「長文読解とは、英語学習の集大成」
英語の長文読解に対して、苦手意識がある人は非常に多いですよね。特に今は日本語でも長い文章を読む機会がなくなっているため、英語となると抵抗感が生じるのは当然なことだと言えます。
しかし、皮肉にも大学入試の問題の長文読解が占める割合は高くなる傾向が続いていますし、共通テストにいたっては全ての問題が長文読解になっています。
よって、英語が苦手な人も、長文に苦手意識がある人も、志望大学を目指すには「長文読解」の勉強を強化していかなくてはなりません。
では、英語長文読解に必要なスキルはなんでしょう?
ずばり、ほぼ全ての知識・スキルが必要です!
長文読解力とは、すなわち英語の【総合力】を問う問題なのです!
英文を正確に読めるようになるだけでも大変なのに、長い英語の文章を限られた時間内に読み、さらに問題も解かないといけないなんて、本当にハードルが高いですよね。長文読解に必要な『英語の総合力』を具体的に言うと、「語彙力」「文法力」(文構造力)「論理的理解力」「解答力」などです。
そして、長文読解がわかるようになるには、やはり、効果的な勉強法や取り組み方も必要なのが実情です。
ここでは、長文読解力をつけるのに必要なこれら全てをどのように身につけていくかをじっくり解説したいとおもいます!
【こんな生徒におすすめ】
・英語の長文読解力はどうすれば伸びるのか知りたい
・長文読解が苦手なのでどうにかしたい
・長文読解問題の解き方を教えてほしい
・英語の長文の読み方やコツを知りたい
1 英語の長文読解得点アップのためのスキルとコツ
『長文読解は、早く正確に!』
英語、とりわけ長文読解は『長期戦』である。
英語は積み重ねが功を成す時間を要する教科ですが、中でも長期計画で身につけていかないといけない分野が「長文読解」になります。先述した通り、英語のトータルの知識やスキルが身についていないと読むことも問題を解くこともできません。また、長文読解問題には読み方・解き方のコツもあるため、これらをしっかり理解して早めに長文読解の勉強を開始しましょう!
長文読解得点アップのためのスキルとコツ一覧

⑴長文読解必須知識&スキル
まず、「長文読解に必須の知識・スキル」を見ていきましょう。
①語彙力 (単語〜熟語)
英語には2つの必須知識があり、その一つが「語彙力」です。
語彙力とは、単語だけでなく熟語やその単語の使い方も含みます。言うまでもなく、単語の意味や読み方を知らなければ何にもわかりません。逆を言えば、単語は知れば知るほど英語の世界はどんどん広がっていくということなのです。
「単語帳勉強の習慣化」
試験直前まで、単語帳を勉強してください。単語帳に載っているという事は、全て試験に出る可能性があるという事です。また、単語は、サッと確認でき勉強するのも手軽にできますよね。テスト前だけでなく、日々の習慣にしましょう。
②文法力(英文構造力)
英語の2つの必須知識のもう一つが「文法力」となります。
英文法は、学んだ語彙をどう使用すべきかという英語の使い方のことです。
単語をどれだけ覚えたとしても、それらの正しい使い方をマスターしていなければ英文を作ることができませんね。このための英文法が英文構造を理解して使える力のことです。なので、単語と同時進行で、文法の勉強をするのです。
「文法は完全にやり終える」
単語と違って、文法は何をやればいいのか決まっていて、一冊の文法書の全ての項目を最初から最後までやり終えることで、英文法をマスターできます。
項目ごとについている演習をこなしながら、余すことなく身につけていくのです。
この「文法力」こそが、長文読解の鍵に繋がりますので、必ずやり終えましょう。
③音読力
さらに英語の必須スキルとして、「自分で発する事ができる」つまり「音読力」があります。実際の授業では、新課程になっても英語を読ませることには力を入れていないということが、英語学習の効率を格段に下げてしまっているのです。
結局、日本語と同じで読めないものは身につかないのです。
もし、いままで英語を勉強する時に音読をしないで進めてしまった人は、今から音読も習慣にしましょう。
⑵長文読解のコツ
次に、「長文読解得点アップのコツ」について解説していきましょう。

①「論理的理解力」
長文読解には落とし穴があります。それは、いくつもある英文を全て和訳して読んでしまう読み方です。まず、試験においてそれでは時間がいくらあっても足りないでしょう。限られた時間内に内容を把握して、かつ問題も解かないといけない条件下では、この「精読」の読み方をしていると、点数には結びつきにくいでしょう。
では、どのような読み方をすればいいのでしょうか?
「論理的理解ができる読み方をする」
英語の文章は、基本的に論理的に構成されています。その、論理関係を判断しながら読むというスキルが長文読解では最も結果につながるのです。
わかりやすく言うと、大事な箇所とそうでない箇所の読み分け、つまり「強弱をつけて読んでいく」ということです。
・文章のテーマと結論を読み取る
・段落ごとの趣旨を読み取る
・これ以外の部分は、具体例などの内容なのでざっと目を通す程度にしておく
このようにして論理的理解を意識して読むコツを身につけていく事が重要です。
②「解答力」
長文読解は、試験なので当然読むだけでなく問題を解かないといけないので、ここで気をつけなくてはならない事は、英文を読めれば英語の長文読解問題もパーフェクトに解答できると思ったら、それは違うということです。
なので、英語が得意な人でも長文問題に関しては、過去問から対策をたてて取り組み方のコツをつかんでいくトレーニングをしないと得点にはスムーズには繋がりません。つまり、どんな人でも、長文問題の得点アップのためには「解答を導ける力」を養わないとならないのです。
これまでの、必須の知識・スキルと、論理的理解力とを用いて、さらに問題に正しく対応できるためには、長文読解の勉強で、必ず問題にも取り組むようにする事です。また、先に設問に目を通しておく事も効果的に解くコツです。

③「単語の意味を推測する力」
まず、単語の意味は一つではないことを知っておきましょう。
英語と日本語は完全に一致しないため、意味のずれが存在しますので、英語ではこの単語でまかなえる意味も、日本語ではそれぞれ別の単語になるのです。
また、内容や使い方により、意味が変わるものもたくさんあります。
このような理由から、短文と違い、長文では単語の意味を正しく推測する力が大切です。同じ単語なのに日本語で言うと全く異なる意味のものもありますよね。
また、わからない単語についても同様です。
最後のQ&Aで詳しくお話ししますが、わからない単語は飛ばしたり悩んで時間を割かないようにしましょう。内容に合わせて推測しながら処理をしていきます。
④「速読力」
「精読」から「速読」へ
「精読」とは、英文の意味をしっかりとる読み方なのに対して、「速読」とはスピードを一番重視した読み方を言います。
大学入試の長文読解においては、基本的に、和訳の問題以外は、後者が求められます。なぜなら、時間が限られている上に難関大になればなるほどその時間は短くなっていくからです。
ただ意味をとって読んでいるだけだと、解答力も速読力も身についていきませんので、意識をして取り組む必要があるのです。
「早読み」とは少し違い、きちんと文章の内容を把握していかないと問題も解けませんので、先に解説した「論理的理解」を目的とし、強弱をつけて読む事で必然的に速読が可能になります。日本語でも、無意識のうちに私たちは大切な箇所だけを短時間で読みとります。それと同じ事を、英語でもできるように、是非、得点アップを狙うためには「速読力」を養っていきましょう。
⑤「全ての知識を総合的に発揮できる力」
長文読解をできるようになるには、これまでに身につけた知識を総合的に発揮できるようになると言う事なのです。
そもそも、なぜ沢山の単語を覚え、同時に文法を勉強してきたのか?
その最終目的は、それらを使い英語を読んだり書いたり話したりと、実用化することです。
そして、大学入試では、長文を「フルスピードであらゆる英語の知識をフル活用」します。ここで解説しているコツを意識しながら、「多読」をする事で、少しずつしかし着実にそれができるようになるでしょう。
⑥時間配分を決めておく
過去問をしっかり分析して内容だけでなく「時間配分」にも気をつけましょう。
大学入試英語において一番足を引っ張ると言っても過言ではないのが、この制限時間です。受ける大学が決まったら、大問ごとの時間配分の目安も自分に合った配分で設定しておくようにしましょう。

⑦パラフレーズに気をつける
パラフレーズ(paraphrase)とは、同じ内容を別の表現で表す方法です。
本文と同じ表現を設問で用いると簡単に解けてしまうため、長文読解の問題では、本文で使われている表現とは異なる表現で設問が作られている事が多いのです。
つまり、言い換えというトリックが用いられているのです。
このような知識も長文読解問題の得点アップのためには、大切です。
関連記事:英語の長文読解が苦手!スラスラ読めるようになる勉強法を解説
2 長文を読めない人へ
英語の長文をそもそも読めない人も、多くいることでしょう。まず、その理由について知ることからはじめましょう。
❶圧倒的な語彙力不足
知らない単語が多ければ多いほど、当然ながら読解は難を極めます。
長文では、語彙力があっても難解なまたは知らない単語が出てきますし、知っていても内容に沿った意味で取れない場合も多々あります。
そして何より、長文は長い文章になるため、長ければ長いほど、単語がわからないと、全体の流れが読み進むにつれわからなくなっていきます。
解決策⇒『反復学習』
最初に長文読解の必須知識ともお伝えしている「語彙力」。苦手意識があるなら尚のこと、何度も見たり発音したり時には書いたりしましょう。勉強以外の日常のシーンと同じで、何度も目にしたり聞いていると好き嫌いに関わらず記憶に刻まれていきますよね。単語帳勉強を習慣にしてみましょう。
❷文構造が読み取れない
もう一つ必須知識である「文法力」。
単語をわかっても、英文の構造を理解できなければ、どう意味を繋げていいかわかるはずもなく、単語の意味で想像するというレベルにとどまってしまいます。
「正確な意味」を取れなければ、英文も長文も読めません。
解決策⇒『英文法を一冊完了』
英文法は、英語を読むための必須知識です。だから、英語の授業であれだけ重視されているわけですよね。これらの知識を学ばずして長文読解など、不可能。
「文型」を必ず先に身につけてください。そのあとは順に進めていけば大丈夫です。不定詞、動名詞、関係詞などの大きい単元は重要単元なので、時間がない場合は、これらの単元を優先してもいいでしょう。
❸逐一和訳しないと内容を理解できない
❶❷は、クリアしたのに、なぜか長文読解になると、できなくなってしまうケース。
上記の「長文読解のコツ」を参考にしてください。
特に、「論理的理解力」不足が足を引っ張っているはずです。
一つ一つの英文の意味はわかるのに、、、という人は、あと一歩です!
解決策⇒『内容のテーマ・趣旨を念頭に置きながら読もう』
英文の意味を掴めていても、それがイコール読解力とはならないことに気づかなければなりません。つまり、次のステップは「読解力」を養わないといけないということです。特に、設問もこなさないといけない読解力というのは、「要点・趣旨」を読み取れなければならないということです。また、段落ごとの趣旨も大切です
これは、単に単語と文法の知識だけではうまくできないため、上記のコツを参考に「読解力」を磨いていきましょう。
関連記事:英語の長文読解に悩む高校生必見!救世主は「5文型」!
3 長文読解Q&A

Q.長文読解は、なぜとりわけ難しいのですか?
最初にもお話ししたように、長文読解というのは、英語のあらゆる知識、つまり、「語彙力」「文法力」(文構造力)「論理的理解力」「解答力」のさまざまな力が必要になるために、これらの知識と経験の集大成が長文になります。基礎がないままでは、長文読解は不可能。語彙や文法の基礎力をつけた上で、さらに適切な読解の勉強を積み重ねていくことで、英語の総合力が向上し、読解もできるようになっていきますよ。
Q.長文で、わからない単語が出てきた場合どうしますか?
前後の意味や全体の内容から『推測する力』を付けます。読解の勉強している時も、答え合わせや解説は、見ながら絶対しないでください。推測しながら、その箇所が重要でない場合は特に気にせず進めましょう。また、わからない単語は推測しつつ英語のまま解釈すればいいのです。全てを読む必要はないため、強弱の弱の内容については、読み飛ばして良い言い訳です。
Q.長文読解で、特に重視すべき箇所はありますか?
まず、なんといっても「第一段落」を読んでなんの話をしようとしているのか(テーマ)を確認しましょう。そのあとに続く段落は、段落ごとの要点を読み取ります。そして、最も重要な「最終段落」で、結局言いたいことはなんなのか(結論)が書いてあります。このように、段落を意識して「テーマ」と「結論」(=趣旨)をしっかり把握します。
Q.長文読解で、いつも時間が足りません。
複数の段落で構成されている英語の長文と問題を読むには、相当の時間を要します。当然、普通に読んでいると時間は足りなくなります。なので、「長文読解のコツ」内でも示しているように、「速読力」も求められるのです。
「速読」は、大学入試の最後の課題とも言えるでしょう。しかしこれは、英語のベースが備わった前提になるので、順に沿ってレベルを上げていき、最終課題として「速読力」を身につけていくという流れになります。
関連記事:【5分野完全解説】プロが教える大学入試突破の英語勉強法①学習スケジュール編
英語の「長文読解力」まとめ

大学入試問題での長文読解比率は高くなる傾向にあり、配点も最も高くなっていますし、共通テストにいたっては全てが長文読解になっており、「長文を早く正確に読む力」が大学入試の鍵である事は確かです。
英語は、積み重ねにより成果になる教科なので、長期的な努力を積み重ねていくことでじわじわ目に見えるようになるものです。言い換えれば、やればやるほど報われる教科ということです。
長文の勉強は、時間も手間もかかるので取り掛かる時期が遅くなりがちですが、一度開始すると慣れていくので、特に受験生は出来るだけ早めから開始してくださいね!













