今回は、長文の論理構造を瞬時に見抜くカギとなる「接続詞」について、高校生、大学受験生、TOEIC受験者を対象に、プロ講師の視点から完全解説します。
「品詞の名前で苦手意識がある」「今まで接続詞を意識していなかった」という方もご安心ください。接続詞は、文法の中では比較的シンプルですが、その機能(順接、逆接、譲歩、理由など)を理解しているかどうかで、読解のスピードと精度は劇的に変わります。曖昧な知識で長文を読み進めるのは、地図なしで山を登るようなものです。
本記事では「一覧性」を重視し、等位接続詞、従属接続詞だけでなく、受験や実務で頻出する接続副詞(接続語句)まで含めた「使えるリスト」を最初に提示します。このリストを一度整理し、頭に入れることで、あなたの英文読解は必ず次のレベルへと引き上がります。
【こんな生徒におすすめ】
- 接続詞ってなんだ?!と、全く分かっていない
- 接続詞を今まで意識していなかったのに、実は大切と知って焦っている
- 接続詞が苦手なままきてしまい、わかりやすく解説してほしい
- 接続詞が曖昧でよく分からないので、簡潔に教えてほしい
- たくさんある接続詞の種類を、わかりやすく丁寧に教えて欲しい
- 接続詞のわかりやすい一覧表が欲しい
- 長文読解などで接続詞がカギになるので、しっかり身に付けたい
なぜ接続詞を覚えると長文読解が有利になるの

接続詞は、「内容の推測を可能にしてくれる大切な案内人」です。
長文読解で最も重要なのは、筆者が何を言いたいのか(主張)と、その主張をどう展開しているか(論理構造)を把握することです。接続詞は、その論理の方向性をはっきりと示してくれます。
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Because / Since:これらが来たら、その後に「理由」が来る。
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But / However:これらが来たら、「主張の転換」や「反論」が来る。
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Therefore / Thus:これらが来たら、その後に「結論」が来る。
これらの合図がわかると、文章全体を構造的に理解できるようになり、読解力も問題解答力も飛躍的に向上します。
【早見表】英語の接続詞・接続副詞 3分類一覧
まずは、この一覧表で頭の中を整理しましょう。等位接続詞、従属接続詞、そして特に受験で問われやすい接続副詞まで含んでいます。
| 分類 | 品詞 | 役割・機能 | 代表例(最重要) |
| 等位接続詞 | 接続詞 | 対等な語句・節を並列でつなぐ | and, but, or, so, for |
| 従属接続詞 | 接続詞 | 主節に(名詞・形容詞・副詞)節を従属させる | that, when, if, because, although, while |
| 接続副詞 | 副詞 | 文と文(アイデア)を意味的につなぐ(文法的な結合力は持たない) | However, Therefore, Moreover, Thus, In addition |
接続詞とは?(接着剤の役割と2種類の分類)
『接続詞は、接着剤』。これは、私の指導で最も使うフレーズです。接続詞とは、その名の通り、つなぐ役割に使います。意味がそれぞれ異なるため、「どんな意味で何と何を繋いでいるのか?」が、学ぶポイントになります。
接続詞の働きは、シンプルに以下の2種類に分類されます。
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等位接続詞:対等な関係のものを並列につなぐ(例:and, but)
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従属接続詞:主節と、それに付随する従属節をつなぎ、主従関係を作る(例:when, because)
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接続詞と接続副詞・前置詞の違い(受験での識別ポイント)
接続詞を学ぶ上で、受験生が最も混乱しやすいのが、「接続詞」「接続副詞」「接続詞句(前置詞句)」の区別です。これらは意味が似ていても、**文法的な働き(特に句読点)**が全く違うため、この区別を曖昧にしていると文法問題で失点します。

接続詞の働きは、下記の2種類あります。
①等位接続詞
まず、簡単な方の接続詞が、この「等位接続詞」です。
代表的なandで、解説しましょう。
〈A and B〉
「AとB」「AそしてB」
AとBは、等位(同じ形*)。この等位で、並列に結ぶのが、等位接続詞です。
接続詞の数は、少ないです。
*対等な関係の意味。品詞つまり働きが同じものを、繋ぎます。
※AとBには、語・句・節と、なんでも置けます。
(例)
・dogs and cats「犬と猫」
→A(dogs)とB(cats)は、二つとも名詞。(語を並列)
・My hobby is singing and dancing.「歌って踊る事」
→A(singing)とB(dancing)は、二つとも動名詞。(句を並列)
・Usually I cook and my sister wash the dishes.「私が料理して、妹が食器を洗う」→A(I cook)とB(my sister wash the dishes)は、二つともSV〜。(節を並列)
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②従属接続詞
そして、少し複雑な方が、主節と従属節をつなぐ働きをする「従属接続詞」です。
代表的なthatで、解説しましょう。
〈 I think that it will snow tonight.〉
「私は、今夜は雪になると(いうこと)を思う。」
主節(I think)の一部として、節(SV〜)を入れたい時、この節を従属接続詞(that)を用いて、従属節(that it will rain tonight)として、入れることができます。
よって、等位接続詞とは異なり、主節と従属節という、「主従関係」になります。
接続詞の数は、多いです。
※従属接続詞の中は、節しか置けません。
3.接続詞一覧で、意味を覚えよう!
「等位接続詞」と「従属接続詞」、働きが異なるので、それぞれ種類別にまとめて一覧にしましたので、例文を参考にしながら、覚えていきましょう。

1.等位接続詞一覧
and「と、そして」
I was young and healthy.
but 「でも」
He is young but looks old.
or「か、もしくは」(選択)
I usually study at home or in the library.
,so「、そして〜」(結果)
The student was late, so the teacher asked him why.
,for「、というのは〜だからだ」(理由)
I got up early, for I wanted to see the sunrise.
相関接続詞
等位接続詞の熟語です。下記のセットで使います。セットで覚えましょう!
- not A but B「AでなくB」
- not only A but (also) B「AだけでなくBも」
- both A and B「AもBも」(両方肯定)
- either A or B「AがBのどちらか」(片方選択)
- neither A nor B「AもBも〜ない」(両方否定)
2.従属接続詞一覧

①従属接続詞の王様 that
thatは、便利で働きが多いので、まず先に覚えるべき従属接続詞。
(1)名詞節「〜ということ」
(例文)
I think that he will pass the exam.
「私は、彼が試験に受かるだろうと思う。」
※省略可能なので、書かれていなくても、本来はthatがあるんだと意識することが大切です。
(2)形容詞節「〜という・・・(名詞の後について、名詞の説明))」(同格)
(例文)
The fact that I don’t like him is a secret.
「私が彼を好きでないという事実は、秘密です。」
→the fact that〜「〜という事実」
(3)副詞節「〜なので、〜に」(感情の原因)
(例文)
I was surprised that she had won the prize.
「私は、彼女が受賞した事に驚いた。」
②時の接続詞when、while、before、after、till/until、since、as
(例文)
When my father came home, I was about to go to bed.
=I was about to go to bed when my father came home.
「父が帰宅した時、わたしはまさに寝ようとしているところだった。」
※接続詞節が先に来る時はカンマ(,)を付ける。後に置くときは付けない。
when「〜の時に、〜したら」
while「〜の間に」
before「〜の前に」⇔ after「〜の後で」
till/until「〜までずっと」
since「〜以来ずっと」
as→(注)様々な意味があるため、後半にまとめてあります。
③理由のbecause、since、as
(例文)
I didn’t go out because it was raining.
「雨が降っていたので、出かけなかった。」
because「〜なので」
since「〜なので」
as→(注)様々な意味があるため、後半にまとめてあります。
④条件のif, unless
(例文)
The festival will be cancelled if it rains tomorrow.
「もし明日雨なら、お祭りは中止になるだろう。」
if「もし〜ならば」
unless「〜しない限り」
⑤譲歩の(al)though、whether
(al)though「〜だけれども」
(例文)
Although it may sound strange, it’s true.
「奇妙に聞こえるかもしれないが、本当だ。」
whether〜(or not)「〜であろうが(なかろうが」
(例文)
Whether you like it or not, you must do it.
「好きだろうがなかろうが、それをしなくてはなりません。」
⑥「〜かどうか」のif、whether (〜or not)
(例文)
She asked me if/whether I would join the event.
「彼女は、私にその行事に参加するか聞いた。」
It doesn’t matter whether he likes it or not.
「彼がそれを好きか否かはどうでもいい。」
⑦内容に合わせて訳すasの用法
asは、「時、比例、同等比較、様態、譲歩、理由」を表す事ができる、万能接続詞!
なので、文脈判断で、どの意味が適切かを、見極める必要があります。
(例文)
Do as you are told.「言われたようにやりなさい。」(〜のように)(様態)
As you get older, you will understand more things.
「歳をとるにつれて、より物事をわかるようになるだろう。」(〜につれて)(比例)
相関接続詞
従属接続詞の熟語です。下記のセットで使います。セットで覚えましょう!
so 〜 (形容詞・副詞) that…
such a 〜 (名詞) that…
「とても〜なので…」(程度)
(例文)
That lecture was so boring that I fell asleep.
「その講義はとてもつまらなくて、寝てしまった。」
That was such a boring lecture that I fell asleep.
「それはとてもつまらない講義で、寝てしまった。」
4.覚え方のポイント

①例文ごと勉強しよう!
②接続詞一覧で、単語の勉強感覚で、一度に覚えてしまいましょう!
③実際に、長文読解などで出てきた時に、無視しないように!
関連記事:【1番わかりやすく教えます!10分の仮定法教科書】
プロ講師が選ぶ!長文読解で本当に重要な接続詞TOP10
25年の指導経験から断言できますが、長文読解やTOEICで最も論理構造の理解を助けてくれるのは、以下の接続詞群です。これらは「論理の合図」として最優先で覚え、出現したら必ず意識してください。
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However(逆接・譲歩):筆者の意見転換の合図。この後に続く主張こそが本文の核であることが多い。
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Therefore / Thus(結果・結論):最終的な結論の導出。設問の答えがこの付近にあることが多い。
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Although / Though(譲歩):重要な主張の前置き。譲歩節(although以下)は軽く読み、主節(その後に続く文)をしっかり読むことが大切。
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Since / As(理由):理由が示されるため、前後の因果関係把握に必須。
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Moreover / In addition(追加):主張をさらに補強するシグナル。前の文と同じ方向性の内容が続く。
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But(逆接):最も基本的だが、パラグラフ内の論理の切り替えを示す。
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While(対比):ある事実に対して、別の側面を提示する(〜一方で)。
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For example / For instance(具体例):抽象的な主張を具体化する。具体例は飛ばし読みし、主張に戻る判断ができる。
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In contrast / Conversely(対照):全く逆のアイデアを提示する。
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Consequently(結果):原因と結果の結びつきを明確にする。
まとめ
接続詞の働きと一覧を確認して、もやもやしていた知識はスッキリできましたか?
これからは、問題や長文で、接続詞を読み飛ばさず、内容の推測の案内人として、活用する様に意識してみてくださいね!
「勉強は、気合が大切です。」
受験生になると、今まで全然伸びなかった生徒たちが、ぐいぐい上達していく現場を見ています。
その違いはなんでしょうか。
気合、つまり意識の変化に他なりません。
しかし、直前で行えることには限りがあるので、受験期に入る前から、意識を少しずつ変えていくようにしてくださいね。
If at first you don’t succeed, try, try again.
「七転び八起き」(最初から成功しなくても、何度も何度も挑戦せよ。)













