【高校英語 新課程】「論理・表現」完全攻略5つの秘策

平成30年の文部科学省が公示した新しい学習指導要領に基づき、各教育機関での外国語教育は段階的な変革が行われています。

2022年度より、高校英語の科目が再編され、「英語コミュニケーション」と「論理・表現」の2科目が新設されました。これまでの「コミュニケーション英語」「英語表現」がそれぞれ「英語コミュニケーション」「論理・表現」に代わり、「英語会話」は廃止になりました。

新設された2科目の目的とは?
英語を使いこなすための4技能「読む」「聞く」「話す」「書く」を、バランス良く伸ばすこと。
グローバル化の進展を背景に、「英語コミュニケーション」においては「話す」技能を『やり取り』『発表』に細分化し、「論理・表現」においては「話す」「書く」という発信力強化を図ることを目的としています。
これにより、これまでより実践的で4技能のバランスの取れたレベルの高い英語力を養う事ができると言うものです。

ここでは、「論理・表現」の目的・授業内容・勉強法・テスト対策まで、詳しく解説していきましょう!

【こんな生徒におすすめ】
・新設の「論理・表現」の目的や授業内容を知りたい
・「論理・表現」の具体的な活動や勉強・テストについて知りたい

1. 論理・表現の目的

2022新設 高校英語「論理・表現」とは

「論理・表現」の目的・目標とは?

「論理・表現」は、「英語表現」に代わり新設されました。
ここでは、「英語コミュニケーション」の5領域のなかでも特に「話す(やり取り)」「話す(発表)」「書く」の3領域のアウトプットの力を強化する事が目標となっています。アウトプット型の言語活動を通して、英語での発信力強化を図ります。

具体的な変更部分とは?

語彙・文法などの学んだ知識を活用して、実際に使える能力にする部分は変わっていませんが、さらに、論理の構成や展開・効果的な表現を使用しながら、「論理的に表現する能力」の育成により焦点が当てられるようになりました。

「英語コミュニケーション」と「論理・表現」の違いは?

「英語コミュニケーション」では、日常的な問題・社会問題を扱いながら、総合的な言語活動を行う事に重点が置かれています。それに対して、「論理・表現」では、スピーチ・プレゼンテーション・ディベート・ディスカッションを通して、発信を実際に行います。

関連記事:【高校英語】「英語コミュニケーション」「 論理・表現」とは?すぐわかる内容・勉強法を紹介!

2. 論理・表現の授業内容

英語「論理・表現」を学ぶ高校生

具体的な内容とは?

「論理・表現 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」
このように段階的に組まれています。
「英文法」を学びながら、英語で話したり書いたりします。段階的に、レベルが上がり、扱う内容も難解なものへ移ります。

スピーチ・プレゼンテーション・ディベート・ディスカッション・一つの段落の文章を書くなどの活動を通して、「英語での発信力強化」を図ります。
また、原因・理由を挙げながらうまく結果に結びつけていき、そのなかで具体的な例を出して組み立てていく「パラグラフ・リーディング」についても学んでいきます。

①「話す(やり取り)」技能

考え・気持ちを伝え合い、必要な情報をやりとりを通して得る活動をします。ディベート・ディスカッションでは、優れている点・改善点・意見・主張について、理由・根拠を混ぜて話し合います。

②「話す(発表)」技能

スピーチ・プレゼンテーションを行います。考え・気持ちを、理由・根拠とともに伝えられる力を養います。また、質疑応答・意見交換なども行います。

③「書く」技能

自分の考え・気持ちを、適切な理由・根拠を添えて、英語で論理的に書く力を養います。段階が進むにつれて、英語の長文を書く力も身に付けていきます。

関連記事:【高校英語 新課程】「英語コミュニケーション」完全攻略7つの秘策

3. 論理・表現の勉強法・テスト対策

英語「論理・表現」のテキストのイメージ

出題内容

「文法問題」をメインとした「英作文問題」になります。
英作文をベースに、選択問題、空所補充問題、並べ替え問題、完全記述問題などの問題形式として、出題。

勉強法・テスト対策

文法重視の英作文問題
文法・教科書など授業で扱った英文・例文を徹底して覚え、問題演習で特訓を重ね、英作文ができる状態まで仕上げることで、さまざまな問題形式に対応できる力がつき、高得点を狙えます。

①単語・文法などの基本事項を徹底的に復習

「単語」
スペルから、発音・意味・品詞まですぐ言えるように仕上げましょう。
また、さらに意味から、スペルがわかるように、英作文目線でも身につける事。
「文法」
テスト範囲の各課の文法のポイントを例文とともに、しっかり理解・覚えましょう。例文とともに身に付けると、英作文の力になります。

②文法例文の暗記

テスト範囲の英文・例文を、英訳⇔和訳の相互から解ける力をつけること。
つまり、例文ごと覚えてしまうということです。この方法で身に付けると、どんな問題形式が出ても、解けるようになります。

③和訳⇒英訳の練習

「論理・表現」では発信力を身につけるための英文になっており、英語で話せたり書けたりする力を問う問題が出ますので、教科書に出てくる例文中心に、英文を描けるようにしておくことがポイントです。そうすることで、空所補充問題や並べ替え問題などは、容易に解けるようになります。

④問題集を活用

学校から配られている問題集・副教材などを、完璧にする。
間違えた箇所を、必ずチェックし、やり直しを重ねることでテスト前にはミスがなくなるようにします。また、闇雲に答えを覚えるのでなく、自分が本当にわかっているか、間違えた場合はなぜ間違えたのか、など、考えながら解きます。そうする事で、応用問題・初見問題にも、対応できる実力になります。

⑤復習は早め早めに

このように「論理・表現」は、文法と英文の完全な暗記をする勉強法で身につけていくものになるため、直前の詰め込み勉強では不可能です。
また、テストで高得点を取るだけでなく、入試においてもそのまま発揮できるようにするためにも、その場しのぎの暗記では記憶には繋がらないので、実力として身につける必要がありますね。
普段から復習を重ねる事で、暗記したものが定着し、記憶として揺るがない知識へ成長します。テスト前だけでなく、復習は早くから習慣にしておきましょう。

「論理・表現」完全攻略まとめ

英語でハキハキと話す学生

これまでは、日本の英語教育は書物を理解するための「読む」力が大切でした。しかし、時が流れ技術の進歩などと合わせ少しずつ世界は変化していき、現在は、世界各国へ発信するための「コミュニケーション」力が重視されるようになりました。
「論理・表現」は、特に英語による発信力強化が目標とされていますが、そのためには英語の基本である語彙・文法力が欠かせません。
これまでよりも、授業内容は難しいものになっていますし、学習語数も増えて各課のボリュームもありますので、復習がより一層大切になりますね。
授業中にはしっかり集中して取り組み、ポイントとなる部分をマークしながら、その後の復習作業がしやすくなるように意識してみましょう!