問題集で、総復習しよう!』
Q. どの教材をやればいいの?
Q. いつ、何をすればいいの?
英文法の高校入試対策のための教材とスケジュールを、決めていこう!
高校入試の英語対策スケジュールと教材
①夏休み前までに、中学1年・2年の英文法の復習
中3になったら高校入試を意識しましょう。
夏休み前後で、スイッチを切り替えていきます。夏休み前までに、下準備としてこれまでの英文法を総復習しておいてください。
②夏休みに、中学3年の英文法の復習、定着
夏休みに本番開始のスイッチをオンにします。この時期に、中3で学ぶ英文法の予習・復習をしましょう。この時期は、「定着」を目指しますので、単元ごとに勉強して、一つ一つしっかり理解して覚えておきます。
③夏以降、全ての英文法の単元の総復習、過去問、入試対策問題集を解いて、総仕上げ
夏休み明けからは、本番を意識して勉強に取り組みます。
この時期には、まず、「過去問」に取り組み、傾向を掴みましょう。そのあと、「英文法総復習」へ取り掛かります。ここでは、単元ごとだけでなく、さまざまな文法が混ざっている総合問題へ移行していきます。実際の試験では、何の文法か分からず全てが混同されて出題されますし、また、長文は、あらゆる文法か使われていますので、「総合的に身についていること」が必要だからです。
「総仕上げ」として、次は「入試対策問題」をできる限りこなして、本番に備えていきましょう。
関連記事:【高校受験対策】過去問にはいつから取り組む?上手な過去問の活用方法
入試対策Q&A

Q. 具体的にどのように進めたらいいですか?
①学校の問題集やその他の問題集を解いて、参考書の解説を読み理解して、各英文法の基礎力を固める。
②過去問・入試対策問題集を解いて、各英文法の応用力を高めていく。
③自分だけでは不安要素がある場合は、家庭教師や塾、学校の補習などで、しっかりとフォローしてもらう。
「わからなかった箇所の見直しがポイントになってきます」
Q. なぜ、過去問を解く必要があるのですか?
傾向を知って、学習計画を立てなくてはならないからです。傾向というのは、レベルと問題形式と内容。また、大切なのは「時間内に終えられること」。冬休みからは、時間配分を意識して取り組みましょう。
高校入試の英語で覚えておくべき必須文法8つ

高校入試で得点を取るための必須英文法は以下の8つ!しっかり身に着けておきましょう!
1.時制(現在形、現在進行形、過去形、過去進行形、未来形、現在完了形)
ポイント: それぞれの違いを明確に理解しておくように!
「時制」というのは、動詞の形を「時」に合わせて変えて表すものです。中学英語で学ぶ時制は多くありません。自分が難しいと感じる時制(+特に現在完了形)は重点的に勉強するようにしましょう。
〈現在・過去・未来形〉
I play basketball. She plays basketball.
I played basketball yesterday.
I will/am going to play basketball tomorrow.
〈現在進行形・過去進行形〉
I am running in the park.
I was running in the park.
〈現在完了形〉
I have already finished my homework.
I have been to Australia twice.
I have lived here for three years.
→「現在形」
:よくある注意点として、『三単現のS』を確認し忘れて、そのままの形で書いてしまうというのがあります。現在形だからといって、全てそのまま書けばいい訳ではありませんね。
主語をきちんとみて、それに合わせて動詞を活用させましょう!
→「過去形」
:過去形には、(e)dを付ける『規則変化』のものと、独自の活用の『不規則変化』がありましたね。特に、後者は、不規則変化表を利用して正確に覚えてきちんと書ける様にしっかり覚えておきましょう!
→「未来形」
:未来形には、willとbe going toの二つあります。この二つを、書き換えられるようにしておきます。
→「現在進行形」
:「〜しているところだ」という意味にする時、〈be動詞 + 動詞のing〉という形で表します。よくある注意点として、動詞のingだけを書いてしまうというのがあります。be動詞がまず先に必要なので、セットで使いましょう。
→「過去進行形」
:「〜しているところだった」という意味にする時に、be動詞を過去形にします。よって、〈was/were + 動詞のing〉という形になります。
→「現在完了形」
:現在完了形は、〈have/has+動詞の過去分詞形〉です。ここでの重要ポイントは、動詞の過去分詞の形をしっかり身につけておくこと。
また、現在完了形には、「完了・経験・継続」の3つの用法があります。
見分け方のポイント
(完了) :already, yet, just
(経験) :once, twice, many timesなどの、回数を表す表現とともに使われている
(継続) :since, for
また、notの位置にも注意しましょう。〈have not 動詞の過去分詞形〉
また、過去形と現在完了形の区別もできるように!
関連記事:面白いほどわかる!中学英語で押さえるべき6つの時制を総まとめ!
2.助動詞(will, can, may, must)

ポイント:〈助動詞 + 動詞の原形〉動詞は、原形のままで使われる!
特におさえておくべきwill、can、may、mustの意味の違いを覚えておきましょう。
I can speak English.「〜できる」
I will go to the park.「〜する予定だ」
You may come here.「〜してもよい」
You must go there.「〜しなければならない」
関連記事:【覚えるだけで助動詞上級者に!①】
3.受動態
ポイント: 動詞の過去分詞の形をしっかり覚える!
「主語が〜される」という受け身の表現〈be + 動詞の過去分詞 (+by〜)〉
Spanish is spoken in this country.
This box was made by my father.
関連記事:受験生必見!「原因・理由」の前置詞(句)の使い分け一覧で英語上級者へ!
4.比較級・最上級
ポイント: 単語により、-er/-estタイプなのか、more/mostタイプなのかを、覚える!
形容詞・副詞の語尾を下記のように変えることで、表します。
比較級:「・・・より」語尾に-erをつける / 単語の前にmoreをつける
最上級:「・・・の中で1番〜」語尾に-estをつける(形容詞にはtheもつけます) / 単語の前にmostをつける
She is taller than her sister.
She is the tallest in the class.
This is more difficult than that.
This is the most difficult of all.
関連記事:今すぐ実践!成績が2ランクアップする中学英語の比較級・最上級の完全ガイド!
5.It is 〜 (for 人)to doの構文
これは、「不定詞」の重要な構文です。出題されやすいため、しっかりおさえておきましょう。
ポイント: Itを「それは」と訳さないこと!
この構文の主語はItでなく、to do(to不定詞)だということです。
主語が長いので、形式主語として先にItを置き、最後に真主語のto doを置きます
Itをそれは〜と訳さないように気をつけてください。
誰がその行為をするのか書く場合、for〜として、中に入れます。
It is dangerous (for me) to climb the mountain.
「(私が、私にとって)その山に登ることは危険です。」
もう1つのポイント: forではなくofの場合があることもおさえておこう!
〜の部分が「人の性質の形容詞」の場合は、forでなくofになるのでしっかり確認しておくことです。
It is kind of you to say so.
「そんなふうに言ってくれるなんて、あなたは優しいです。」
関連記事:プロ家庭教師が教える中学英語「不定詞・動名詞」の勉強のコツ!
6.間接疑問文

ポイント: 〈疑問詞 + 主語 + 動詞〉の順序!
普通の疑問文は主語が倒置されますよね。しかし、間接疑問文というのは、別の文の一部になっている疑問文なので、「倒置はしない」のです。なので、並べ替えや書き換え問題で、その語順に気をつけましょう!
Where is he?
Do you know where he is?
7.関係代名詞
※英文法のうち最も難しいと思われる単元です。大抵は、二つの文を関係代名詞で一つの文に書き換えるというものになりますので、問題量をこなして、慣れておきましょう!
ポイント: who, whom, which, thatの使い分けをできるようにしておくこと!
格変化(主格・目的格)の違いも、確認しておきましょう。
また、thatはどの場合も使えます。
目的格は、省略できます。
・主格の後には、動詞が来ている。
・目的格の後には、主語が来ている
I have a friend who (=that) speaks French. (人・主格)
He is the man (whom=that) I met at the station. (人・目的格)
This is a car which (=that)was made in Germany. (もの・主格)
This is a book (which=that)I bought yesterday. (もの・目的格)
関連記事:カンマの有無で意味が180°変わってしまう!関係代名詞の基本徹底解説!
8.仮定法

中学で学ぶ仮定法は、難解なものはありませんので、形と訳し方、そして問題パターンを把握しておけば大丈夫でしょう。
〈If S Vの過去形, S 助動詞の過去形(would, couldなど) + 動詞の原形〉
If I knew it, I would tell it to him.
ポイント: 仮定法の場合、If節のbe動詞は、wereを用いよう!
If I were you, I wouldn’t say such a thing.
もう1つのポイント: 仮定法の慣用表現もおさえておくこと!
I wish 〜「〜ならいいのになあ」:動詞は過去形になる
I am sorry that I can’t play the guitar well.
=I wish I could play the guitar well.
関連記事:【1番わかりやすく教えます!10分の仮定法教科書】
英文法以外の英語の勉強
英文法以外の高校入試対策も、並行して進めていきます。
単語
中学英語で学ぶ英単語は大体2500、 英検三級でが3000になります。
長文を読めるようになる為に、また、文法問題を正しく解く為に、単語の勉強は最も必要です。
長文
長文読解は、配点が最も高く、差をつけるのは長文読解力です。
読み慣れをしておかなければ、きちんと読めません。特に冬休みからは、たくさんの長文読解に取り組んで、場慣れしておくことです。
リスニング

今までより配点が高くなっている傾向があります。中学英語のリスニングは難しくはありませんが、英文法・単語の知識がないと英文は読めません。読めないものは、リスニングになれば全く聞き取れませんので、英文法と単語の勉強を先に済ませておくことか大切です。これも長文と同様「場慣れ」をしておく必要があります。
関連記事:今すぐアクション!リスニング問題対策法 – 脱 聞きとれないのススメ-
4 受験直前は何をする?
冬休みまでは、上記の通りコツコツ進めましょう。直前では、冬休みまでにやり終えたものの中から、出来なかった箇所の再確認をします。また、今回取り上げている「高校入試で覚えておくべき英文法」の単元の見直しも、おすすめです。
そして、過去問対策として「時間配分」も意識して、目安を決めて時間内に解けるように準備しておきましょう!
関連記事:志望校選びの落とし穴を回避せよ!志望校選びの失敗を防ぐ後悔ゼロの高校・大学選択の極意
高校受験 英語 勉強法まとめ

中学英語で学ぶ英文法は、限られているため、全てを網羅することは大切です。
最初から、今回挙げた英文法だけを身につけようとすることは避けてください。高校生になれば、中学英文法を全て把握している事を前提に、新たに多くの新しい英文法を学んでいくことになります。当然、今度は大学入試のためにそれらは必要な知識になりますよね。
そのことを踏まえた上で、高校入試で望ましい結果を得るために、今回の英文法の強化に取り組んでいきましょう!













