【5分野完全解説】プロが教える大学入試突破の英語勉強法①学習スケジュール編

大学入試における英語の難易度は時代の変化と共に少しずつ上がってきており、特に、2021年にセンター試験から共通テストに変わった影響に伴い、どの大学でも長文読解をメインとした難解なものになりつつある傾向があります。
大人になってから高度な英語が自分にとって必要かどうかは分かりませんが、その前に望む仕事に近づくために、志望大学へ無事受かることは、非常に大切ですよね。
その大きな目的達成のために、英語が得意な人もそうでない人も、自分の行きたい大学へ入れるよう、「大学入試の英語の勉強法」について学び、後悔のないように、本番へ臨める勉強法をしていきましょう!

【こんな生徒におすすめ】
・大学入試英語の勉強法を知りたい
・いつから受験英語を始めればいいのか知りたい
・具体的な受験英語の勉強法を教えてほしい
・高1〜高3までの英語勉強スケジュールを立てたい

1 大学入試英語の重要性

高校入試のための英語のテキスト

まず、「英語」という科目は、「世界共通言語」であり、今では情報収集に欠かせないインターネット・オンラインでの言語は半数以上英語であり、英語を理解できるかどうかで、手に入る知識も広がる世界も大いに変わってきます。
また、「英語」に関しては、入試で英検やTOEICなどの英語の外部検定試験の利用を取り入れている大学も増えてきており、試験の幅も広がっているため、自分にあった英語の勉強を見つけることもできます。
そして、大学入試で身につけた英語力は、社会に出てから大いに影響を与えていきます。そして、あの時しっかり勉強をしておけばよかったと後悔するケースも非常に多いのです。勉強に時間を使う事ができるこの時期に英語学習をきちんとして、将来に備える意味でも、大学入試英語の勉強は、非常に重要だということです。

関連記事:【これで必勝】大学入試「英語面接」2つの重要評価ポイントとは?《頻出質問リスト付き》

2 大学入試の勉強はいつから開始するべき? (高1〜高3までの勉強法)

学校で英語を勉強する学生

大学受験に向けた英語の勉強はいつからはじめればいいのでしょうか?
いわゆる「受験英語」の勉強については、高3の夏休みまでに、英単語・英文法の勉強、つまり高校英語の基礎固めを終えておきましょう。そして、秋以降は、志望大学に合わせた対策・勉強を開始します。

ただ、ここで重要なことは、「英語は積み重ねにより成果の出る教科」であるということです。なので、受験期にはいってから勉強を始めてもこれまでの積み重ねがなければ結果につながるまで時間がかかるため、本番までに間に合わなくなって言うしまいます。
「大学入試」を高1の時点から意識して勉強法も工夫して積み重ねていく事で、受験を成功させる道を作っていきましょう。

大学入試英語 高1~高3勉強法

高1勉強法

高1年生では、中学から今習っている範囲までの「英語の基礎固め」のベースを作りましょう。中学英語で曖昧なところがないか、まず、総復習をします。
英語の知識は、最初から連なって進むため、前に学んだものが身についている事が大前提です。中学生の時に英語が得意だった人は気を抜かないように、すでに苦手意識のあった人は気持ちを新たにひとつひとつ丁寧に取り組むようにしましょう。

高2勉強法

高2年生になると、学習内容も受験に少しずつ近いものになって難易度は上がっていきます。高3になると受験勉強を本格的に進めていかないといけませんので、高2の時期はとても貴重です。受験生になってから志望大学を意識するのでなく、この時期に少しずつ目指したい大学を決めていきましょう。
また、英語の分野の中でとりわけ「長文読解」は、受験期になってから慌てて取り組むパターンが目立ちますが、長文読解は最も難解かつ短期間でどうにかならないのが実情です。高2後半から志望校を意識した対策、そして長文読解の勉強を、本格的に開始してください。

高3勉強法

高3年生は、いよいよ「受験生」となり、今までのような定期テストだけを目標として勉強する生活ではなくなります。
①早いうちに志望大学を決めて、傾向と対策を立てましょう。
②夏休みまでには、『基礎力』を固めておく必要があります。
③夏休み以降、『応用力』を鍛えていくために、実践的な問題に切り替えていきましょう。

〈受験生の英語学習のポイント〉

❶単元別から総合問題へ
高1〜高2までの単元別の勉強から、総合問題の勉強へと切り替えていきましょう。
❷『過去問』分析を
志望大学に必要な情報の確認をし、過去問対策をスタートしましょう。

関連記事:【プロが教える合格術】大学入試の英語は「長文読解力」で差をつけよう!

3 各分野ごとの勉強法 (英単語・英文法・長文読解・リスニング・英作文)

英語を勉強する高校生

次に、各分野ごとの「大学入試英語の勉強法」について具体的にわかりやすく解説していきましょう!

「英単語」の勉強法

まず、『語学力』は英語学習の全ての土台となるまさに英語力を支える必須アイテムです。そのことをしっかり頭に置いて受験英語に取り掛かるようにしましょう。
数で表すと、現在は下記のようになっています。これは大幅に増加傾向にあります。

中学までに学ぶ英単語数: 2000~2500語

高校で学ぶ英単語数: 4000~5000語

+受験に必要な熟語などの数: 1000語程度

①英単語帳を1冊選んで必ずやり終えること。
志望大学に合った単語帳を1冊選び、その一冊を隅々まで覚えましょう。また、必ず3周まではやり直す計画で進めてください。復習を重ねることで、わからない単語は無くなっていきます。

②英単語帳は習慣に。
英単語帳は、最も勉強しやすいものであり、数も勝負に勝つために大切、ゆえに『ルーティーン』として毎日または週に何日か単語帳の時間をもうけて習慣化させ、確実に身につけていきましょう。また、焦って一気に取り組むよりも習慣にすることで負担が軽減し、勉強を進めやすくなります。

③単語は意味・読みを押さえる
ただ単語を眺めていても頭には入りません。学習視点は、「自分がこの単語・熟語を見て、すぐに意味がわかるか?読めるか?」です。常にこの角度から学習する事で、本番に備えた単語学習が出来るようになるのです。

「英文法」の勉強法

「英文法」は、英語学習の中で絶対に必要な知識となります。
まず、単元ごとの理解と知識を身につけること。
単元ごとに、解説を通してインプットをし、問題によりアウトプット、そして最後にわからなかった箇所の反復、これが完了したら、総合文法問題へ進みます。

①解説を例文とともに理解する。
②問題を通して隅々まで対応できるようにする。
③1番大切な文法項目は『文型』!

「長文読解」の勉強法

大学入試では、殆どの大学で長文読解がメインに出題されます。リニューアルされた共通テストにおいては、全てが長文読解となっていますので、近年の大学入試での長文読解の重要性は極めて高いものになります。
長文読解は、英語の総合問題!
長文読解を理解できるようになるためには、「基礎力」が必須になります。さらに、難易度に合わせた「応用力」も求められていきます。そして、この「応用力」は、まさに長文読解を通して身につけていくことになります。このようにして、英語の総合力を養っていくのが長文読解なのです。

①まず、短めの文章のものから始めましょう。
志望大学レベルのものから取り組める人は、あえて簡単なものから始めなくていいですが、長文読解に難しさを感じる人はまず慣れていくために短めのものからスタートすると取りかかりやすいです。読んでいくうちに慣れてきますので、タイミングを見て志望大学レベルのものに移行してください。

②長文読解は、単なる和訳ではない!
長文読解で陥りがちな注意点は、英文を全て和訳しながら読み進めていくことです。全ての英文を逐一和訳しないようにしましょう。まず、時間が到底足りなくなるということ、そして、設問も解かないといけないため、強弱をつけて読まないと何が何だかわからなくなってしまいますので、”パラグラフリーディング”を意識して読むようにしましょう。

”パラグラフリーディング”とは?
パラグラフとは、段落のことです。
一文一文しっかり読む「精読」に対して、段落ごとの趣旨を読み取る読み方をさします。長い文章では、このパラグラフリーディングで読むことで強弱をつけることができ、内容の理解がしっかりできるのです。

③設問を先に確認しておこう!
リーディング・リスニングテストは、設問をさっと先に確認しておくと、効率がいいため、可能な場合は先に見るようにしてみましょう。

④『速読』トレーニングをしよう!
長文読解の最大のポイントであり合否を大きく左右するのは、時間内に解けるかどうか、になってくるため、特に共通テストや難関大を受験する人は、『速読力』をつけるトレーニングをしましょう。

〈速読力の付け方〉
速読は、トレーニングにより上達していきます。
①英語の順、つまり、出てきた順にそのまま読むこと。
②日本語の文章を読む時と同じように、ポイントを探しながら一気に読みつつ、段落ごとの要点を掴む (パラグラフリーディング)。
③そのためのテクニックとして、”スラッシュリーディング”を自然にできるようにする。

”スラッシュリーディング”とは?
意味の塊ごとにスラッシュ(/)を入れて読みやすくする方法。
スラッシュ入れは、慣れてくると頭の中でできます。最初は、自分でスラッシュを英文に書き込んで、可視化してトライしてみてください。
※スラッシュリーディングができるには、文法の知識が必須です。

④”ディスコースマーカー”を活用しよう!
”ディスコースマーカー”とは?
文中で、内容の展開や前後の論理関係を示す単語や熟語のこと。
これを読解の目印として意識することで、長い英語の文章において、その流れや論理関係を把握する事が可能になるため、大切な目印として活用しましょう。

⑤”パラフレーズ”を見抜く!
”パラフレーズ”とは?
同じ内容を別の表現を用いて表すこと。
大学入試では、本文中と設問内で、このパラフレーズが使われている事があります。このパラフレーズというカラクリも意識して取り組むようにすると、問題を解きやすくなるでしょう。

「リスニング」の勉強法

受験者の多い共通テストではリスニングも出題されるため、リスニング対策が必要な人は当然しっかり対策をしなくてはなりませんね。
リスニングは、聞く量を増やして経験を積むこと!
ほとんど聞いた事がない外国語を聞き取る事はできませんよね。リスニングテストがある大学を受ける場合は、過去問を確認して対応するリスニングテキストを他の分野と並行して勉強を重ねていきましょう。
また、リスニングについては勉強している人としていない人との差がはっきり結果として出るため、聞き慣れをするためにも早めに取り掛かるようにすると良いでしょう。ただ、リスニングがどうしても苦手な人は、リスニングのない受験を選んで臨むと良いでしょう。そうする事で受験英語の勉強の負担も軽減します。

〈リスニング力を付ける方法〉
下記の方法を、同じ内容につき何回か繰り返すとより効果的でリスニング力が身に付きやすくなります!
❶シャドーイング :聞こえた英語を追いかけて言う方法
❷ディクテーション :聞き取った英語を書き取る方法
❸リピーティング :音声を聞いた後に復唱する方法
❹オーバーラッピング :スクリプトを見ながら音声と同時に言う方法

「英作文」の勉強法

英作文の出題形式には下記の2種類あります。志望大学で英作文対策も必要な人は、早めに準備に取り掛かりましょう。
①和分英訳: 与えられた日本文を英文にする
②自由英作文:与えられたテーマに沿って英文を作る
英作文に対応するには「語彙力」と「英文法力」が必要不可欠です。これらの知識をアウトプットという形で行うのが、英作文になるのです。

〈英作文にはポイントがある!〉
❶まず、間違いをしないようにするため、自信のある英文法と知っている語彙を用いて書くこと。
❷簡潔にわかりやすく書くこと。

関連記事:【重要なのは3つだけ】大学入試における「英語小論文」問題の攻略ポイント完全制覇

4 その他のポイントアドバイス

英語を勉強している手元

「大学入試英語」の勉強法において、上記の以外のアドバイスをまとめましたので、該当する人は是非参考にしてください。

⚫︎英語の文が読めない人

英語が苦手な人は、そもそも英文を読んで解釈することがなかなかできません。
また、そうなると英文を読む量自体も全く足りないまま本番になってしまい、悪循環です。まず、やさしい英文・短い英文から、解説もしっかりしている教材を用いて始めてみましょう。
入試で出るような長文ではなく、数行で成り立っている「英文解釈」の教材から始めるのも良いでしょう。英文解釈の特徴は、「精読」で、習った英文法の復習を兼ねているものが多いので、文法を復習しながら英文を読む練習が可能なので、おすすめです。

⚫︎目的にあった教材を選ぶ

入試で大切なのは、志望大学に合った教材をこなす事です。
的外れな勉強にならないようにしましょう。
英語はどんな教材でも無駄になることはないのですが、問題形式・レベルにより勉強の内容もやり方も大きく変わってきますので、限られた期間で受験勉強を完成させるためには、無駄のない勉強をすることがポイントになります。

⚫︎過去問をしっかり分析

英語の入試問題形式は、大学により様々です。つまり、受ける大学の過去問を早めに解いて、レベルだけでなく傾向を確認する必要があるのです。
〈共通テスト対策について〉
『共通テスト』は、全ての問題が長文読解で構成されています。
ポイントは、スピードです。つまり、「速読力」が鍵となるという事です。
実は、センター試験から共通テストに変わって以降、形式も全てが長文読解に変わりさらに使われる語数も大幅に増えていて、長文のタイプも多岐に渡り、制限時間は80分でセンター試験の時と変わっていないため、難易度がかなり上げられているという事なのです。

⚫︎英語が苦手な人向け勉強法

まず、英語が勉強すればするだけ身についていく教科であることを知りましょう。つまり、やればやるほど結果として目に見える形で成果になりやすいということです。
苦手な場合の共通点は、「単語が覚えられない」に尽きます。そうなると、当然文法も難しくなり、長文になると大変なことになってしまいますね。
なので、優先順位として「英単語」の勉強法を実践してみましょう。単語の知識が増えてくると、読めるようになり意味もとれるようになるため、文法の理解もしやすくなります。

⚫︎模試で鍛えよう

模試は大切です。今の自分の力と目標までの距離を客観視できるだけでなく、英語のどの分野ができていないのかを把握するという目的もあり、本番までの勉強の仕方をその都度見直してより志望校に近づける工夫を加えていきましょう。
さらに、本番までに、試験慣れも必要です。模試は、本番と同じ姿勢で臨むことをおすすめします。

⚫︎外部検定試験の利用

英語においては、近年「外部資格検定利用」を取り入れている大学が増えています。
つまり、英語の試験において、選択肢・チャンスが増えているということで、これについては受験生にとってプラスでもあるでしょう。
まず、志望大学が、外部試験の利用可能かどうか調べてみましょう。
また、もし外部試験を利用した方が自分にとっていい結果につながりそうなら、それに合わせて志望大学を絞っていくのも良いでしょう。
どの外部試験を受ければいいのか、必要なスコアや級は何か、詳細を確認して、早めに準備します。そうすれば、入試までに複数回チャレンジできる可能性もあるため、より高得点・上の級取得も夢ではありません。
少しでも志望大学合格に近づける受験方法を調べて考えていくことも、大切な受験対策です。

⚫︎制限時間内にしっかり解けるように

志望大学の試験時間をしっかり確認してください。英語の場合、共通テスト含め、難易度が上がれば上がるほど、正解に導けない要因は「時間が足りない」ことにあるので、『時間配分を決めておく』事も、非常に重要です。
また、大問ごとの時間配分を決めておきましょう。あくまで目安ですが、過去問を通して自分に合った目安を決めておかないと本番で慌ててしまいますので、気をつけてください。

まとめ

英語は、勉強を重ねることで確実に成果となる教科ですが、それは短期間で出るものではありません。しかし、これらの効果的な勉強法を続けることで、少しずつ力がついていく事は確かです。
大学入試英語に対して不安を抱えている人は多いと思います。レベルの違いや得意不得意などの差はあれど、それぞれの目標に向かっての不安材料があると思います。
まず、自分の目指すところを明確にし、勉強のターゲットをはっきりさせるところから入試英語の勉強は始まりますので、将来の夢も含めた目指すべき志望大学をリストアップし、それに合わせて今回の解説を参考にして勉強スケジュールを組んでみてくださいね。