【個別指導塾と家庭教師の違い】授業システム編② 授業の進め方の違い

少しずつ春の陽気を感じることも増えてきたのではないでしょうか。
さて、前回のコラム(【個別指導塾と家庭教師の違い】授業システム編①)では講師と生徒の比率の違いが、実際の授業の中でどのような違いになるのかを見ていきました。
今回は個別指導塾と家庭教師の違いの授業システムについての第2弾になります。
第2弾の内容は「授業の進め方の違い」について見ていきましょう。

個別指導塾と家庭教師との授業の進め方の違い

個別指導塾の授業の進め方

個別指導塾では、ある程度お子様のペースや理解度に合わせた授業もできるのですが、大まかに授業進度や内容が設定されています。そのため、お子様自身が自分の理解度や進度に合わない場合には、個別指導塾に通っていても十分に理解できない場合があります。
また、他の生徒と一緒に授業を受けることで、他の生徒の質問に時間を割かれたり、お子様自身が質問したいことが聞けなかったりすることがあります。

家庭教師の授業の進め方

一方、家庭教師の場合、生徒一人ひとりの状況に合わせて、授業内容や進度を調整することができます。具体的には、生徒の学力や理解度、学習スタイル、進路などを考慮し、生徒が苦手な科目や分野に集中的に取り組んだり、自分のペースで学習を進めたりすることができます。また、家庭教師と生徒とのコミュニケーションが密であるため、講師が生徒の疑問や質問にもすぐに対応することができます。
さらに、家庭教師は生徒の自宅で授業を行うため、生徒の環境に合わせた授業を行うことができます。例えば、生徒が自分の部屋で学習するのが好きな場合には、その部屋で授業を行うことができます。また、生徒の身体的な問題(例えば、身体が不自由な場合や、集中力が続かない場合)にも対応することができます。

授業の進め方の違いの具体例

ではここで具体例を見てみましょう。
中学校3年生のAさん、Bさんがいたとします。どちらも数学の二次関数の単元が苦手。
そこでAさんは個別指導塾、Bさんは家庭教師を利用することにしました。

Aさん(個別指導塾)

Aさんが入塾したのは先生1人に生徒2人の個別指導塾。もちろん先生に授業を受けている時は分からない所を聞くことができます。ただ、個別指導塾で習うことができるのは基本的にはお子様が入塾した時点での授業内容から。
中学3年生で入塾したのなら、3年生で習う二次関数の内容について分からない部分は先生に聞いて詳しく教えてもらうこともできます。
しかし、もしAさんが二次関数が出来ない理由が中学校2年生で習う一次関数の理解不足にあったとしても、そこまで戻って指導を受けることは個別指導塾では難しくなります。

Bさん(家庭教師)

個別指導塾と比べると、家庭教師はお子様の学年に関わらず、わからないところをどこまでもさかのぼって学び直すことができる「戻り学習」ができることが特長のひとつ。
戻り学習は、お子様がまだ完全に理解していないまたは不十分な単元に戻り、再び学び直すことから始めていきます。これによってお子様は、最初に学習した単元に対して深い理解を持つことができ、続く単元に進む前に、以前に学んだことを念入りに復習することができます。
Bさんの場合、二次関数そのものの解き方はもちろんのこと、それでも分からなければ一次関数といったように分からない所までBさんの学年(中学校3年生)に捉われずに中学校2年生、中学校1年生、更には小学生と理解が不十分な単元について、どこまでもさかのぼって学び直すことが可能です。

お子様の苦手対策にはどちらが向いている?

現在、中学生の苦手な科目の一位が数学、二位が英語だと言われています。この2つに共通するのは、どちらも基礎の上に関連する単元が積み上がっていく科目(系統科目)だということです。
例えば先ほどの数学でもそうですが、英語でも中学校3年生で習う現在完了進行形も中学校2年生で習う現在完了形が身についていなければ理解が難しくなります。
これまでの内容を見た上で、このような英語や数学を苦手に感じているお子様に向いている授業の進め方を行っているのは個別指導塾、家庭教師、どちらでしょうか。
どちらのホームページを見ても【お子様の理解度、ペースに合わせた授業】をうたっているケースがほとんどだと思います。

ただ、これまでに見てきたように

・個別指導塾では基本的に入塾した時点からの授業内容
・家庭教師は入塾時点の学年や学期に関わらず基礎まで戻れる

以上が個別指導塾と家庭教師の授業の進め方の上での大きな違いだといえます。

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