勉強が好きになる子供の育て方Ⅱ(数学・理科編) 家族の時間で数学と理科への関心を育もう!

ご挨拶

皆さんこんにちは、Takkiです。前回の記事では社会が好きになる子供の育て方にフォーカスした記事を書かせていただきました。今回は数学と理科にフォーカスしてお話ししたいと思います。
ここ数年、家庭教師をしていて思うのは、「数字・自然現象・物理現象は、教科書の中だけで起きる現象じゃないんだよ!」ということです。なんだか難しい感じがする数学と理科。特に数直線やマイナスの概念や、割合、物理分野で躓いている生徒さんが多いです。そんな生徒さんと親御さんに向けて、「数学と理科に親しみを持ち、感覚で理解することの大切さ」のお話をしながら、「数学と理科がよく分かり、好きになる子供の育て方」をお話しします。

数学と理科に親しみを持つには?

理数科目に興味のある中学生

まず、数学と理科に親しみを持つためには、その教科が子供の実体験・実生活と繋がることが必要だと考えています。新しく習った概念が全く馴染みがないものだと、「なんだかよくわからない」、「興味がない」、「難しそうで嫌だ」というように敬遠してしまいます。

しかし、「特に数学は大人になってから使わない!」とよく言われていることから、実生活と繋げることが難しそうだと思う方はたくさんいらっしゃると思います。いやいや、そんなことはありません。確かに繋げにくい部分もあるかもしれませんが、基本的な内容が実体験・実生活とつながることが積み重なり、教科に親しみを持てるようになると思います。以下では、生徒さんたちがよくつまづくポイントに焦点を当て、家庭教師の経験から具体例をお話しします。

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具体例① 負の数

負の数って何?

かなり多くの生徒さんが、負の数という概念に出会った際につまづいています。そのような生徒さんの共通点は、負の数の大小がよくわからないということです。例えば、-1と-5はどちらが大きい?という問題です。5は1より大きいので直感的に-5のほうが大きいと考えてしまいます。
この場合には、一般的には数直線を書いて解説をします。しかし、数直線という教えるツールそれ自体も生徒さんにとっては馴染みがないです。

直線という教えるツール

数直線を用いた解説

しかし、そういった場合に私は、「10度と40度、どっちが暑い?」という質問をします。そうすると、元気よく「40度!」と答えてくれます。そして、数が大きくなればなるほど暑いことを伝えた上で、「では、-1度と-5度はどっちが暑い?」と質問します。すると多くの生徒さんが、日々の体験に基づいて-1度と答えてくれます。このように、日々の体験から負の数という概念を説明すると、生徒さんの顔はとても明るくなります。

-5度のスキー場でまつ毛凍った

「-5度のスキー場でまつ毛凍ったよ!」というと、生徒さんはびっくりしてくれます。

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具体例② 割合

スーパーの棚

割合は、多くの生徒さんを混乱させます。なぜなら、日常でその概念に出会わないからです。しかし、実際は日常で変数や割合を使うタイミングはたくさんあります。
例えば、スーパーや洋服屋に行くと、◯割引・◯%OFFという表現がたくさんありますよね。家族で出かけた際に、「これは何円になるかな?」と問いかけたり、「◯%OFFのこの商品と、◯割引のあの商品はどっちが安いと思う?」と声をかけることを積み重ねることで子供たちは日々の体験の中で問題演習を積み重ねます。すると、学校で習う時には、「よくわかる概念」として学習できます。

バンコクのアウトレットの割引

生徒さんにはバンコクのアウトレットの割引がえげつないというお話をします。

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具体例③ 体積・浮力


水に浮かぶ木

理科の物理分野は概念の理解が難しく、多くの生徒さんから質問を受けます。彼らの共通点としては、浮力とは何か、体積とは何か、それらの概念と起こる事象の関係性は何かがピンとこないからです。それらを感覚で理解する上で、やはり体験は大切です。これについては私の体験をもとにお話しします。
私は幼少期、家族と風呂に入っていました。そこで、一人で入るより母と入った方が水かさが増える。父と入ったら水が溢れて勿体無い。という法則を毎日の積み重ねで理解しました。さらに、水にスポンジは浮かぶが石鹸は沈むなど、モノの中には浮かぶものと沈むものがあることを体験的に理解しました。
これにより、学校でその概念を習った際に、「私が体験してきたことと同じことを言っている!」、「体験の中で考えたことは正しかったんだ!」と感じ、理科に親しみを感じました。

プールのビート板

プールのビート板を沈めて手を離す話は世代を超えて共通の話題になりました笑(こちらは金沢の21世紀美術館の展示です。)

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まとめ

体験を通して数学に興味のわいてきた男子生徒

いかがでしたか。子供は体験を通してその概念、教科に親しみを感じます。もちろん体験があれば全てを理解できるわけではありませんのでその体験を、より難しい教科の学習内容と繋げる作業が必要になります。それを生徒さん自身によってできれば言うことはありませんが、それはなかなか難しいです。そこについては、我々家庭教師が担当しますのでお任せください。
しかし、日々の体験の蓄積は、家庭教師が担える部分ではありません。そのためご家族の時間を通してさまざまな体験や声かけをしてくださると、子どもにとって教科がより親しみのあるものへと変化していくと思われます。ご家庭と家庭教師が連携して、勉強が好きなお子様を育てましょう!