「英語小論文」問題とは、英語の課題文を読んでそれに対して日本語で答えを書くものです。大学により、英語小論文を出題するところもあるので、大学入試の前に確認しましょう。もし、志望大学が英語の小論文問題を出題しているようなら、過去問に近い条件のテキスト・問題集を早めに見つけ、しっかり対策をしてください。
また、総合型選抜で小論文を課すところも増えています。
英語の長い文章を読んでさらにそれに対して自分の意見をきちんと述べるのは簡単な事ではありませんよね。
英語小論文問題は、自分の考えを表現する力や論理的思考力を求められ、時代の変化とともに重要性が高まっています。
【こんな生徒におすすめ】
・大学入試で「英語小論文」が出題されるので、対策をしたい
・「英語小論文」問題の解き方やポイントを知りたい
1 英語小論文の読み方

英語小論文問題とは?
大学入試の「英語小論文」の問題とは、英語の課題文を読んで、それに対して、「日本語の要約」「設問に答える」「英語で小論文を書く」などのタイプがあり、大学により異なります。
英語小論文のタイプと設問
課題文となる小論文のタイプもいくつか分かれます。
・テーマ型 :あるテーマに対する自分の意見・考えを小論文としてまとめるもの。
・課題文型 :300~2000字程度の課題文を読み、その要約や課題文に対する意見をまとめるもの。
・データ読み取り型 :提示されたグラフなどのデータから事象を読み取り小論文としてまとめるもの。
また、大学、学部学科により出題テーマは異なりますが、社会問題・環境問題・時事問題・文化の話・科学技術の話などが一般的となっています。
なので、普段から多岐にわたる知識や情報に触れるようにすると取り組みやすくなるでしょう。
一般的には、下記のような設問が多いですね。
Ex. Read the following text and express your opinion about〜.
「以下の英文を読み、〜に対するあなたの意見を述べなさい。」
そもそも、「小論文」とは何か?
自分の意見・主張を、論理的に整理して、説得力を持たせて記述する文章のこと。
基本的に、答えは日本語小論文の知識を用いて要約するため、日本語小論文の知識が必要となります。
英語小論文の読み方と解き方

課題文である英文を読めなければ、設問へ進めません。まず、「英文読解力」が必須です。
さらに、設問に答えるためには、「小論文をまとめる力」「日本語小論文の知識」が必要ですので、そのためには「論理的思考力」も養う事になります。
①テーマ(主題)を読み取る「英文読解力」
②それに対して、自分の意見・考えをまとめて伝える「論理的思考力」
③「日本語小論文の知識」
(注意点)
①英語の課題文を読むのに時間を取られすぎないように注意!
気をつけていないとよくあるケースなため、英語の課題文の読み方を工夫しましょう。ポイントとなる部分とそうでない部分の強弱をつけて読めるように。
②感想文にならないように注意!
小論文とは、自分の意見を根拠に基づき論理的に表すものです。
個人の主観だけを述べると、客観的表現にならず小論文にならないので気をつけましょう。
関連記事:【プロが教える合格術】大学入試の英語は「長文読解力」で差をつけよう!
2 小論文の基本構成と書き方

基本の構成を意識!
日本語の小論文を書く際は、基本的に『3部構成』にしましょう。
※50~200文字くらいの文字数の場合、段落を分けずに自分の意見・理由を簡潔に述べましょう。
600~800字くらいの文字数の場合、基本的に「序論」「本論」「結論」の3部構成で書きましょう。
小論文の3部構成
❶序論
書き出し部分になります。主張と根拠を簡潔に書きます。
❷本論
序論での内容を詳しく説明します。
なぜ、自分がこの主張に至ったか(意見・主張の根拠・裏付け・理由)を書きます。
❸結論
まとめの部分になります。改めて主張を強調します。
文字数が少ない場合は、この部分を割愛しても大丈夫です。序論と本論でしっかり伝わるようにまとめます。
小論文はパターンが決まっているため、実は難しくないのです。
このように、しっかり構成に従ってまとめることさえできれば、小論文として成立しますので、まずはこのパターンを身につけましょう。
論理的に書く&一貫性を保つ
作文や感想文とは異なるため、主観的な内容は避けます。あくまで、論理的な内容で構成し、根拠の提示をします。
「論理思考力」とは、主張が最初から最後まで一貫しているということです。
書き方のポイント
限られた時間内に、いかに正確に英語の内容を読み解くことができるかということと、設問がある場合、その箇所を明確にする必要があります。
下記の点を意識して作成しましょう。
⚫︎要点を読み取る…設問タイプを見極めると、解きやすくなります
⚫︎課題文と自分の意見を差別化する工夫…自分の意見を提示することが好印象になります。
⚫︎指定文字数の9~10割で、完成させる。
⚫︎文体は「〜だ・である」調で統一する。
⚫︎倒置法・体言止め・比喩表現はNG…わかりやすい文章にすること。
⚫︎口語・擬態表現・略語はNG…減点対象になることがあります。略語が多用されている現代において、正式名称をしっかり把握しておくことも必要ですね。
⚫︎原稿用紙を正しく使う。
原稿用紙の使い方も減点対象になります。
・拗音(ゃゅょ等の小さい音)、促音(っ)、句読点に1マス使います。
・段落の最初は1文字下げます。
・ カタカナや数字の書き方
縦書きの場合は、漢数字。横書きの場合は、算用数字。
外来語はカタカナになりますが、あまりカタカナが多いのはよくありません、ひらがな・漢字で伝えられるよう工夫しましょう。
最終チェックポイント
書き終えた文章を見直す時間も確保しておきましょう。
下記の最終チェックも忘れずに!
⚫︎小論文の採点ポイントをおさえておくことが重要
「課題文を正確に読み取れているか?」
「論理的に書かれているか」
ずれていると得点に繋がりません。
⚫︎文字数の確認
⚫︎日本語の誤字脱字チェック
⚫︎設問に適切に答えられているか
⚫︎論理的に構成されているか
⚫︎主張・意見は明確に書かれているか
関連記事:【これで必勝】大学入試「英語面接」2つの重要評価ポイントとは?《頻出質問リスト付き》
3 英語小論文問題の攻略ポイント

最後に、「英語小論文問題攻略ポイント」をまとめましょう。
課題文である英語の文章をきちんと把握できるよう、準備が必要です。
❶英語語彙力の強化
課題文は、学部に合わせたテーマのことが多いです。専門用語のようなものが出ることもあります。大学によるので、過去問でよく分析して語彙力を強化しておきましょう。
❷さまざまな知識・情報を学ぶ
全く馴染みのないテーマでさらに英語で書かれていると、内容を正確に把握する事も難しくなります。普段から、幅広い、または出題テーマについての知識を身につけておきましょう。
❸重要な部分とそれ以外の強弱をつけた読み方をする
❹普段からテーマとして出されそうな問題に対して自分の意見を言えるようにしておく
❺実際に、自分で書く練習を繰り返すこと
頭の中でできても実際に文章を書くことは練習を重ねていなければできません。
本番となるべく同じ条件で、書く練習を繰り返しましょう。
❾練習問題は、なるべく自分の志望校の傾向に近いテーマ・タイプのものにする
テーマ、設問タイプ、文字数などが、近いものを選びましょう。
➓過去問から学ぼう
過去問から、テーマ・設問タイプ・文字数などの分析をしましょう。また、実際に過去問2~3年分は、解いて体感でも分析しましょう。
英語小論文対策まとめ
英語小論文対策は、自分ひとりで正しいかどうか判断がしにくいため、学校や塾や家庭教師の先生に添削をしてもらうと良いでしょう。
また、日頃から目にする問題に対して自分の意見を言えるような姿勢で意識していると、本番で何を言っていいかわからないということもなくなるので、心がけてみましょう。












