≪5分でマスター≫ 中学英語の仮定法は3パターンだけで理解できる!

中学で習う英語の仮定法に、とまどっている生徒が多いようです。そもそも「仮定する」というのは、どういう意味なのか?まずそこから考えてみましょう。
最近では、最初の訪米で石破総理がアメリカの記者に「関税かけられたらどうしますか?」と聞かれ、「仮定の質問にはお答えできません」と言ったのは印象的でしたね。まだ関税をかけられていないころでしたから、仮定の話なんです。

仮定とは、現実にはまだ起こっていないこと、または起こるはずがないことを想像してみることです。たとえば、「お金があったら、あのゲーム買えたのに」とか、「もっと非現実的なら、どこでもドアがあったら、世界一周できるのに」などですが、一度授業で聞いただけではわかりにくいかもしれません。

中学生のA君の場合

私の担当している中学生の生徒のA君は授業で初めて仮定法を習ったのですが、どうもよく理解できなかったと言っていました。
そこである晩、夕食のときにお父さんに仮定法について質問したそうです。「あとで教えるよ」とその場は言われたものの、後でお父さんからも「ネットで調べたけど仮定法とは何かがよくつかめなかった」と白状されたと言っていました。

中学生のA君の場合

結局、家庭でのやり取りだけでは十分に理解できず、次の授業のときにA君は私に質問してきました。確かに仮定法の理解は初めての生徒にとって難しいものです。そのとき私が行ったのは、下記のように仮定法をまず3パターンに分けて説明するやり方です。

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仮定法の3パターン

実は、下記3パターンが主になっているので、私は代表的なこれらの文をA君に暗記させました。
仮定法には数学のように公式があるのです。実はそれがわかれば仮定法は難しくありません。英文法は簡単な公式です。もちろん、言葉ですから例外もありますが、重要なのは公式を理解し、使いこなすことです。

仮定法の文のつくり方

先ほども述べたように、英語の仮定法にも数学の公式のように文法があります。なので、それをきちんと守って仮定法の文はできています。
以下は長年、塾で私が生徒たちに教えてきた仮定法のやりかたです。

たとえば、現実にはあり得ない内容の以下のような文章があるとします(よくある願いですよね!)。

パターン1:非現実的な仮定

I wish I were a bird.
(鳥だったらなあ)
I wish I were a TV star.
(スターだったらなあ)

これらの仮定は、非現実的ですね。wish(願う)という動詞を使い、be動詞なら過去形の、しかもwasではなく、wereになることもポイントです。

次にもう少し現実的な仮定法を作ってみましょう。

パターン2:仮定法現在

① If it rains tomorrow, she will not go out.
明日、雨がふるなら、彼女は出かけないでしょう。

①のポイントは、if 節(SVつまり主語+述語)がrains・つまり現在形になっていて、実際は〜だろうという意味で、未来を表すときに使います。
これを仮定法現在と言います。

パターン3:仮定法過去

② If he studied hard, he could become a teacher.
(彼は一生懸命勉強すれば、先生になれるのに)

②のポイントは、If節が、過去形になっているのですが、実際は、先生になれるのに、という現在を表すことになります。

つまり、Ifのあとが現在形なら仮定法現在と言い、未来を想像します。Ifのあとが過去形なら、過去形過去と言い、現在を想像しているのです。

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助動詞の使い分け

仮定法の助動詞の使い分け

授業の中で、なぜwouldとcouldがあるの?とA君に聞かれました。

①の文章

①の文などの場合、単純未来と言い、〜でしょうというときに使われます。

ここでは「明日」という、まだ起きていないけれど 本当に起こるかもしれない未来 を話しています。
だから → will を使います。

もし would を使うと、「明日雨が降るなんてありえないけど、仮にそうだったら…」という 非現実的な想像 になってしまいます。

willの過去形というと不思議に思うかもしれませんか、形式的に使われます。ただ、wouldは、〜しょうとする、などいろいろな意味を持つ重要な単語であることを覚えておいてください。

②の文章

②のcouldは、canの過去形なので、〜できる、という可能性がある場合に使いますから、わかりやすいと思います。

can … 「できる」(現実に可能)
could … 「〜できるのに」(実際はそうじゃないけど、仮定したら可能)

だから②の文では could を使うんです。

※あとひとつ
I could read the book if I learned French.
(私がフランス語を習っていたら、その本が読めるのに)
これは、if節が後ろにきていますが、やはり、if以下から訳して下さい。whenの構文と同じです。

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最後に

英語の仮定法をマスターした男の子

最後に、勉強は難しいものだと思わないことが大切です。わかれば面白いですし、知らなかったことを知識として得ることは純粋に楽しいものです。
特に英語は、高校入試で必須科目であり、大学入試でも必須のところが多い重要科目です。仮定法はその中でもよく出る内容であり、中学で学ぶ仮定法はその基礎となります。ですから、完全にマスターできるようにしていきましょう。
英語と数学は階段式になっています。中学でつまづくと、高校英語や数学はわかりません。
高校生から、中学のとき勉強していてよかったとよく教え子に言われます。

英語は、入試での得点につながる大事な科目であることはもちろんですが、特に、英語を学ぶ意味はそれだけにとどまりません。学ぶ過程で外国の文化や考え方に触れることができ、それは将来必ず役立つ力になります。いっしょに頑張っていきましょう!